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2022年05月16日

「柚木元」 長野・飯田・日本料理

昨年春、初めて「柚木元」に伺い、その凄みに感銘を受け、昨秋再訪。
その感じをさらに深め、この春、再び訪れた。
熊鍋が年間通じて供される。
春は山菜のため、夏はスッポンのため、秋はキノコのための熊鍋。
冬は熊を楽しむための熊鍋である。

 

前菜が出る。明るい奥様の説明がわかりやすい。

サワガニ 昨晩収穫 紹興酒漬け
ノビルは酢味噌で
山ウドの天ぷら
たらの芽 南蛮漬け
芹は辛子びたし
コゴミはくるみ和え
よもぎ豆腐
季節の賜物 しみじみと四季の移ろいを感じる。

 

地物の筍の玉じめ

この椀物の出汁のふくよかなこと。
筍は葛豆腐 旨味ととろみの融合が新たな味を生み出す。

 

小さな鯉の造り

腹身は山塩、酢、山椒オイルがいいい仕事をする。
印象深い一皿。

 

おやき

信州の郷土料理だが、春バージョンは行者ニンニク、千代幻豚のバラ、カチョカバロが入る。これで一気に印象が変わり、ここのオリジナルとなる。
香りやコクが素敵だ。

 

ワラビの篠田巻き

さりげなく挟まれる料理 素直に身体の中に入り込む。

 

春巻き

アマゴの飯蒸し
川魚と米を合わせる。想像をはるかに超える味わい。
骨や頭を粉々にして混ぜることで奥行きが生まれる。

 

信州のマトン

5回は経産だという。手当をきちんとすることで
マトンがじつにストレートな味わいになる。
レモンのチャツネがきいている。

 

ホワイトアスパラガス

グリーンアスパラガス。
この日の午後3時に収穫
月の輪熊の味噌、酢味噌
この香りと食感には参ってしまう。

 

トマトの最中

花わさびにクリームチーズ
この発想はすごいと感じる。
トマトの酸味と甘味にわさびの刺激、チーズのコクで立派な一皿。

 

いよいよ鍋の登場。

熊のすごさもさることながら、三つ葉の偉丈夫なこと。
これが三つ葉かと思う元気な姿。

二輪草という植物も初めて知る。

花山椒の贅沢なこと。
山菜の存在価値。それを熟知したご主人の熊鍋。
この出会いは、僕たちに至福の時を与えてくれる。

 

二八そばが現れる。

気持ちも身体も一旦リセットである。

 

若い木の芽の天ぷら

春は苦味 という言葉を思い出す。

 

五平餅と鍋の出汁(しめじ入り)

これはさりげなく出てくるのだが、ゆったりした気分になる。

 

章姫というイチゴとふきのとうのタルト

ふきのとうにはマスカルポーネと味噌、ホワイトチョコレートを忍ばせる。
技がきいたデザート。

 

 

じつに考え抜かれたコース仕立て。
見事であり、再び秋への思いを馳せる料理であった。

 

 

 

「 柚木元」
長野県飯田市東和町2-43
0265-23-5210

 

 

YouTubeチャンネル「Round Table」=====

 ★ 【新着】和田有史(立命館大学食マネジメント学部教授)

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辻 邦浩(音響空間デザイナー)

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赤井勝(花人/かじん)

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梶高明(梶古美術)

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中川政七(株式会社中川政七商店代表取締役会長)

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村田吉弘(株式会社菊の井/NPO法人日本料理アカデミー理事長)

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 ======協力:株式会社マイコンシェルジュ

投稿者 geode : 10:00