2013年2月28日
「うずまき」 東京・赤坂・中華料理
「菊乃井」の村田さんと打ち合わせがあり、
東京店の近くで昼ごはんをご一緒しました。
「うずまき」という名前の中華料理店。
村田さんのおすすめを数品です。
まずは、牡蠣の豆鼓炒め。
三陸・気仙沼の牡蠣、芽キャベツ、空豆。
気仙沼の牡蠣はぷりんと太っており、濃厚な味わい。
豆鼓にも決して負けていません。
芽キャベツ、空豆の火の通し、青味がうれしいです。
しゅうまいのサイズも結構大きく、
歯ごたえもしっかりあり。
蓮根のしゃきっとした食感も素敵なアクセントで、食欲をそそります。
毛ガニのかに玉です。
これは旨いに決まっています。
真綿のように柔らかく、
食後の印象はかなりのインパクトありでした。
黒酢豚。
豚のみという潔さ。
あんは舌をくすぐる甘みと酸味、
歯を入れたときに初めて豚の旨みと融合するのです。
白子麻婆です。
思わず、白いご飯をお願いしました。
麻婆はご飯にかけてこそ真価発揮という思いが強いのです。
白子の濃さが辛さに反応し、旨みをましてゆきます。
ここで締めればいいんのですが、
小さな担々麺を追加してしまいました。
供された文山包種茶(ぶんさんほうしゅちゃ)が、
すこぶるつきの美味しさでした。
カジュアルな雰囲気でしたが、
しっかりした料理で昼から大満足!
「うずまき」
東京都港区赤坂5-5-11
03-3584-2116
投稿者 geode : 10:11
2013年2月27日
「クラッティーニ」 大阪・北新地・イタリア料理
毎日放送の本郷さんと
新たなプロジェクトについての打ち合わせも兼ねた食事です。
訪れたのは北新地のイタリア料理店「クラッティーニ」。
最初は、バッカラ、チーズ、キャビアです。
バッカラはタラの塩漬け。
それをチーズで融和し、キャビアの塩分と旨みでアクセントを添えます。
塩水オリーブ。
旨みを感じます。
水牛のモッツァレラとマイクロトマト。
パンデュースのパンです。
炭と藁で香り付けをしています。
その香り付けした太刀魚に
ワインビネガーで和えた細かく切ったリンゴ。
その酸味と甘みがいいですね。
生ハムやサラミ、豚の頭ゼリー寄せ、猪の生ハムなど。
それぞれ味わいに特徴があり、興味深い体験でした。
猪の生ハムは濃厚。
水タコは白ネギ、オリーブ、ケッパー、トマトとともに。
水タコの甘みがいきています。
フォアグラのソテー。
そこに金柑のマスタード和えです。
この組み合わせは初めてですが、
甘みと辛みがフォアグラによく合います。
白魚のフリッター。
これはうれしくなるような味わい。
白魚の苦みに卵のまろやかさが加わります。
ホワイトアスパラガスのパンチェッタ巻き。
これも王道です。
菜の花のフリッターにボッタルガがかかっています。
カキのペペロンチーニ。
カキの苦みとコクがきいています。
ワインをメインにメニューを組み立てられた「クラッティーニ」です。
北新地に新たな風が現れました。
「クラッティーニ」
大阪市北区堂島1-5-35 レジャービル 6F
06-6344-6500
投稿者 geode : 11:11
2013年2月26日
「一碗水」 大阪・堺筋本町・中華料理
冬の「一碗水」を食べる会です。
スタートは小さなポーションで幾つか供されます。
白菜で包まれた上海蟹。
くわいは八角風味。
上海蟹の紹興酒漬け。
豚の腎臓などなど刺激的な南ワールドの始まりです。
スープは魚のうき袋です。
身体が温まります。
こりっとした食感です。
子羊と下仁田ネギ。
ネギの甘みと子羊の相性が見事です。
ヒグマの手と干しアワビ。
手はゼラチン質が主体で、
アワビは旨みの凝縮といった感じです。
孤高の南さんは淡々と仕事を確実にこなしておられます。
これは今となってはひとつのスタイルになっています。
そして供されたのがアンコウとニンニク炒めです。
ニンニクの風味と味がアンコウに寄り添うのです。
火鍋です。
赤い方は、ごま油と比内鶏、すっぽん、
フカヒレ、ナツメ、クコの実などが入ります。
思っていたより辛味優しくでありました。
白はハチノスはじめセンマイなどの内蔵がたっぷりです。
活けのロブスターにはラクレットが入ります。
繊細な身質をチーズがうまくくるんでくれました。
つばめの巣が入ったアーモンドなどのスープです。
贅沢な一品。
干し柿と胡桃のお菓子
アヒルの卵の塩漬け、バター、上海蟹の味噌をねりこんだあんです。
やや塩味のきいた感じがいいです。
いつも刺激的な組立で、驚きと感激を受け取るのです。
「一碗水」
大阪市中央区安土町1-4-5 大阪屋本町ビル1F
06-6263-5190
投稿者 geode : 10:43
2013年2月25日
「イル チプレッソ」 大阪・南森町・イタリア料理
昨年の秋以来の訪問です。
スタートはバーニャカウダ。
大阪市内でバーニャカウダを供したお店は、
こちらが早かったような気がします。
シェフの高島さんは生産農家の方と結び付きが強く、
季節ごとにいろいろな野菜が入手できるのです。
寒ブリと大根 魚醤風味。
ブリ大根もこんなスタイルになります。
魚醤はいかなごで作られたもの。
独特の酸味と風味がすばらしい。
興味深い一皿でした。
フリット。
赤穂の生牡蠣、貝塚のふきのとうです。
塩とレモンで食べました。
牡蠣は弾力ありの太った一品で、
海のミルクという感覚が強調されています。
ふきのとうは、まさにほろ苦さの凝縮です。
全粒粉で作ったストラッツァプレティ 菜の花と白ミル貝。
ストラッツァプレティはエミリアロマーニャ地方の伝統的なパスタのこと。
ねじりをいれた感じです。
塩分のきいた味わい。
白ミル貝の濃い味がいいですね。
大和肉鶏とビーツのトルテリーニ。
大和肉鶏は、シェフ最近のお気に入り。
確かに肉質はしっかり、味わいはじつに濃厚。
そこにビーツとレバーの入ったトルテリーニ。
これは餃子、もしくはワンタンの皮のようなパスタで素材をくるみます。
肉鶏のスープがまた美味です。
阿蘇の馬肉のちりめんキャベツ包み。
付け合せの豆は、豚足などと煮込んでいます。
馬肉にはチーズも入り、
シェフ特有の力強さというか迫力のある一品となりました。
黒カブもついています。
デザートは吉田牧場のリコッタチーズと金柑のコンポートです。
チーズと金柑の組み合わせは新鮮で、かついい相性。
イチゴのグラタン ピスタチオのソルベ。
熱さと冷たさ、異なる甘味と風味。
インパクトのあるデザートです。
徳島の純黒糖です。
これを口に含みエスプレッソです。
いつも安定しながらも、
どこかにやんちゃな様子が顔を覗かせるメニューでした。
「イル チプレッソ」
大阪市北区菅原町10-32 ウエムラ西天満ビル1F
06-6363-2772
投稿者 geode : 10:27
2013年2月22日
「吉富寿し」 福岡・舞鶴・寿司
久しぶりの「吉富寿し」です。
大将の笑顔が素敵です。
ふぐのにこごり。
赤むつ(のどぐろ)にかぶら。
対馬産です。
甘鯛も対馬です。
ねっとりとした食感。
有明のたいらぎ貝。
さっとした火入れが甘みを誘います。
山口沖のまぐろ。
香りと甘みが素晴らしい。
長崎のブリの漬け。
この季節は脂がのっているのですが、
それを漬けにするとまた違った楽しみです。
醤油の塩分と脂のマリアージュが素敵。
海老のしんじょう。
ほっと一息です。
車海老は香りとほんのりとした甘みがいいです。
白子の炙りは秀逸。
ふぐはちりにぎりで。
贅沢な一品です。
赤貝は独特な食感と旨みです。
穴子は塩で。
口のなかでほどけてゆきます。
さよりのこの美しさ。
長崎産です。
鯛。
北九州で上がったものです。
アオリイカとウニ。
これは双方の旨みの重なりが何倍もの味わいとなります。
干瓢巻きはすこしワサビがきいてるものが好みです。
締めに季節の菜の花を握ってもらいました。
いつも変わらぬ安定感で、
博多前の寿司を堪能しました。
「吉富寿し」
福岡市中央区舞鶴3-6-23サンハイツ舞鶴 1F
092-741-3490
投稿者 geode : 10:33
2013年2月21日
「コンヴィヴィアリテ」 大阪・新町・フランス料理
フランス料理に興味をもたれた人達との会食です。
テーブルナプキンにも店名がきちんと入っています。
スタートはなめらかなスクランブルエッグと、
チーズとハムのスティックです。
スクランブルエッグは、
ホントになめらかで口の入れると自然と溶けてゆく感覚です。
すこしスティックをつけて食べるとまた味わいに変化がでます。
このグラスの中には
スペルト小麦、ワイルドライスが入り、
そこに蕪と紅ズワイ蟹がプラスでキャビアです。
なんというバランス、うっとりします。
これがおどろきの一品です。
料理名はブーダン・ノワール。
いわゆる豚の血のソーセージですが、この美しさ。
フルーツを巧みにつかった味の構成など感激です。
次に登場したのも素敵な皿です。
手前はトリュフと根セロリ。
王道の組み合わせです。
確実に旨さが保証されています。
器に入ったのがトリュフのピュレ。
これと交互に食べると、
この季節ならではの至福を感じるのです。
魚は青森の鱈です。
皿の中には鱈、安納芋、白子が入ります。
ソースは軽いピスタチオ風味です。
白子を潰すとソースに粘りがでて、
これが鱈とまたよく合うのです。
メインはカナダ産仔牛背肉のロースト。
あくまでジューシーな味わいと風味の気品。
いい料理です。
チーズも熟成がきいたよき状態のモノが揃っています。
アヴァンデセールにソルベです。
デザートはタルトタタンです。
これまた濃厚ですが、すっきりと胃袋に収まりました。
エスプレッソをいただきながら。
小菓子です。
こんなに美しいケースに入って出てきます。
すきなだけお取りください、ということです。
なんだかうれしくなります。
これだけいただきました。
フランス料理。
それも古典をきちんと押さえながら、
それを再構成して現代的に組み立てる。
その楽しさを味わいました。
「コンヴィヴィアリテ」
大阪市西区新町1-17-17
06-6532-4880
投稿者 geode : 10:41
2013年2月20日
「リストランテ ディボ・ディバ」 京都・烏丸・イタリア料理
久しぶりの「リストランテ ディボ・ディバ」です。
遠来の客人と、この店の常連客など不思議な組み合わせでした。
スタートは空豆とペコリーノチーズです。
そこにイタリア・アルバ産の白トリュフのパテが加わります。
空豆は皮をむいてそこにパテとチーズを添えると一層に甘さを増します。
前菜の盛合わせは、生ハムと自家製ハムの盛合せ。
ワカサギ(琵琶湖)のフリット。
石割農園・森農園のバーニャカウダ。
カテリーナ・メディチのサラダ。
甘エビのカルパッチョ。
盛りだくさんで、それぞれの味わいが楽しめます。
イタリアンの特徴的な前菜の盛合せ。
カキと九条ネギのスパゲッティ。
2種の異なるほろ苦さと甘みが
渾然一体となってスパゲッティの奥行きを広げてくれました。
もう一品パスタです。
焼きニョッキと野菜のチーズ箱。
こんな風にチーズの器で囲まれた料理です。
それを開けると中からニョッキの登場です。
チーズがパリっとした食感と
とろりとしたものとの二重奏が楽しいです。
若狭・米村さんからの鮮魚の香草焼き 白カブラのソース。
白カブラのソースがきいていました。
最高級黒毛和牛(宮崎・尾崎産)の香草焼き 西洋ワサビとリンゴのソース。
牛肉の香りが素敵です。
そこにワサビとリンゴのソース、
これが見事なハーモニーを奏でます。
デザートもしっかりいただきました。
エスプレッソはクレマの立ち具合もよかったです。
いつも安定した料理を供する西澤シェフ。
その世界を堪能しました。
「リストランテ ディボ・ディバ」
京都市中京区蛸薬師通高倉東入ル雁金町361
075-256-1326
投稿者 geode : 11:32
2013年2月19日
「リストランテ ダ ルーポ322」 兵庫・西宮・イタリア料理
阪神西宮駅下車、
高架の海側を西に向かって歩いてゆくと小さなクルマが目に入ります。
それが「リストランテ ダ ルーポ322」の目印。
開店当初から阿蘇のあか牛を塊で焼くことで名を馳せたリストランテです。
スタートは淡路産真鯛 シャンパンのジュレ
キャビアです。
そこには根セロリとサワークリーム、
シャンパンと海草のゼリーがかかります。
キャビアの塩分と旨みが見事なマリアージュを生み出しています。
淡路産ヒラメ トピナンブルー パセリとアンチョビのソース。
トピナンブルーは菊芋です。
そのピュレ。
ルッコラのスプラウトもきちんと香りありです。
改めてヒラメの力強さを感じました。
アニメッラのフリット ポレンタ フォンティーナ ラルド。
アニメッラとは仔牛の胸腺肉、
フランスではリードヴォーと呼ばれる部位です。
それをフリットにしてチーズやラルドで味を付けます。
濃厚で旨みの凝縮感がいいですね。
山ウズラ フォアグラ サラダ。
クレソンやヘーゼルナッツオイルが加わることで
味わいに軽さとリズム感が生まれます。
冬トリュフのリゾット その香りをつけた玉子添え。
トリュフと玉子は抜群の相性です。
玉子とトリュフを同じ瓶内で置いていると
玉子にトリュフの香りが移ります。
つまり姿無くしてトリュフの香りです。
おまけに、このリゾットは
上から再び黒トリュフをかけるのですから香り充満の一品です。
阿蘇のあか牛 ビステッカ。
まずは室温に戻し、ゆっくりとあか牛の温度を上げてゆきます。
シェフはこのように指で、温度を確かめながらの調理体制です。
炭が熾った段階で、徐々に焼き始めます。
焼きあがったところに香草を置き、休ませ、
肉全体に火入れできるようにします。
それを切ると、
このように全体がピンク色に焼きあがるということです。
まだ血も少し残っているのですが、
決して冷たくなく温かく香りも味わいも素晴らしいのです。
デザートはチョイスです。
紅玉のタルト バニラのアイスクリーム添えを選びました。
あとは小菓子と
エスプレッソです。
やはりここのあか牛のビステッカは、
牛肉を思い切り食べているという実感がみなぎってきます。
「リストランテ ダ ルーポ322」
兵庫県西宮市産所町3-22
0798-22-9744
投稿者 geode : 11:28
2013年2月18日
「祇園 松むろ」 京都・祇園・日本料理
「松むろ」がビルから移転しました。
町家を改装して、以前とは趣きの異なる割烹となりました。
すっきりと伸びたカウンターは、まだ白木の香りが漂っています。
こちらの気分もやや引き締まったりします。
1月に伺ったときの記録です。
八寸です。
長芋、このわた、かずのこ、
タラの芽のもち粉揚げ、平目のりゅうひ巻、
車海老、ちしゃとう、アワビ、カラスミ、
青味大根の味噌漬けなど、
新春を寿ぐ料理がずらりと並びます。
お椀は白味噌仕立て。
京都の新春という感じを受けます。
やや甘めですが、それもすっきりとした口当たりです。
造りは、平目と本マグロのトロです。
香りとねっとりした食感が素敵。
焼き物は小鯛の味噌漬け。
味噌の優しい味わいが上品さを誘います。
飯蒸しは甘鯛。
そこに紅白のお米が入るのがうれしいですね。
ほっこりします。
炊合せもしみじみと旨さが伝わってきます。
仕事の丁寧さが、一つひとつの食材に施された味の含ませ方から感じます。
蒸し物です。
鴨肉のつみれを球形にしたもの。
そこにウニと海苔。
このコンビがいいアクセントとなります。
白いご飯がすこぶるつきの美味しさです。
これは大きなガス炊飯器で、ごく少量づつ炊くために、
米が上からの重さで潰れることがありません。
食べる側の時間で、何組もご飯を炊くという徹底ぶりです。
シンプルな果物。
これもいいものです。
懐かしいのですが、どこかに新鮮。
いい経験をしました。
「祇園 松むろ」
京都市東山区古門前通大和大路東入ル元町361
075-531-0300
投稿者 geode : 11:48
2013年2月15日
「天空龍吟」 香港・大橋・日本料理
船で香港に到着しました。
4泊の船旅です。
ICCという超高層ビルディングの101階に店を構える「天空龍吟」。
展望台が100階ですから、その上にあるのです。
エレベータで店に向かうと耳がキーンとなります。
個室に入りました。
テーブルの上。
各自、この折敷が置いてあります。
最初は、車海老のライスペーパー包み揚げ。
熊本の車海老。
甘みが強い。
左にあるのは、海老の頭と殻で作ったすりながしです。
まさにビスクのような味わい。
いきなりやられました。
同行者が「海外で食べているとは思えない」と思わず話し、
「夕方に発注すれば、翌朝築地から届き昼の営業に間に合います」との説明。
よって、ほとんどの食材が日本のモノということです。
北海道 余市産 極上あん肝 からし酢味噌和え。
「六本木の龍吟が開店した時にお出ししていたメニューです」と。
なんとも素敵な味わい。
酢味噌の酸味と甘み、
そこにあん肝のねっとりした甘みとコクが重なってゆきます。
北海道産うにと生湯葉の茶碗蒸し。
視覚に訴える美しさ。
それだけでもうっとりします。
静岡の山葵は辛味だけでなく、香りもよし。
うにと湯葉。
優しさの中にも凛とした表情が伺えます。
山陰 松葉がにと一番出汁のお椀。
まずプレゼンテーションに驚き。
蟹の甲羅がふた替わりです。
「カニは津居山」と青いタグを見せてもらいました。
甲羅を取ると、この椀物です。
蟹の味噌と肉がレタスに包まれています。
口に含んで歯を入れたときの濃厚さに、思わず笑みがこぼれます。
ブリ大根
氷見の鰤と3種の大根のお造り。
鰤の中に大根の千切りを入れています。
確かにブリ大根です。
中は白い大根と紅芯大根。
生姜の香りがきいています。
右手の小さな器の入ったのは緑の大根。
リンゴ酢のジュレがかかっています。
炭火の香りの衣をまとった甘鯛、5色の青を添えて。
白甘鯛をカダイフで巻き揚げてから、炭の上で油焼き。
炭の香りが付くわけです。
カダイフの繊細な使い方に驚きです。
左上の器には、5種の青い野菜や果物にレモンです。
いわば酢物というか、ピクルスのような趣き。
肉じゃが
和牛サーロインと北あかり ペリゴール産黒トリュフと共に。
肉じゃがからの発想だそうです。
佐賀牛を炭火で焼きます。
佐賀牛と北あかりを交互に置き、紅白の玉ねぎをのせます。
そして黒トリュフです。
赤たまねぎは素揚げ、白い玉ねぎは出汁で味つけ。
牛の脂分とトリュフ、北あかりの甘みにもトリュフなど、
興味深いマリアージュが生まれています。
和歌山ぶどう山椒のじゃこご飯。
じゃこご飯の上には
パプリカのマリネ、白菜の炒めモノ、ぶどう山椒がのっかります。
不思議な食感で、味わいには奥行きがでてきます。
昔 懐かし 冷凍みかん。
これは「龍吟」のスペシャリテです。
液体窒素で冷やされたみかん。
まるで飴細工のような輝きを放ちます。
それを割って、そこにみかんを加えると、
あっというまに渾然一体となったみかん味のアートとなるのです。
口の中でぱちぱちと弾ける仕掛けがあったりで、楽しさも満載です。
締めは香りの連想
小豆〜杏仁〜バラ〜フランボワーズ。
香りが、このような連想を生み出すというのです。
これらを使ったブランマンジェです。
これも面白いデザートとなりました。
香港、それもビルの101階で食しているという印象が少ない、
というかほとんどしません。
おそらく海外で日本料理の再現性ということなら、トップクラスです。
そこには「龍吟」の思想と精神がしっかり生きています。
「天空龍吟」
101/F, International Commerece Center,
1 Austin Road West, Kowloon, Hong Kong
+852-2302-0222
投稿者 geode : 10:42
2013年2月14日
「手音」 福岡・大橋・珈琲店
博多に行くと、何軒か訪れたい珈琲店があります。
その中の一軒「手音」です。
「てのん」と読みます。
カウンターと
テーブル席。
手回しの焙煎機でマスターが2日に一度の割合で焙煎です。
抽出方法はネルドリップ。
オーダーの通った豆をミルで挽く。
それをネルドリップに入れ、お湯を少しずつ注いでゆく。
その一連の動きがスムーズに流れてゆきます。
さまがじつに絵になるのです。
ネルドリップ内で、徐々にに豆が膨れ、
注ぐお湯の量もそれにつれて多くなってゆきます。
この日は、ストレートでマンデリンを飲みました。
苦みはあるものの、どこかクリアですっきりした飲みくち。
マンデリンの特徴をしっかり表現されています。
一緒に行ったメンバーの中に「手音」初体験が2名。
アイスコーヒーをおすすめしました。
ネルドリップで抽出するところまでは同じ動作です。
抽出された液体(コーヒー)はシェイカーに注がれます。
次の動作が面白いのです。
やや分厚い氷の板を2枚、垂直に置きます。
片面にシェイカーの底を、もう一面にシェイカーの胴体部分を設置。
コーヒーの熱さで、少し氷がシェイカーの形に溶けます。
そこからです。
マスターが片手で氷を押さえ、
もう一方の手でシェイカーを高速回転させるのです。
つまり高速回転しながら360度、冷えてゆくということなのです。
その冷えたコーヒーを、大きく割った氷の入ったグラスに注ぐのです。
コーヒーはかなり冷たくなっているので、氷の溶けてゆくスピードも緩やか。
2人もすっかりこのアイスコーヒーが気に入った様子でした。
いつも変わらぬペースで淡々と珈琲を淹れるマスターの様子をみていると、
心向きが変わってきます。
「手音」
福岡市南区塩原4-12-10
092-512-6117
投稿者 geode : 10:07
2013年2月13日
「万yorozu(よろず)」 福岡・赤坂・茶
昨年末に開店したばかりですが、いま博多で話題の一軒です。
店内の天井は高く、Y字型のカウンター内には、
アカで作られた湯沸しの器具が設置され、
その存在にまず驚いてしまいます。
ここは茶を飲ませてくれる店ですが、
夜はバーとしての営業です。
もちろんお茶も楽しめます。
好きな茶とその月のお菓子などがセットというメニューもあります。
今回は、そこに一口菓子をつけました。
お茶は、画像のような緑茶だけでなく、
ハーブ茶など選択肢も多く、
それを読み解いてゆくのも楽しいのです。
ご主人は、長いコックコートを身に付けています。
一緒にいった仲間は
「まるで薬剤師のような振る舞いが美しい」と表現しました。
僕は深煎りのお茶にしました。
香ばしくかつ上品な甘みがあり、
一煎目、二煎目と確実に味わいが変化してゆきます。
空間の造りも非常に面白く、
カウンターの奥はゆったりしたソファ席があります。
博多にまた訪れたい一軒ができました。
「万yorozu」
福岡市中央区赤坂2-3-32 赤坂MOKUZO 1F
092-724-7880
投稿者 geode : 12:51
2013年2月12日
「ちんや」 福岡・中洲・精肉/洋食
福岡にやってくると訪れる頻度が高い店です。
1階は精肉店。
その奥が洋食屋になっています。
人数が少ない場合は、そこに入るのですが、
人数が多いと2階の座敷に向かいます。
今回は8名です。
まずは、明太子と白菜がでます。
これがやみつきの味わい。
あっという間に無くなってしまいます。
サラダです、
ローストビーフを上手く加えています。
さあ、これで肉を食べるぞという気分になってきます。
女将さんが「これ半分ずつ、食べんしゃい」とすすめてくれました。
さっと焼いて、大根おろしとポン酢で食べます。
脂が甘い。
洋食メニューの始まりです。
ビーフシチュー。
肉がほどけるというのは、こんな感じだと実感です。
コクもあり。
ビフカツです。
カツレツの醍醐味は、
衣で閉じ込められた牛肉の旨みが口の中で弾けることです。
口の中が喜んでいます。
ハンバーグは、肉汁と牛肉の合唱です。
これが大音響で響いてきます。
女将さんは「これでお腹膨れたな」と話し、「すき焼きは次の機会に」と。
「いいえ、食べます」と即答です。
この牛肉の美しさ。
砂糖と醤油でまず焼いてゆきます。
それを玉子で一気に食べます。
玉子のまろやかさが、牛肉と素敵な出会いです。
もう一枚と箸が動きます。
白ご飯も一緒です。
いつも満足と満腹になります。
また、女将さんのキャラクターが最高です。
「ちんや」
福岡市博多区中洲3-7-4
092-291-5560
投稿者 geode : 10:45
2013年2月 8日
「比良山荘」 滋賀・葛川坊村町・日本料理
「比良山荘」といえば夏は鮎、冬は熊というのが定評です。
雪の降るなか行ってきました。
まずは前菜。
鮒寿司、猪、香茸などがでます。
季節感たっぷりで食欲が刺激を受けます。
きんかんの甘みもうれしい。
造りは琵琶湖の鰻、鯉、鹿です。
鰻はさっと火を通しており甘みが充溢。
鹿は繊細な味わいです。
琵琶湖のもろこ。
これは貴重です。
このサイズも珍しく、ほろ苦さと旨みの二重奏。
バチコが添えられるなど贅沢な一皿になりました。
いよいよ月鍋の材料が届きます。
月の輪熊を使うので「月鍋」というネーミングとなりました。
茸類も入ります。
なめ茸、いくち茸、虚無僧茸、しめじなど。
さあ熊です。
背ロース。
この脂はこの時期だけに蓄える皮下脂肪です。
脂の旨みこの熊の醍醐味。
熊の脂はじつに繊細かつ上品で、
臭いはなく甘みだけが口の中に広がってゆきます。
脂に熱が加わり、チリチリと縮んでゆくのです。
ゼラチン質特有の食感に、甘みだけが残ってゆきます。
野菜がすこぶる付きの旨さ。
青みがあり濃厚で
ホントに大地の恵みという感じをしっかり感じるのです。
この日は赤身もということでアバラ肉。
背ロースに比べるとやや臭いはありますが、旨みはしっかり。
栃餅が入ります。
出汁の味を吸い込んで美味です。
麺をいれてそろそろ終焉に近づいてゆくのです。
白ご飯と鯉こくのセットもうれしいです。
デザートは胡桃豆腐。
適度な粘りとコクが素敵です。
熊を食べる。
この味わいを一度知ると、次年もという気持ちになります。
「比良山荘」
滋賀県大津市葛川坊村町94
077-599-2058
投稿者 geode : 10:18
2013年2月 7日
「大鵬」 京都・二条・中華料理
昨年秋、店舗を改装したとの便りをいただきながら、
訪れることが出来ていなかった四川料理の「大鵬」に行きました。
まずは四川料理で名高いよだれ鶏です。
最近、いろいろな店でメニューに入っていますが、それぞれ印象が異なります。
ここは結構油分というかソースの分量が多いです。
辛味もかなりきいています。
鶏を食べ終わったときに、春雨が届きます。
それも幅広春雨。
「残ったソースをかけて食べてください」とのこと。
いいですね。
和えて食べると、辛味と春雨の食感がうまい出会いで、食べやすくなります。
担々麺もお願いしました。
担々麺の定義も難しい。
本場は汁なしといわれていますが、日本では汁ありがスタンダードです。
適度な辛味と旨みのミックスがいいです。
酸辣湯も注文しました。
なんと麺とスープが別々に出てきました。
一瞬驚きです。
麺は艷やかで、光っています。
酸辣湯は、酸っぱい・辛い・甘いの三拍子揃っています。
別の小さな器にめんを取り、
そこにスープをかけて食べるというわけです。
味わいを調整できるのがいいです。
小籠包です。
この皮の薄さ。
中に入っているスープの分量には驚きです。
スープの旨みも感動。
炒飯もいただきました。
さらっとした仕上がりです。
聞けば予約で、四川料理のコースを供していただけるとのこと。
次は、新しくなった「大鵬」で四川料理のコースを食べたいと思っています。
「大鵬」
京都市中京区西ノ京星池町38-27
075-822-5598
投稿者 geode : 10:20
2013年2月 6日
「鰻彩 のとや」 枚方・川原町・鰻屋
大阪・枚方の川原町商店街に
「結構いける鰻屋ができた」と兄から前に聞いていました。
年明けに一緒に行こうということになり出かけたのです。
2階にも個室があり、そこで食事となりました。
ここの鰻は関西風。
腹開き、蒸しをかけずにそのまま焼くスタイルです。
「ご注文を受けてから焼き始めるので、少しお時間をいただきます」
との説明書きが添えられていました。
炭は備長炭を使用しているそうです。
メニューに半助豆腐がありました。
半助とは鰻の頭を焼いたもののことです。
これは関西風の焼き方でないと供することができないものです。
この半助豆腐というメニューを見た時にうれしくなりました。
鰻のたれがかかった頭は、そのたれの味わいがしっかりついています。
その味わいで豆腐を炊いてゆくという料理。
注文しました。
たれと頭の味わいが豆腐に移り、
豆腐の味わいも深いものになります。
頭自身もしゃぶるように食べます。
鰻丼のセットにしました。
焼きあがった鰻は、皮目が香ばしくカリッとしており、その食感がたまりません。
関西風ならではの醍醐味です。
う巻きです。
鰻の濃厚な味とだしをたっぷり吸った卵焼きの楽しみが満喫できます。
店名の「のとや」はご主人のご両親が能登半島出身で、
その屋号で別の飲食業を営んでおられたのですが、
その名前を継いで鰻屋を始められたということです。
ご主人は大阪にある関西風の名店「柴藤」で修業をされたようです。
「鰻彩 のとや」
枚方市川原町7-1
072-843-5332
投稿者 geode : 10:05
2013年2月 5日
「マニアナ」 今治・常磐町・ジャズ喫茶
「翼の王国」4月号の取材で愛媛県今治市に出かけました。
その途中で訪れたジャズ喫茶「マニアナ」です。
取材先のご主人から
「おそらく四国でいちばん古いジャズ喫茶じゃないですか」と聞きました。
カウンターのみ。
そこに座り珈琲を注文しました。
ターンテーブルの上を回っているレコードは、ポール・デズモンドです。
大きなスピーカーから流れる音がクリアでかつ温かみがあります。
一気に記憶が40年以上も前にさかのぼります。
京都の蹴上に「カルコ20」という伝説になったジャズ喫茶がありました。
まだ、京都に市電が走っている頃のこと。
京阪三条から地上を走る京津線にのって蹴上で降り、時たま訪れたものです。
大きなガラス貼りで店内が外から見えるのです。
スタイリッシュなマスターとマダムが2人で店を仕切っておられました。
なぜかその店の情景が蘇ってきたのです。
マスターがぽつりぽつり話し始めました。
御年75歳。
ジャズ喫茶歴も50年を迎えようとしているとのことです。
「昔は今治に何軒もジャズ喫茶がありました。
松山にもかなりあったんですが」
「今治では年に一度、今治ジャズタウンというイベント行われます。
猪俣猛さんが、いつもリーダーとなっていろいろなゲストを連れてきてくれるのです」
などなど、今治のジャズ事情を話してくれました。
レコードが、ミルト・ジャクソンに変わりました。
柔らかなビブラフォンの音色が、気持ちを和らげてくれます。
マスターがカウンターの中でおもむろにパイプを取り出し、
火を点けます。
ゆったりと燻らすという感じです。
「だいぶ前に身体を壊して、
それ以来紙巻タバコからパイプに変えたのです」と。
オーバーオールにキャップ、
そしてパイプを燻らす姿がなんとも様になっているのです。
カウンターの隅にはパイプのコレクションが置かれています。
壁面を見ると古い写真があり、
バイクに乗っているマスターの勇姿もありました。
「クルマも好きでね。
東京日帰りという無茶もありました」と微笑みながら話すのです。
自分の好きなことだけを淡々とやり続けてきた人生。
そんな優しいオーラに包まれたマスターです。
レコードが世良譲に変わりました。
このアルバムがなんとすごくスイングするのです。
世良譲のピアノがこんなにスイングするんだという発見もありました。
午後からの取材が決まっており、店をあとにしましたが、
時間が許せば、もっと長い時間をここで過ごしたいと思ったものです。
「マニアナ」
今治市常盤町4-4-4
0898-32-3392
投稿者 geode : 10:20
2013年2月 4日
「白雅」 今治・共栄町・餃子
全日空の機内誌「翼の王国」4月号の取材で
愛媛県今治市に出かけました。
中華料理店や大衆食堂、洋菓子店などの取材です。
1日目の取材が終わり、
カメラマンのハリー中西さんと晩ごはんの相談。
「お好み焼きがいいですね」
「餃子も惹かれます」
などの会話のあと、
決定したのがぎょうざの店「白雅(はくが)」です。
事前に今治の情報を頂き、
そこでおすすめの餃子とあったのがここ「白雅」です。
表のディスプレイはシンプルそのもの。
ハリーさんもアシスタントのチャンプさんも
「これはいけそうですね」
眼を輝かしていました。
メニューはホントに餃子と中華そばぐらいです。
まず焼きを頼みました。
8個420円。
一つのサイズは結構大きいです。
片側が揚げたように黄金色。
カリッとしています。
口に入れると、
餡の旨さと皮の香ばしさが一体となって、一気に感動が押し寄せてきます。
「これは旨いです」
「いやあ、やられました」
などの盛り上がりです。
続いて水餃子です。
これには驚愕。
焼き餃子より、もっと如実に皮の旨みがストレートに伝わってきます。
皮が持つ小麦粉の味わいが口のなかで広がってゆきます。
そこに餡の旨みや野菜の味わいが追いかけてゆくのです。
「これは好みの問題ですが。水餃子に一票です」
などなど。
両隣のテーブルが「5人前」や「3人前」と追加されているのです。
思えば、熱いほうが美味しいのですから、追加注文したほうがいいわけです。
納得。
中華そばもお願いしました。
スープも澄んだタイプで、まさに中華そばの味わいです。
昨今流行りの豚骨や白湯などとは異なるタイプですが、
ときにはこのような中華そばを食べるとホッとします。
なんとも満ち足りた気分を味わった一軒でした。
「白雅」
今治市共栄町2-3-9
0898-22-6315
投稿者 geode : 10:09
2013年2月 1日
「蕎麦流々 千角」 京都・東山・蕎麦屋
京都・東山安井の一本北角に
自家製粉と書かれた「蕎麦流々 千角(せんかく)」があります。
昨年「菊乃井」の村田吉弘さんに教えてもらって以来、
何度か訪れた蕎麦屋さんです。
ここで必ずと言ってよいほど注文するのが桜えびの掻き揚げです。
それと蕎麦というのが定番で、
その時の腹具合や気分によって別の一品をお願いしたりします。
まずはお通しで蕎麦豆腐が出ました。
蕎麦の香りや食感など、ねっとりしているのですが
蕎麦がきちんと主張する一品。
この日気になっていたのが
炙り合鴨ロースのサラダでした。
合鴨の味わいと、香ばしく揚げられた蕎麦のカリッとした食感がじつにいい塩梅です。
野菜もたっぷり入ったお値打ちのサラダです。
さあ、桜えびの掻き揚げです。
これは塩で食べます。
塩をすこしずつ付け、サクッとした掻き揚げを食べる。
桜えびの香りと旨みが素晴らしいのです。
おもわず笑みがこぼれてくるのです。
なかまできちんと火入れをしなければなりません。
そして十割蕎麦です。
十割なのにこの細さと喉越しの良さには、毎回感動を覚えています。
かつ蕎麦というか大地の香りもしっかり漂っています。
見事!
ご主人が「こんな蕎麦を打ちたい」という意志がはっきりしているのです。
十割の細打ち、香り高く、ホントに凄いです。
「蕎麦流々 千角」
京都市東山区月見町10-2八坂ビル1F
075-541-4815
投稿者 geode : 09:13