門上武司のおいしいコラム

2019年12月23日

先週から引き続き「かに吉」興奮の蟹シリーズである。

大好きなフライものが出た。

蟹の爪である。凝縮感がほかのものとは異なる。

厳選された蟹の味噌和え。

舌が踊りだしたくなる味わい。
口の中からなくなるのが口惜しい。
ピュアでスッキリとして旨味とコクがある。

蟹味噌スープは身体も心も温まる。

そろそろ鍋の準備だ。

ご主人が全てを差配する。

しゃぶしゃぶだが、少し休ませることで味わいが増す。
これもポイントの一つ。

いかに食べてもらいたいか。素材を熟知し、考え抜いた結果である。
しっとりして襞の一つひとつに味が染み込んでゆく。

白菜は蟹のエキスを吸い込んで別物に仕上がる。

ネギは甘さとうまみを最大限に表す。

身は次第にとろりと様子が変わる。

唸る。

白菜はまさに変化の極みだ。

蟹素麺が出来上がってゆく。

まさに蟹素麺。

繊維にまで味が行き渡る。

春菊が入り香りも変わってくる。

どこまで攻めてくるのだろう。

雑炊。

ご主人曰く　これは卵と蟹とご飯のミルフィーユ。

一口目は上澄みをすする。
蟹味の卵だ。

また味噌を加えると深みが出る。

おそるべし雑炊である。

ところてんに黒豆のきな粉でしめる。