2021年09月30日

「鮨 おおが」 大阪・堺・寿司

建築家の木島徹さんから
「堺で一軒、お寿司屋さんを作りました」と聞いてから数年が経過した。

何度かチャンスはあったが、それを逸していた。
ようやく堺の「鮨 おおが」の扉を開くことができた。

木島さんらしいシャープでありながら落ち着きのある佇まい。

始まりは 渡り蟹

インパクトのあるスタートである。
コクと旨み。

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2021年09月29日

「懐石料理 雲鶴」 大阪・天満・日本料理

京阪・地下鉄の天満橋駅から谷町筋を北に向かう。
東天満の交差点より南を東に折れ、北に進む。
周りに飲食店があるような界隈ではない。

前菜から
 モロヘイヤ、松の実、柿の木だけ
 柿なます 大根 きゅうり
 秋刀魚の炙り ワタと大根、柚子
 ムカゴ
 さつまいも
 枝豆
 鱧の骨

伝統的な味わいをしっかり感じる。

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2021年09月28日

「LES FRÈRES AOKI(レフ アオキ)」 東京・銀座・フランス料理

店名の「LES FRÈRES AOKI(レフ アオキ)」
「LES FRÈRES」とはフランス語で「きょうだい」の意味。

オーナーは青木三千子、誠の姉弟。
三千子がサービス、誠がシェフとして厨房に立つ。

姉弟のルーツは銀座の鮨店「銀座 鮨青木」。
長男の利勝が父親の跡を継ぎ銀座の名店としての輝きを守り続け、
長女の三代子と誠はフレンチの料理人を目指した。

誠はヨーロッパで過ごした20年以上、またオーナーシェフとして13年間
姉と培ってきた経験を生かし、この9月銀座に店を構えた。

カウンター10席のこじんまりした店だが、パリ時代のように
お客さまとファミリアな関係を築ければ、と二人は願う。

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2021年09月27日

「秋華」 京都・北白川・中華

久しぶりの「秋華」である。

予約時に「アラカルトで!」とお願いしたので、
まずはメニューを選ぶことから。

オススメは前菜の盛り合わせと、空芯菜のガーリック炒め、
みやこもち豚のスペアリブの黒酢炒め。
まずこれは注文することにした。

前菜が登場。
5種が綺麗に盛り付けられている。

 よだれ鶏
 秋刀魚の燻製
 ジャガイモの薄切り和え物
 豚トロチャーシュー
 ホタテの湯引きネギソース

ジャガイモの細さやホタテの甘さなどが印象に残った。
一気に「秋華」の世界に突入である。

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2021年09月24日

「L’évo(レヴォ)その3」 富山・利賀村・オーベルジュ

料理が終わる頃には、すっかり「L’évo(レヴォ)」の虜になっていた。

ロケーション、食材、調理法、インテリアなどが
身体に入り込んできたような感じである。

さてデザートだ。

大人のクリームソーダ

メロン コンカ豆のアイスクリーム
メロンのグラニテ ベルベーヌのエスプレッソ トンカ豆

まさに食べた感覚は、甘味・発泡性・酸味などクリームソーダである。
要素を一旦解体し、それをいかに組み立て直すか。
楽しいデザート!

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2021年09月22日

「L’évo(レヴォ)その2」 富山・利賀村・オーベルジュ

すっかり「L’évo(レヴォ)」の世界に浸ってきた。

越中青バイ

火が入ると甘味と旨みがムクムクと起きてくる。
貝の泡のソース 肝のソース モロッコインゲンなど

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2021年09月21日

「L’évo(レヴォ)」 富山・利賀村・オーベルジュ

2年ほど前のことである。

富山の「鮨人」という寿司屋で食事をした後に
「ひまわり食堂」というカジュアルな店で
富山の料理人が集まっているということで、合流した。

場の盛り上がりはすごかった。
若い料理人が、これから自ら進む道に対する熱い思いを語ってくれた。

そこに「L’évo(レヴォ)」開業準備中の谷口英司さんがいた。
スマホの画面を見せながら「カエルは次世代の貴重な食材です」
と話してくれたことが、その画像と共に強くインプットされた。

その「L’évo(レヴォ)」がオープンした。

何回かチャンスを逃し、ようやく7月に伺うことができた。
大阪から数名、車での移動である。
富山や金沢からでもかなりの時間を要する。

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2021年09月17日

「ザ リビングルーム」 京都・パークハイアット京都・ラウンジ

京都東山にあるパークハイアット京都の「ザ リビングルーム」。
アフタヌーンティーが楽しく、コンセプトが興味深い。

一般的なアフタヌーンティーは立体的な器に料理が乗る。
だが、ここは一皿ずつ出来立てが供される。
そこに日本産の茶葉を使ったティーペアリングが提案される。

サーモンのグラブラックスと自家製ヨーグルト
無花果とカシスのムース

サーモンはねっとり、そこに野菜の食感
ヨーグルトの酸味 ここで胃袋にスイッチが入る。

無花果にカシスのムースが寄り添う。
この一皿で、アフタヌーンティーへの思いが伝わってくる。
お茶は 煎茶 カモミールオリジナルブレンド

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2021年09月16日

「SETTAN」 神戸・北区・フランス料理

秋の日差しを感じながら大阪から1時間ほど走る。
住所は神戸市北区だが、そこは里山である。

オーナーシェフの吉田繁雄さんは、神戸市北区出身。
神戸、パリ、大阪で修業を重ね、この夏開業である。

「摂丹地方に根差した食材の魅力を最大限に引き出し、
 そこにフレンチの技法を取り入れた料理・地の料理」を目指す。

始まりは「六甲」というアミューズ。
六甲山系の食材をメインとした料理。

 

 丹波のトマトをドライに カッテージチーズ
 神戸ポークの豚足クロケット
 明石のイカスミのメレンゲにコウイカ
 茄子のシュー生地に豚のリエット
 チップに釜揚げシラス
気分が変わる。

 

瀬戸内の渡り蟹

雄の渡り蟹
大根、トマト、蟹味噌、人参のビネグレット
黒枝豆などエッジのきいたメニュー。

 

パンとバター

バターの風味が素敵。

 

とうもろこし 冷たいスープ

甘味が濃密。

 

とうもろこしの芯を器に
とうもろこしはピュレ、ベニエ、ヒゲのフライ

但馬牛の生ハムなど攻めの料理である。

 

鮎 発酵胡瓜

鮎は130度でオイルコンフィ
2種の胡瓜 糠漬けと、胡瓜と昆布
発想の豊かさが楽しい。

 

穴子 フォアグラ

下にはフォアグラのソテー
赤ジャガイモの4ヶ月熟成
穴子、ソースマデラにジュドトリュフ
インパクトのある味わい。

 

熟成サバ

手前は昨日、奥は塩と砂糖ビネガーで一週間の熟成
ソースはレモンシャンパンビネガー ハーブのオイル
2種の違いは明確でこれは興味ふかい。

 

里山
立杭焼の器に太刀魚

干し大根を合わせる。
レンコンのガレット、牛蒡のピュレなど里山の幸をたっぷり感じる。

 

明石鯛

塩パンの蒸し焼きを器に。
鯛はフォアグラのコンフィに豚のラルドとともに。
ソースはキノコのデグラッセに卵黄
これを潰して鯛を食べる。
ビジュアル的にはインパクトあり。

 

山垣牧場

庭で焼いた付け合わせの茄子はなんとも贅沢なことか。
但馬牛のフィレと茄子のマリアージュは地の力を感じる。

 

栗ひろい

イガつきの栗を皿に取るには手袋が必要。
焼き栗、栗のクリーム、栗の甘露煮 シャンティ
このバリエーションは楽しい。

 

葡萄

これもよく考えてある。
ぶどうの中にクリームが入ったりと驚きもあり

 

ミニャルディーズ

7種類の味わい

自家焙煎スペッシャルティコーヒー
ウゴロンゴロ タンザニア

 

徹底的にシェフの想いが詰まった料理
時間が経ち、季節の食材と出会い、ますます魅力的な料理になると思った。

 

 

「SETTAN」
神戸市北区八多町屏風965
078-224-5013

 

 

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2021年09月15日

「仁修楼」 京都・紫竹・中国料理

「仁修楼」の階段を登るたびに、胸がドキドキする。

今日はどんな料理が出てくるのだろう。
上岡さんの引き出しから何が飛び出すのであろう。

カウンターの上に献立が置いてある。

飲み物を選ぶ。
この日は桂花烏龍茶とした。

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2021年09月14日

「らーめん杉千代」 京都・河原町四条・ラーメン

かつて葛野大路御池上ルにあった「らーめん杉千代」。
絶頂期の2009年に閉店。その存在を惜しむ声がかなり多かった。

その「らーめん杉千代」が、最近河原町四条に再開した。

多くのラーメン(というか「らーめん杉千代」)フリークが行列をなしている。

これは気になる存在。
以前クルマに乗ってよく出かけた店である。
13時過ぎに訪れ、運良く一人であったのでカウンターに座ることができた。

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2021年09月13日

「祇園 大渡」 京都・祇園・日本料理

久しぶりの「大渡」。

スタッフの充実ぶりが素晴らしい。
それぞれのキャラクターが素敵な組み合わせとなっている。

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2021年09月10日

「レスピラシオン」 石川・金沢市・スペイン料理

同行した料理人が
「厨房に結構人数がいるんですが、ほとんど喋らないのです。
 指示する声が聞こえてこないんです」と話した。

チームワークの良さ、それぞれが自らのポジションを良く理解し、
無駄な動きや会話が必要ないということ。

奥にウエイティングができ、そこで飲むお茶で気分が変わる。

スタートはシグネチャーメニューでもある
インパクト甘海老。

甘海老をあますところなく一つの料理に仕上げた。
メニュー通りのインパクト。
口中が甘海老に占領されてゆく。

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2021年09月09日

「Don Bravo(ドン ブラボー)」 東京・国領・イタリア料理

新宿から京王線に乗り国領で下車、歩いて5分足らず。

「Don Bravo(ドン ブラボー)」のメニューは2ヶ月に一度変わる。
今年に入って3回目の訪問だ。

イタリア料理の定番 生ハムとメロン

ハムの塩分がメロンと出会い、うっとり。

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2021年09月08日

「フロリレージュ」 東京・神宮前・フランス料理

レストランは地階にある。

厨房を囲むようにコの字型の大きなカウンター。
そこでスタッフが生き生きと仕事をしている。
中にオーナーシェフの川手さんが、一心不乱で料理を作る。

スタッフが持ってきてくれたヤングコーン

一品目の料理。

ヤングコーンをくり抜き、中身を粉(ポレンタ)にし
身と合わせて再び戻したものをを火入れ。
香りはタングコーン 食感が数種生まれ、楽しい。

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2021年09月07日

「La Terrasse “irisée”(ラ・テラス “イリゼ”)」 奈良・あやめ池・フランス料理

出会いは突然やってくる。

ずいぶん前に、とあるレストランのシェフであった料理人が
奈良の「ラ・テラス “イリゼ”」のシェフに就任した。

近鉄あやめ池駅に近いところにあるビルの2階。
シェフがテーブルに顔を現した。
元気そうな笑顔が眩しい。

挨拶を交わし、料理を待つ。
イリゼからのささやかなプレゼント。
餃子が出た。インパクトあり。

大和橘などが入る。

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2021年09月06日

「月おか」 京都・粟田口・日本料理

京都粟田口青蓮院前に今年暖簾を掲げた「月おか」。

ご主人の月岡正範さんは「草喰なかひがし」での修業後
滋賀で「滋味康月」という割烹をはじめ、日本の食文化を世界に発信すべく
ニューヨークで開店準備を進めていたが、コロナの影響をまともに受け断念。

この4月に開店となった。
これまで収集された器や工芸品などが店内に見事に置かれ、
美術館のような設えは見事である。

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2021年09月02日

「リストランテ ダ ルーポ322」 兵庫・西宮・イタリア料理

「ダ ルーポ322」に通い続けて長い歳月が流れる。

ずっとメインはあか牛を食べているような気がする。
あか牛の調理法は変わらないが、そこに到達する料理は変化がある。

スタートは
イワガキのモヒート

イワガキのミルキーな味わいにミントの風味。
暑さを吹き飛ばす。

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2021年09月01日

「洋食おがた」 京都・柳馬場御池・洋食

最強の洋食屋だと思う。
まず素材がすごい。

魚は焼津「サスエ前田魚店」から
豚は鹿児島・鹿屋市の「ふくとめ小牧場」
牛肉は南草津の「サカエヤ」から。

こんな洋食屋は稀有な存在である。

「サカエヤ」の阿蘇のあか牛
「ふくとめ小牧場」のサドルバック、そのサドルバックの生ハム
「サスエ前田魚店」のカツオ、サワラ

それぞれの素材を見るだけで、その質の良さが一瞬にしてわかる。
オーラがある。

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