2016年5月31日
「アムアムホウ」 神戸・六甲道・中華料理
久しぶりに胸が高鳴る。
「アムアムホウ」六甲道の駅近くだ。
ここの「よだれ鶏」を思っただけで、気分が高まりを覚える。
「よだれ鶏」は最近種々の店でメニューに加わったが、
その出来栄えというかバリエーションはじつに豊かだ。
最初、テーブルに届いたのが「自家製XO醤」である。
万能といいたくなる調味料。
間断なく「よだれ鶏」が運ばれてくる。
そうそうソースたっぷり。辛味は鮮烈だが、どこか涼しげでもある。
発汗するが、爽快感も味わう。鶏の旨みも重なりをみせる。
ここから点心攻撃の開始!
海老蒸し餃子。
ぷっくり感満載。
オクラと海老の餃子。
オクラの食感刺激的。
香港式焼売。
豚肉と海老。トビコをトッピング。
豚肉の甘味が濃厚。
黒トリュフ入り小籠包。
香りの勝負だ。
媚薬を想起させる。
ニラと海老の揚げ餃子。
サクッと海老の旨み。
ニラの香りが生きる。
大根餅。
チリとガーリックのソースというかパウダー。
大根餅の新派!
空芯菜はハムユイの味付け。
この発酵加減が素敵だ。
フカヒレの酸辣麺。
辛くて酸っぱい、でも旨い!
尾崎牛の牛肉団子。
肉々しさが印象的。
香港式ローストチキン。
播州地鶏を使用。
皮目のパリ感、中身のしっとり。
麻婆豆腐。
これぞ辛味の二重奏。
白いご飯のお供だ。
デザートは、ラウサーパオ。
パオも生地をつまむ。
それでバター餡を食べる。
熱々さがたまらない。
四川料理と点心の饗宴が見事でした。
「アムアムホウ」
神戸市灘区深田町3-4-13 アルカディア六甲1F
078-891-6171
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2016年5月30日
「開化堂カフェ」 京都・河原町七条・カフェ
「開化堂」といえば茶筒で名高い京都の店である。
茶筒が有名なのだが、コーヒー店でもこの茶筒を
コーヒー豆の保管用に使っているとことも多い。
その円柱形のフォルムの美しさ。
密閉率の高さ、蓋が自重で締まってゆくのだ。
そんな「開化堂」が5月21日、河原町七条上るに「開化堂カフェ」をオープンさせた。
元市電の修理場であったという。
外観はレトロな雰囲気をそのまま残す。
中は天井が高く、抜けのある空間がじつに心地がよい。
店内にディスプレイされた開化堂の茶筒がなんとも眩しい。
それが並ぶだけで空気感が変わる。
ここの豆は珈琲焙煎人と呼ばれる中川ワニさんの豆が揃うのである。
なんと中川ワニさん、コーヒーファンからのリクエストが多い焙煎人。
なかなかワニさんの豆に出会うことがレアなので、これは吉報である。
その一杯。
苦味を適度に感じ、その奥から品のある香りや甘味、酸味がおいかけてくる。
いいですね。
裏庭もあり。
ここから見るビルの姿もとても絵画的。
気分が一気に和む瞬間である。
とにかく空間のみごとな仕上がりとワニさんのコーヒー。
通いたくなる一軒が誕生した。
「開化堂カフェ」
京都市下京区河原町七条上る住吉町352
075-353-5668
投稿者 geode : 10:49
2016年5月19日
「乙女寿司」 金沢・木倉町・寿司
金沢で寿司を食べる。
これは旅の楽しみのひとつでもある。
そう、金沢には行きたい寿司屋が何軒もある。
その中の一軒「乙女寿司」にでかけた。
昼ごはんだ。
入り口ののれんの上にある木。
この造形美が見事。
カウンターに腰を下ろす。
「おまかせでいいですか」と「はい、おまかせします」。
という言葉で食事は始まった。
甘えびが出てきた。
可愛いサイズだが、濃密な味わいの凝縮感がたまらない。
あら。
これも旨みが詰まっている。
中トロは、適度な甘味がいいですね。
赤イカ。
包丁の入れ方で味は変化する。
のどぐろの炙り。
香ばしさとコクだ。
メジマグロは香りであった。
雲丹。
ホホが喜ぶのが分かる。
トリ貝。
これからどんどんうまくなってゆく。
コハダ。
締め具合が素敵であった。
ボタンエビはぽってりした食感も美味に繋がる。
鰻きゅうでほっこり。
アジで鮮烈に締める。
心地のよい時間が流れ、気分も朗らかに過ごせたのであった。
「乙女寿司」
金沢市木倉町4-10
076-231-7447
投稿者 geode : 10:38
2016年5月17日
「いわさ起」 京都・祇園・日本料理
先月祇園でのれんをかかげたばかりの「いわさ起」。
祇園町南側。
店内に入り、靴をぬぐのかと思いきや「そのまま、どうぞ」ということ。
事前に、少しおめでたい集まりだと伝えておいたところ。
前菜は、このようなスタイルで供された。
鯛は紅白で、幽庵焼きと塩焼き。
赤飯に、トリ貝・ルッコラ・鯛の肝である。
これで気分がかなり高揚するのであった。
お椀は、鯛のしんじょに車海老。
これも色合いからめでたい。
しいたけ、オクラ、柚子の花。
春らしい景色だ。
お造りは、タケノコと淡路の鯛、マグロである。
タケノコの甘味とほのかな苦味がいい。
茶碗蒸しは牛テール。
これにはやや驚きながらも、黒胡椒の威力を知る結果となった。
宮崎のトマトは軽い酸味と甘味が生きる煮込み。
もずくとアワビの饗宴は、アワビの歯ごたえがうれしい。
この時期ならではの信州牛と花山椒。
この組み合わせは絶妙である。
香の物は、大根のビール漬け、南瓜の酒粕漬け、エリンギは山椒がきいている。
もう一品登場したのが、
モッツァレラチーズを酒粕、醤油、三温糖で漬けたもの。
発酵の力が発揮された味わい。
桜鱒のご飯は、ゴマがびっしりである。
混ぜて食べると、鱒の味わいにゴマが見事に寄り添う。
デザートは、宮崎マンゴー、蓮餅、酒粕プリンと揃う。
バリエーションも楽しい。
店主の岩崎さん、非常に遊び心満載なので、
これからの変化がすごく楽しみである。
「いわさ起」
東山区祇園町南側570-183
075-531-0533
投稿者 geode : 14:52
2016年5月16日
「ル・ビストロ・クードポール」 大阪・天満橋・フランス料理
「ル・ビストロ・クードポール」創業して 30年以上。
今春、カウンターを設けるなどリニューアルしたところ。
オーナーシェフの田中悦男さんは、
還暦を超えなお元気で現役の料理人。
男性 10名集まり会食。
集まった人たちも平均年令が 60歳前後だ。
メニューは田中さんにおかかせ。
「今日は、クラシックな料理を中心にやります」との宣言。
ヤングコーンに空豆。
ヤングコーンのヒゲがインパクトあり。
サクッと胃袋に落ちてゆく。
大きなグラスに入った鰹と夏野菜。
トマトのクーリー、その酸味がいいアクセントで鰹の味わいを深める。
猪ハムと黒豚ベーコン。
猪は内ももを使う。香りが野生感を与える。
黒豚は甘味と燻製香のマッチング。
ロメインレタスなどが入り、
シェフ「シーザースサラダのイメージです」と。
寿都産五月鱒パイ包み焼き。
この焼色が食欲を刺激する。
切り分け皿盛りをしたときの姿はやはりクラシック。
コクと酸味のソースに魅了される。
人参・雲丹・牛ホホ肉 コンソメ。
人参のピュレに雲丹とコンソメ。
間違いのない組み合わせ。
「こういうのを食べるとほっとするな」と参加者から。
噴火湾産松皮鰈ムニエル。
「和食で食べて無茶苦茶おいしかった松皮鰈
いちど使ってみたかったんです」とシェフ。
「こん立派な松皮鰈は珍しい」と参加者からも。
シェリービネガーをきかせたソースとの相性も抜群だ。
海幸 カルドソ。
スペインの雑炊というかおじや。
それもスープたっぷり目のタイプ。
甲殻類ファンにはうれしい一品。
ブルターニュ産仔牛フィレ肉のロースト。
フレッシュモリーユ フォアグラ添え。
確かな火入れで仔牛はジューシィーな歯ごたえ。
モリーユの味わいもいい添役。
フロマージュの3種盛り。
安定感ありだ。
ブランマンジェとパリ・ブレスト。
フランス料理の締めを飾るにふさわしいメニュー。
シェフの考えと心意気をしっかり受け止める。
最後はエスプレッソ。
シェフが選んでくれたワイン。
「年齢かもしれないが、こういった料理を食べると
なんか安心感があるね」と。
無理をせず、押さえるところをきっちり守る。
ゆったりした気分で帰路についた。
「ル・ビストロ・クードポール」
大阪市中央区船越町1-3-5 ザ・マーキュリー愛晃ビル1F
06-6941-8577
投稿者 geode : 10:54
2016年5月13日
「祇園 ろはん」 京都・祇園・日本料理
ここのカウンターに座ると安心感を覚える。
一つは、料理長との距離感がいいこと。
それから献立の組み立てが楽なのだ。
定食屋である。
二人で訪れ、一人は定食、一人は単品という注文でも十分楽しめる。
ありがたい展開である。
かつおのたたき。
この季節の初鰹は、旨みより香りがいい。
柑橘の華やかな酸味が生きる。
白海老と生姜のかき揚げだ。
サクッとした歯ごたえから弾ける味わいに、春の勢いを感じる。
自家製からすみは、塩分濃度が優しい。
清酒を呼び、そのねっとり感がクセになる。
すき焼きに花山椒。
この時期ならではの組み合わせ。
花山椒のゆるやかな辛味と香りが牛肉に彩りを添える。
宍道湖産天然鰻の白焼き。
白焼きのスキっとした脂分の甘味が白ご飯を呼んでくれた。
カジュアルな気分で食事ができる貴重な一軒である。
「祇園 ろはん」
京都市東山区大和大路通四条 上ル廿一軒町232
075-533-7665
投稿者 geode : 11:26
2016年5月12日
「ピッツア メルカート」 京都・梅小路・ピッツア
京都の梅小路界隈が最近熱い。
鉄道博物館がオープン、水族館の人気も続いている。
数年後にはJRの新駅ができるという。
週末などは周辺の店は行列となる。
「ピッツア メルカート」というピッツァ屋に入る。
カウンター内には大きなピザ窯が置かれてる。
そこで東郷さんがひたすらピッツァを焼く。
このスピード感がたまらなくいい。
プロフェッショナルの仕事とは、こうなのだと思いたくなる。
この日は水牛のモッツァレラのマルゲリータと
ビスマルクを注文する。
マルゲリータは基準の味だ。
これをずっと食べていると比較が可能となる。
トマトソース、モッツァレラ、バジリコが基本。
このバランスと生地のうま味で決まる。
この一枚はそのバランスがよく満足である。
ビスマルクはトマトソース、モッツァレラ、
バジリコ、生ハム、半熟卵が加わる。
生ハムの濃さがぐっと生きてくる一枚だ。
生ハムの威力を知る一枚。
ピッツァもどんどん進化していると実感。
「ピッツア メルカート」
京都市下京区朱雀正会町1-1 ?京果会館1階
075-353-4777
投稿者 geode : 10:37
2016年5月11日
「グリル グリーン」 京都・祇園・洋食
だいたい場所は聞いていた。
「カドカミさん、祇園で再開した店いいですよ。ぜひ行ってください」
と食いしん坊仲間から連絡があった。
祇園花月に近い。
しばし迷い、店に電話をするとマスターが表まで出てくれていた。
「あっ、カドカミさん!」「懐かしい」。
カウンター一本だけの洋食店。
スタッフもマスター一人だけ。
以前は木屋町蛸薬師あたりで「喫茶グリーン」というた永年続いた店であった。
「ずっと立ち仕事でしょ。脚がパンパンに腫れ、
このままでは大変なことになるというので、一旦仕事を辞めていたんです」とのこと。
一時縁があり別のトコロで働いていたが、
やはり自分でやりたい気持ちも強く、昨年末に祇園でオープン。
前は親など数名で仕切り、近くのバーなどへの出前も受け持っていたが、
今回はこの店とお持ち帰りのみ。
また、以前のように喫茶メニューはほぼナシで、洋食に絞り込んだ。
「肉はいいのを揃えています」とのこと。
ローストビースから。
なんとも色艶のいいローストビーフ。
歯というか舌に絡みつくような濃厚さがある。
噛めば甘い。ペロリだ。
続いてイチボのステーキ。
塩をつける。口に運ぶ。歯を入れる。
グッと液体が広がる。香りの密度が詰まっている感じだ。
くちゃくちゃと噛むリズミが自然と生まれる。
あっという間に無くなってしまう。
「カドカミさん、やっぱりアレいっときますか?」ときた。
「もちろん」。
玉子サンドである。
以前から「グリーン」では外すことのなかったメニューだ。
前の店では厨房が中で調理過程を見ることができなかった。
今度はカウンター。つぶさに観察可能。
卵は、塩とコショウのみ。
箸をよくかき混ぜながら、中身をとろとろに仕上げてゆく。
かつオムレツのように紡錘形に巻くのではなく、フライパンを巧みに動かしながら四角形に焼き上げてゆく。
これをパンに挟む。オムレツをたたむのではなく、均一の厚み。
そして中身がつまりながらも、ふんわり感は見事だ。
卵の味わいをしっかり楽しみながらほうばるのだ。
また行きつけにしたい店が増えてしまった。
「グリル グリーン」
京都市東山区花見小路富永町東入北側
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2016年5月10日
「瓢亭」 大阪・お初天神・そば
近松門左衛門の「曽根崎心中」で名高いお初天神界隈の様子が変わりつつある。
バルなど新たな業態が増え、
かつてに比べると訪れる人達の年齢が下がったように感じる。
その中にあって、以前と全く変わらぬ風情を漂わせているのが、
「瓢亭」である。
夕霧そばとは、柚子の皮をそば粉に練り込んだそばのことで、
食すと柚子の香りが漂う優美な味わいのそば。
夕霧そばの命名は、近松門左衛門の「廓文章」に登場する吉田屋・夕霧太夫にちなんだもの。
さて、この「瓢亭」を訪れるのは何十年振りだろう。
平日の午後8時過ぎ。
中に入る前と変わらぬ雰囲気。
奥のテーブルには常連と思しき客が、相手にここのそばを説明しながら酒が進む。
またその近くでは年配の女性客が、
楽しそうに言葉を交わしながら「やっぱり夕霧そばね」などと。
まわりの店とは、異なる空気が流れていた。
この日は天ぷらと夕霧そば。
夕霧そばのつゆには卵が入る。
天ぷらが届く。
海老の香ばしさ。衣はあくまでカリッと揚がり、中の温度も程よい。
海老の甘味と香りが食欲を刺激する。
さて夕霧そば。
まず、そのまま手繰る。
確かに柚子の香りが鼻に抜けてゆく。
懐かしい。
おそらく20歳代から30歳代前半にかけていちばんよく訪れたのだ。
その当時の記憶がふっと蘇ってきた。
そばのボリュームも結構たっぷりあり、
手繰るたびに何十年も前のことを楽しんでいた。
そば粉十割のそばとはまったく異なる世界。
だが、蕎麦屋でそばを手繰るという楽しみ。
またそこで会話を愉しむという思いがよぎっていた。
不思議な時間の流れであった。
「瓢亭」
大阪市北区曽根崎2-2-7
06-6311-5041
投稿者 geode : 10:12
2016年5月 9日
「京、静華」 京都・岡崎・中国料理
春から初夏への「京、静華」である。
この季節の定番・琵琶湖の稚鮎。
ブルーとの対比が興味をひく。
「50年前のレシピです」と出された棒々鶏。
ソフトタッチである。
これも定番となった中国風お造り。
メイタカレイ、ナッツ類、シソ、ミョウガ、大根、きゅうりなどが幾層になる。
一口ずつ異なる味わい。
えぞアワビにアスパラガス、ウニとちょい贅沢。
パパイヤのスープ。
ヌーヴェルシノアの魁となった一品。
車海老はすり身と身を重ねた。
うすいえんどうのソースとともに。
牛ロースとタケノコ。
奥にあるのがトマトと卵。この火入れが素晴らしい。
ソフトシェルクラブにレタス。
安定した味わい。
あさりそば。
なんとあさりのコクがきいていることか。
ぎりぎりの柔らかさの杏仁豆腐。
おかわり続出。
フルーツティですっきり。
マンゴーのスポンジケーキ。
ミントゼリー。
杏のクッキー。
宮本さんの世界満載のディナー。
「京、静華」
京都市左京区岡崎円勝寺36-3 2F
075-752-8521
投稿者 geode : 10:41