2008年01月28日

「素料理 虚無蕎望 なかじん」   京都・古川町   素料理

かつて「あまから手帖」の蕎麦特集では、表紙を飾っていただいた「素料理 虚無蕎望 なかじん」が今月をもって閉店することとなった。理由は、健康上のこと。3月からは、奥様がいとなむ「うさぎ亭」で中村一臣さんの料理を食べることができるのです。もっとも蕎麦抜きではありますが。

昼に点心を頂きました。

先付、粗びき、前菜、そばがき、主菜、せいろ、デザートです。前菜、主菜は献立から好きなのを選びます。

1037525.JPG

1037526.JPG

先付は ぶり大根から始まりです。

1037524.JPG

ぶりのアラで焚いた大根に、ぶりのでんぶがかかっています。

つぎが粗びき

1037530.JPG
1037529.JPG

これぞ「なかじん」という蕎麦です。粗びきの蕎麦を寝かると、香りが違います。「枝豆やトウモロコシの香り」と説明を受けるのですが、まさにその通りです。塩で食べると、味わいが濃厚になります。

前菜は、にぎり鮨盛り合わせと温野菜のサラダ

1037533.JPG

1037535.JPG

 へしこのバーニャカウダ。 にぎりは中とろと穴子。にぎりは中村さんが以前から献立に入れていました。中トロの肌理の細かさには驚き、香りも充分でした。 温野菜のサラダは、紅芯大根などの野菜を自家製へしことオリーブオイルなどを混ぜたバーニャカウダで食す。これが野菜の甘みも引き立てる逸品です。

そばがき。

1037536.JPG

約10年前のことです。「なかじん」がまだ伏見桃山の駅前の小さな店であった頃、「そばがきのムニエル」というメニューがあり、その食感と味はいまだ記憶に残っています。このそばがきは、まるでスフレのようです。軽やかななのに印象深い。

主菜は丹波地鶏の炭火焼きと本日のかき揚げとしました。

丹波地鶏は、まずももから始まり。

1037538.JPG

炭の香りも利いています。続いてももとろ。

1037540.JPG

脂がのって旨みが強い。
それから肝。

1037542.JPG

これが強烈でした。甘みが強く、うっとりするほど。

そしてすね肉の焦がし醤油です。

1037543.JPG

鶏の持ち味をしっかり堪能です。

かき揚げは、小海老と春菊。

1037545.JPG

この美しさは見事です。塩は、少し赤味を帯びています。

1037546.JPG

ウニを混ぜた自家製。これはまさに蕎麦屋さんのかき揚げです。

締めはせいろ。

1037547.JPG

「炊き立てのご飯のような香り」と。そうなんです。さらりとしているのに、香りは充分です。蕎麦を手繰り、喉ごしを楽しむわけです。

締めはデザート。

1037548.JPG

1037550.JPG

そばの実のアイスクリームとミニあんみつです。

京都だけではなく、関西の蕎麦の世界につねに新風を吹き込んできた存在であった「なかじん」。変化することで進化をつづける一軒でした。やむなく店を畳む(現在の店は中村さんの知り合いが、新たに蕎麦屋さんを営むようです)ことになったのですが、「あずき亭」で中村さんの元気な顔との対面をたのしみにしましょう。「さようなら・なかじん・さん」また春には、会いましょう。

1/25付、
 
 ☆「京都・名酒館 主人 瀧本洋一の『旨酒』」
  Vol.3「新たな年の始まりに寄せて」

1/23付、

☆『海外通信』 London通信 Vol.5
  「オーガニックの未来予想図」

公開しました。↓

http://
www.kadokami.com/
http://
www.kadokami.com/

投稿者 geode : 00:09