2020年2月28日
「ラ・ルッチョラ」 大阪・福島・イタリア料理
大阪・福島の人気店「ラ・ルッチョラ」が移転してしばらく経つ。
建築デザインは木島徹さん。人気の建築家である。
外観はシンプルそのもの。
中に入るとキッチンの道具がなければ和食の佇まい。
木島さんのテイストが随所に光る。
その中でシェフ鈴木浩治さんは、料理を作る、喋る、スタッフに指示をだす。
流れに全く無駄はなく、あたかも自然体のように見えるのがすごい。
前菜は、ブルスケッタ。
マスカルポーネにキャビア。キャビアの塩分とコクで料理への誘い。
続く前菜は、フグのカルパッチョ。
3日間寝かして身が馴染んだところに白子のソース。
胃袋が素直に反応する。
次なる前菜はブッラータ。
ブッラータはフレッシュチーズ。水牛のチーズの中に生クリームが忍ぶ。
マスカットやピスタチオ、オレンジはちみつで食べる。
爽やかさとコクがいい具合で混じり合う。
バーニャカウダ。
ソースの塩梅がシェフらしい、濃厚かつ優しい。
野菜の滋味が生きる。
パンは香ばしい。
フランスビゴール豚のつくね。
分厚い味わいにパスタとソースが絡む。
可愛いボリュームもここならでは。
的矢の牡蠣のスパゲッティ。
牡蠣のほろ苦さとソースの乳化が素敵で、あっという間に食べてしまう。
弾力のあるクエは3日間寝かせたもの。
サルサベルデという古典的なソースを合わせる。
苦味とコクがクエに負けない力を持つ。
近江牛のイチボ。
菊芋のピュレとフライの存在が大きいが、
やはりイチボの香りと味わいがあってこそと感じる。
ティラミスとパンナコッタの饗宴。
二つの合わせ技に嬉しくなる。
エスプレッソで締める。
1時間半強で食事は終了。
楽しく時間は過ぎていった。
「ラ・ルッチョラ」
大阪市福島区福島5-7-3
06-6458-0199
投稿者 geode : 10:49
2020年2月27日
「とんこつ家」 茨城・ひたちなか市・ラーメン店
店全体がとんこつの雰囲気を醸し出している。
大きな駐車場から入り口に向かう。
豚骨特有の匂いが店外に流れてくる。
この匂いで「豚骨」ということが一瞬にして分かる。
店内に入ると大きな寸胴があり、スープを炊いているのが見える。
迫力がある。
とんこつラーメンのメニューがずらりと表示されている。
基本のとんこつラーメンを選んだ。
麺はやや固めとした。
一口目のとんこつが醸す匂いと味わい。
京都や大阪ではなかなか出会うことが少ない味。インパクトは強い。
麺は細めで、濃厚なスープを受け止める。
このスープには、粉の味がしっかりした麺でないと負けてしまう。
チャーシューの脂分が、スープをまろやかにしてくれるようだ。
甘味がうれしい。
餃子も頼んだ。
しっかりボリュームありの餃子。
タレをつけ、口に入れるとジューシーさが分かる。
これもラーメンに負けない迫力の一品である。
豚骨に命をかけた仕事だという印象が残った。
ラーメンも色々チャレンジせねばと感じていた。
「とんこつ家」
茨城県ひたちなか市高場1229-1
029-202-0455
投稿者 geode : 10:30
2020年2月26日
「レストラン乃呂」 大阪・東心斎橋・洋食
初めてこの「レストラン乃呂」を訪れたのは40年ほど前のこと。
当時勤めていた事務所の同僚と一緒に行った。
その同僚の父親は医師で、この店をよく利用していたそうだ。
風格のある店内、アンコウの肝や牛肉の網焼きなどを食べていた。
だから僕にとっては洋食の原点のような一軒でもある。
この日はお任せにした。
雲丹のプリン。
雲丹を溶かし込んだプリンにコンソメゼリーと雲丹。
最初からインパクトのある一品。
2品目は筍である。
今年は早い時期から収穫が始まっているとか。
日本ならではの調味料、醤油が生きる。
ほろ苦さとかすかな甘味を感じる。
雲子のゴルゴンゾーラ焼き。
雲子のねっとり感にゴルゴンゾーラの酸味が寄り添う。
素敵な合わせ方だ。
ホタテは半ナマ状態で、ホタテが持つ甘味をぐっと引き出す。
ほうれん草との相性は間違いなし。
ミネストローネ。
野菜の滋味をしっかり味わう。
かに身たっぷりのグラタン。
王道の組み合わせで、食べる側に安心感を与える。
海老とワカサギのフライ。
タルタルソースが流石の仕事である。
黒毛和牛のグリル。
さっぱりした味わいは質の良さを感じさせる。
デザートはタルトタタンとバニラアイスクリーム。
季節のデザートである。
洋食の王道を、外すことなくしっかり提供してくれる。
1958年創業というから62年の際月が流れる老舗といえる。
「レストラン乃呂」
大阪市中央区東心斎橋1-16-10
06-6271-7804
投稿者 geode : 10:18
2020年2月25日
「ビストロ・オーボンモルソー」 京都・河原町三条・ビストロ
次号のあまから手帖は「食堂的イタリアン 古典派フレンチ」。
このところフランス料理の古典について思いを巡らすことが多くなった。
多くのシェフはエスコフィエのことを語る。
そんなことを思いながら「オーボンモルソー」の前を通り、迷うことなく入ることにした。
カウンターに座りメニューを見る。
2皿コース 2000円のものがある。
通常のメニューには前菜、主菜と魅力的な料理がずらりと並ぶ。
同行者は2000円のコース。
僕は前菜、主菜から一皿ずつ。
同行者はスープと、牛肉の煮込みとマッシュポテトのグラタン。
僕はニース風サラダと牛肉ハラミのステーキにした。
カトラリーはカジュアルなライヨール。
ブルーの色合いがいい感じだ。
ニース風サラダ。
ベーコンたっぷり、半熟卵の崩れ具合も嬉しい。
ボリュームもしっかりある。
スープは野菜のポタージュ。
濃度が素敵だ。舌の上にゆっくり乗ってゆく。
それが溶け出し味わいが膨らむ速度がいいのだ。
グラタン。
牛肉とマッシュポテトのバランスで、すっと胃袋に入ってゆく。
牛肉のハラミのステーキ。
分量に一瞬たじろぐのだが、
ポテトフライトと交互に食べていると、いつのまにか無くなっていた。
デザートは無しにしてエスプレッソで締める。
現在、ランチは週末だけである。
店内の雰囲気やシェフ、マダムやスタッフの気遣いなど、
本当にざっくばらんでゆっくり楽しむことがでできた。
「ビストロ・ボンモルソー」
京都市中京区河原町通三条上る東入恵比須町534-18 ステラム1F
075-212-8851
投稿者 geode : 10:31
2020年2月21日
「ル プルミエ カフェ」 大阪・東心斎橋・コーヒー店
ミナミに行くと訪れたくなるコーヒー店。
瀟洒なビルの3階。
階段を上がって行くと看板が見える。
随分前のことだが、ここで飲んだマンデリンが
とても印象的であったことを今でもしっかり覚えている。
苦味の感覚が、僕の好みにぴったりきていたのだろう。
魅力的なのが はちみつトースト。
適度に焼けたトーストにはちみつを塗る
それを小さく切って山のように積み上げる。
このスタイルが食欲を刺激し、かつ食べやすい。
よく焦げた部分の香ばしさ、そうでないとこが入り組んで
香りと食感の違いからも美味しさは生まれてくる。
単にはちみつだけの効果ではなく、食感の違いからの味わいが生かされている。
あっという間に食べてしまった。
コーヒーはインドネシア。中深煎り。
柔らかな苦味で、口の中の甘味をスッキリ洗ってくれる。
久しぶりの訪問であったが、店内に流れる空気は静謐感を醸していた。
「ル プルミエ カフェ」
大阪市中央区心斎橋筋1-3-28 ビギ1stビル 3F
06-6253-2567
投稿者 geode : 10:01
2020年2月20日
「幽玄」 大阪・上本町6丁目・日本料理
昨年6月「味吉兆」で13年間の修業を終え独立を果たした「幽玄」。
カウンターと個室が一つ。
ご主人は九州出身の三船桂祐さん、34歳である。
これまで料亭の仕事、一筋であった。
山菜の酢の物が出た。
白魚にうるい、生姜のジュレ、山三つ葉、上に土筆。
土筆のほろ苦さが印象的である。
春の訪れを告げる前菜だ。
椀物はスッポンのしんじょ
うぐいす菜、人参、うど、下仁田ねぎが入る。
出汁は淡く、椀種と一体になって味わいを醸してゆく。
造りはマグロとアオリイカ。
壱岐のアオリイカの質と包丁の入れ方で秀逸な甘味が生まれていた。
八寸は
サラサエビに酒盗、川せり
紫花豆にカマンベールチーズなど
天草大王の炭火焼に辛子菜
おいなりさん
趣向を凝らした楽しさが溢れる。
クエと聖護院大根の鍋仕立て
水菜、うど、木の芽。
大根がクエの出汁を含み味わい深くなる。
八尾の若ごぼう、あさつき 辛子味噌。
箸休めのような存在。
炊きたての白ご飯。
これが甘いのである。
なんとおかずが11種類ならぶ。
炙りからすみと牛肉のしぐれ煮、だし巻きを選ぶ。
ご飯が進む。
チョコレート大福に抹茶
バレンタインデーが近かったのでこのデザートに。
みかん、八朔、イチゴにジュレ。
さっぱりと締める。(画像なし)
静かに興奮を呼び起こす献立である。
今後 期待大の一軒だ。
「幽玄」
大阪市天王寺区石ヶ辻町14-14 銭屋本舗 西館 1F
06-6796-9959
投稿者 geode : 10:07
2020年2月19日
「グリルフレンチ」 京都・小川通御池上る・洋食
マスターはいつも快活であり、饒舌でもある。
お客さんと言葉を交わすことが、元気の源のようにも感じる。
その饒舌が聞こえなくなると、お客側も心配となるほどだ。
元気をもらいにゆく。
前菜は盛り合わせをオーダー。
サーモンマリネを加えて欲しいとリクエスト。
サーモンマリネにホタテのグリル、スモークサーモンと野菜。
酸味と甘味の塩梅が見事。
カブラのポタージュ 冷製。
カブラの甘さがしっかり味わえる。
郷愁を呼ぶ味だ。
エビフライ。
レモンで締め、タルタルでインパクトを。
エビはじんわり甘さを届けてくれる。
カニクリームコロッケ。
カニとクリームのバランスが、どちらも高めてくれる。
ビーフカツサンド。
牛肉の質に大きく左右される。
無駄を省き、牛肉で勝負の一品。
プリン。
適度な硬さとキャラメルのほろ苦さがうれしい。
もう少し食べたいぐらいである。
貴重な洋食屋である。
「グリルフレンチ」
京都市中京区小川通御池上ル下古城町377
075-213-5350
投稿者 geode : 10:41
2020年2月18日
「煮干しそば 藍」 京都・神宮丸太町・ラーメン
ラーメンは定期的に食べたくなる。
京都では「拳」や「とうひち」などに足を運ぶ。
時折 新たなチャレンジをしたくなるのがラーメンの魔力だ。
麺・スープ、双方に心血をそそぐ。そして価格との闘いもある。
そんな競争を乗り越え、多くの支持を集めるラーメン店。
行列ができる。
「煮干しそば 藍」もその一軒だ。
店名にもあるように、スープは煮干しを標榜する。
壁に描かれたイラストがリアルで臨場感がある。
煮干しそばを頼む。
麺は全粒粉、中細麺で軽い弾力を感じる。
一口目、魚介の味がぐっと広がりインパクトがある。
スープは醤油と塩の中間をゆくような味わい。
次第にスープの味に慣れ、麺との絡み具合が心地よくなってくる。
鶏肉のチャーシューもさっぱりとスープに馴染む。
食べるごとにその魅力にはまってゆくように思う。
同行の食いしん坊は混ぜそばを頼んだ。
麺はやや太麺。
少し濃厚な味わい。
麺は、京都の製麺所 麺屋棣鄂である。
また訪れたい一軒となった。
「煮干しそば 藍」
京都市左京区吉田下阿達町29-1
070-5503-2898
投稿者 geode : 10:49
2020年2月17日
「一碗水」 大阪・堺筋本町・中華料理
南茂雄さんの料理に触れると、
一皿ごとの集中力と凝縮された味わいに感動が湧き上がってくる。
昨年末に続いて1月にも訪れた。
天然の芝海老が登場した。
さっと揚げた状態だが、ネギと生姜と塩で食べると
香ばしさと甘味が生まれる。
意外なスタートであった。
ワカサギの甘露煮。
出汁の含ませ方が素敵だ。
春巻。これは立春の行事食とのこと。
筍とふきのとう。まさに春を告げる香りと味わい。
上海蟹の身が椀種である。
スープは清湯。
スキッとした味わいに上海蟹が踊る。
卵白と上海蟹。
味噌と卵が縦横無尽に活躍する。
百合根と上海蟹。
髪菜と呼ぼれる中国の藻の一種。
濃厚なスープとともにいただく。
上海蟹を使った麻婆豆腐。
上品かつ辛さの調整がよくきいている。
南さんならではの仕事である。
白ご飯は必要である。
イノシシのバラ肉にチヂミほうれん草。
脂身の柔らかな甘味が素敵だ。
アンコウを使った酸辣湯麺。
アンコウのエキスと辛さ、酸味が見事な調和をみせる。
デザートは金柑のコンポートに大納言小豆。
秀逸である。
今回も、南さんの意思の強さを感じたのであった。
「一碗水」
大阪市中央区安土町1-4-5 大阪屋本町ビル 1F
06-6263-5190
投稿者 geode : 10:19
2020年2月14日
「炭焼きむら」 京都・北大路下鴨・炭焼き
「牛の串は売り切れになることがあるので、それぞれ二本ずつ取っておきましょうか。
来られてからキャンセルされても結構ですので」と予約の電話での応対であった。
じつはこの「きむら」のシステムがよく飲み込めていなかったのだが、
牛串という言葉に魅せられて、その提案に従った。
入店してそれが正解だとすぐに感じた。
17時半開店、18時に店に入ったのだがほぼ満席。
メニューを見ながら注文表に書いてゆくシステム。
カウンターで座る。
キャベツを食べながらメニューを決めてゆく。
ご夫妻の息のあった動きを見るだけでも値打ちありだ。
焼きたてのタン塩にレンズを寄せると熱気で曇ってしまった。
食感と甘味が秀逸。
ミノは脂分がゆっくり溶けてゆく。
ハツの濃厚な味わいに気持ちがどんどん乗ってくる。
椎茸もジューシーさがたっぷり。
ネギは甘味が炸裂。
鶏皮も脂分が持つ味わいと野菜がいい感じで融合する。
名前のないGS ゴールデンスペシャル。
モモの焼き鳥にニンニクとカレー風味。
これがなんともインパクトのある串となった。
後半に食べたい一本。
セセリで締める。
ボリュームがあり、満足感を呼び起こす。
ご主人は僕より年長であった。
焼きおにぎり。
醤油ベースのタレがよく染み込んでおり、最後の一品にふさわしい。
スープですっかり満足。
人の感じも味わいも素敵だ。
リピート必至だと感じた。
「炭焼きむら」
京都市左京区下鴨西本町456
075-555-3267
投稿者 geode : 10:49
2020年2月13日
「スカーラエ・プラス」 京都・THE THOUSAND KYOTO・イノベイティブ
昨年オープンした京都駅側のホテル
「THE THOUSAND KYOTO」の2Fにあるイタリアン「スカーラエ」。
中央にあるカウンター「スカーラエ・プラス」は他の席とは異なる料理を提供する。
これがエキサイティングな体験をもたらしてくれるのだ。
スタートはドラゴンボール。
最初から変化球、中にはフロマージュや人参など。
意表を突かれた始まりで気分が高揚する。
グリッシーニ。
カニとポワロー。
柑橘系の香りと味わいですっと胃袋に収まってゆく。
ポワローは5時間調理。
車海老。
バニラとバターの香りが漂う。
生ハムがアクセントとなる。
パイのスープ。
中にはブラウンマッシュルームやはなびら茸、ちりめんキャベツ、コンソメ、
フォアグラコンフィ、フリーズドポルチーニ。
キノコ類のエキスをしっかり味わう。
苺と生ハム。
生の苺や苺ジュースなど多彩に調理。
18ヶ月熟成のパルマの生ハムが味わいを添える。
八つ橋である。
パスタだ。豊かな発想が料理を前進させる。
中身はタラのオリーブ、野菜などにチーズのソース。
食べて考える、考えて食べる。楽しい。
ほうれん草のザバイヨーネソース。
平井牛とマンガリッツァ豚。
この対比は極めて興味深い。
リコッタチーズに九条ネギ、人参、ドライトマト、アーモンド。
イカスミのタリオリーニ。
魚の出汁が使われる。三色の人参。
鰻は酒とみりんで調味。
この重ねには攻めの気持ちを感じる。
リンゴのデザート。
苺のデザート。
周りはタルト生地。
苺はコンフィに仕立てる。牛乳とハチミツのミルクジャム。
苺ミルクのアレンジ。
柚子のボンボンショコラ。
食べる楽しみを満喫した。
「スカーラエ・プラス」
京都市下京区東塩小路町 570
075-354-1000
投稿者 geode : 10:52
2020年2月12日
「VELROSIER(ベルロオジエ)」 京都・河原町四条・中国料理
河原町四条を下がったところに昨年末オープンした「GOOD NATURE STATION」
2Fはガストロノミーに特化したフロアだ。
現在3軒入店状態。あと2軒のスペースあり。
「ベルロオジエ」は中華料理だが、様々なアプローチが楽しい。
最初にお茶かと思っていると中華のスープ。
松茸と鶏節のスープ。
こっくりとした味わいで身体も温まる。
石焼き芋。
中身は安納芋と豚ミンチ。
浮き粉などで中華独特の網目状の衣を作る。
春巻き。
魚介のミンチに海老のすり身。
エビチリソース。口中では春巻きとなる。
ベルロオジエ 名物最中。
最中の中身はフォアグラのコンフィと柚子の香り。
金時人参のムースに甘エビと雲丹が入る。
金時人参のチップ。
カリフラワーをピュレにして素揚げ。
金華ハムで締めた帆立、かぶらとベーコンのムース。
なんとも優しい味わい。
これが餃子。
器の底にはニラの茶碗蒸し。その上に豚肉とキャベツ。
一旦蒸して揚げた餃子の皮をのせ、ニラのソルベを乗せる。
餃子の様子が整い、口中で紛いも無い餃子を感じる。
ぶり大根。
ぶりは低温調理を施し照り焼き。
いわばぶりの竜田揚げ、そこに大根餅のチップ。
鶏の醤油煮、タラの白子のフリット
フカヒレにごぼう。
ピスタチオの風味はアクセント。
鶏の白湯をかける。
低温調理のサワラは皮面を香ばしく焼き
ネギとセロリは天ぷらにする。
オイスターソースの風味も生きる。
根セロリのピュレと竹墨の香りもいい感じだ。
中華饅頭。
香川讃岐牛のマルシン。
甜麺醤のソースとジャガイモのピュレ
味わいの広がりを感じる。
大納言小豆は酒やアニスで仕込む。
イチゴに白胡麻アイス、杏仁アイス。
赤米のクッキーに白玉団子などなど
中華ならではのデザートが完成。
小菓子は
チョコレートマカロン
タルトシトロン
チョコレートオペラなど
創造的中華料理の精鋭という感覚を覚える。
これからの変化、足し算の美学を味わう。
「VELROSIER(ベルロオジエ)」
京都市下京区河原町通四条下ル2稲荷町318
GOOD NATURE STATION 2F
投稿者 geode : 10:55
2020年2月10日
「杦 SEN」 京都・五条柳馬場・日本料理
料理に安定感と風格を感じる。
以前は単品での注文もできたが、今はコースのみとなった。
スタッフの充実ぶりも感じられる。
ご主人の杉澤さんは海外での経験もあり、料理も柔軟な姿勢が見て取れる。
節分らしいあしらいを施した始まり。
造りはヒラメと赤貝。
濃密な味わいに驚きを覚える。
サワラは藁で燻し、おろしポン酢と。
脂分と酸味のバランスがいい感じだ。
椀は白甘鯛と季節の野菜。
出汁が甘鯛と融合して旨みを高めてくれる。
八寸。
イワシの山椒オイル。
フグの焼き白子。
アワビと海苔と肝和え。
ふきのとうとタラの芽の天ぷら。
このわたの細巻き。
柚子釜
春野菜に合わせ酢ゼリー。
早い春を感じる一品。
イノシシの鍋
せり、うるいなど。
イノシシの脂身の味わいが秀逸。
さっぱりしたコクには参る。
締めのご飯は鯖寿司。
フグご飯にカラスミ。
間違いなし。
白海老の小さなかき揚げ丼。
これもたまらない。
いちごとミルクのアイス。
百合根饅頭。
抹茶で締める。
若き料理人と美術関係者と。
これからの展覧会のあり方など有意義な会話が転がっていった。
「杦 SEN」
京都市下京区五条通柳馬場上ル塩竈町379
075-361-8873
投稿者 geode : 10:40
2020年2月 7日
「有恒」 京都・寺町二条・日本料理
炭火焼の店は増えてきたが、ここのスタイルは貴重である。
カウンターの向こうに炭床が鎮座する。
その横に炭の筒があり、そこにも熾った炭が入っている。
突き出しは
小蕪に雲子、アワビ。
身体が芯から温まる。
活帆立の炭火焼。
生からさばくので香りが違う。
ノドグロが串打たれ、焼かれる。
てっさ。
微かな甘味がポン酢で際立つ。
ノドグロ 仕上げは炭床で。
立てて焼くために余分な脂分が綺麗に抜けてゆく。
さっぱりとした味わいの中に旨みが詰まっている。
玉ねぎも炭床で。
甘さが鮮烈にやってくる。
白海老と玉ねぎのかき揚げ。
香ばしさとコクと甘味の大合唱である。
卵かけごはんにカラスミ。
白ご飯に出汁醤油を垂らし、そこに泡立てた卵白と卵黄。
そしてカラスミ。うまいに決まっている。
ビフカツは味の凝縮感がすごかった。
わさびとの相性が良しの仕上げ。
締めはさば寿司。
鯖の占める分量が半端ではない。
アラカルトで楽しめるありがたい一軒と出会った。
「有恒」
京都市中京区二条通寺町西入丁子屋町694-3
075-212-7587
投稿者 geode : 10:20
2020年2月 6日
「ヴィルゴラ」 大阪・本町・イタリア料理
骨太な料理を作る料理人・星山英治さん。
男性ばかり12名の集まり。
料理は緻密な計算だと思う。
ベースがあってこそ作り手の感性が生きるはずだ。
そんなことを思いながらシェフの料理を食べていた。
タラの身とゼラチン、ジャガイモのフリット
ほっこりする温度帯が嬉しい。
前菜1
鯖のマリネ リンゴのピュレ
キーウィにハーブのソース。
エキゾティックな香りがする。
前菜2
マカジキとオレンジのタルタル
というかミルフィール。
カリフラワーやブラックオリーブのアクセントが生きる。
前菜3
アマダイの鱗焼き 大根のスープ仕立て
カリッとした香ばしさと大根の優しい甘味がいい塩梅。
パスタ
サルディニャの詰め物パスタ クルルジョネ
中には赤エイ、ジャガイモ、ケイパー。
ソースはイカ墨で和えたもの。
ホクホクしながらポテサラのような詰め物を楽しむ。
パスタ
ルッコラのペーストを使うスパゲッテーニ
太麺である。弾力と粉の味が鮮烈であった。
サルシッチャの濃さが嬉しい。
メイン
トスカーナのチンタ・セネーゼのロースとフィレ。
トレビスのピュレ 黒米のリゾット
赤ワインソースはがっしりした印象。
追加は黒胡椒、チーズ、バターのパスタ。
しっかり食べたという食後感を与える。
みかんとみかんのビスコッティ
下にはみかんの皮のシロップをマッシュ状態にしたもの。
紅茶のクリームにキャラメリゼしたりんご。
シェフの確かな技術と発想が生きたコースであった。
「ヴィルゴラ」
大阪市中央区久太郎町4-2-3
06-6224-0357
投稿者 geode : 10:52
2020年2月 5日
「そば処 みやこ」 京都・西洞院蛸薬師・そば処
昨年の「あまから手帖」京都特集で、
そば処なのにここの焼きそばが取り上げられていた。
注目すべきは自家製麺ということ。
姿はまさに焼きそば。
「味はつけていますが、足らないようでしたら
ウスターソースをご用意していますので、お使いください」
との説明であった。
麺を口にすると、醤油の香ばしい味わいを感じる。
細麺だが、いわゆる中華麺のような歯ごたえではない。
優しい弾力があり、優美な感じを覚える。
豚肉の脂分が甘く、卵が放つ塩分がアクセントとなっている。
同行の仲間は味噌煮込みうどんを頼んだ。
味噌味が優しい。
麺は弾力のバランスが優れていると感じていた。
今回はこの二つを食べたが、次回は別の麺を楽しみたいと強く思った。
「そば処 みやこ」
京都市中京区西洞院通蛸薬師下る古西町429
075-221-1958
投稿者 geode : 10:16
2020年2月 3日
「JIMLAN COFFEE」 名古屋・中川区・コーヒー専門店
旅先で素敵なコーヒー店に出会うと、すごく嬉しくなる。
その旅が充実したものに感じる。
今回名古屋の旅で出会った「JIMLAN COFFEE」はまさにそんな一軒。
いつものごとく「名古屋・自家焙煎珈琲」とキーワード検索をすると何軒かのコーヒー店が見つかる。
市内繁華街からは少し離れているが、「JIMLAN COFFEE」の「JIMLAN」という名前に反応した。
もしかするとJBLというスピーカーに関連しているのかもしれないと思った。
行ってみるとその予感は的中していた。
店内に入るとカウンターの後ろにレコードプレーヤーがあり、そこでレコードが回っている。
スピーカーを見るとやはりJBL。
流れているのはジャズ。これがなんとも優しい音である。
スピーカーの後ろに焙煎機の上部が見える。
すっかり気分が高揚する。
カウンターの後ろに並ぶカップは北欧のものが多く、これも感動を呼び起こしてくれた。
マスターがネルドリップで淹れる姿を見ながら言葉を交わす。
湯を落とす速度がかなり早い。
そして抽出した後に湯をごく少量注いだのだ。
その効果か、深煎りブレンドの味わいはじつにスッキリしていた。
「このお湯の役割が結構重要なのです」とマスターの言葉。
基本はネルドリップだが、
ペーパー、サイフォン、プレスなど多彩な抽出法を選ぶことができる。
ガトーショコラもオーダーしたのだが、香り口どけともに見事な逸品であった。
近くにあれば通いたい一軒だと思った。
「JIMLAN COFFEE」
名古屋市中川区一色新町3-1202
052-303-4131
投稿者 geode : 10:41