門上武司のおいしいコラム

2022年04月01日

店内に鎮座する二つのオブジェの存在感。
だが、実体はテーブルである。
それも立ち食いそばのテーブルなのだ。
おまけにこのテーブル。
必要条件であるはずの水平が保たれていない。
しかし、それも魅力と感じるのが不思議である。

メニューも壁にテープで貼り付けてある。
この日は京春菊天を選んだ。
そばは、二階で製麺しているという。

春菊の緑が映える。

あとはネギとナルト。
シンプルである。
春菊は春のほろ苦さを呈する。
それが出汁に入ると、出汁にコクが生まれる。
この出汁が曲者だ。
濃くないのである。
もちろんそばを楽しむためだが、こちらのメニューかなりバリエーションに富んでいる。
それを考慮してとの出汁の濃度なのだと思った。

立ち食いという固定感のある業態、それをフレッシュに感じさせる楽しみは尽きない。

「suba soba」
京都市下京区木屋町通松原上る美濃屋町182番地10
075-708-5623

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