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2020年12月25日

「EST/エスト」 東京・フォーシーズンズホテル東京 大手町・フランス料理

今年開店したばかりの「フォーシーズンズホテル東京 大手町」のフランス料理
「EST」でディナーを楽しんだ。

39階というロケーション。素敵な眺望が広がっていた。
これもご馳走の一つだと思う。

入り口からレストランへ向かう動線はライブラリーになっており
和洋料理に関する書物がずらりと並び、
食への期待感が高まるような設えになっているのも素敵な仕掛けである。

提供される水はスティルもスパークリングも全て日本製。
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日本のテロワールをとても大切にしている。

シェフはギョーム・プラカヴァルさん、来日して8年になるという。
シェフパティシエは彼と8年一緒に働いたミケーレ・アッパテマルコさん。


店名の「EST」は、
「感情・Emotion」「季節感・Saison」「テロワール・Terroir」の頭文字。
店名からレストランのコンセプトが読み取れる。

スタートはタルト2種。
ブロッコリーにイワシ、ジャガイモにトリュフ
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どちらも王道の相性を示し、タルト生地のしっかり焼けた感じがリズムを刻む。

続いて菊芋のエスプーマにキャビア。
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菊芋のほのかな甘味と香りにキャビアのコクと塩味。
優しさとインパクトの饗宴で食欲が高まる。

シャンピニヨンと呼ばれるパンは、上部がきな粉風味。
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これは止まらない味わい。

バターの代わりに大豆のムースにオリーブオイルの粉末。
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パンとの相性はさることながら、そのままでも十分に美味。

黒トリュフのタルト
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ジャガイモと玉ねぎの層に黒トリュフ。
添えらたソースはヨーグルト風味のクリームソース。

ヨーグルトの酸味が素敵なアクセントとなり現代の風を感じる。

キンキ 出汁 とメニューに記されている。
皮目がサクッと焼けたキンキ。
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そこに出汁がかかる。ごぼうの香りが生きる。
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まさに日本のテロワールを生かしながらフランスのテクニックがはえる料理である。

厨房はこのような姿で見える。
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声はあまり聞こえないが熱気はしっかり伝わってくる。
オープンキッチンではないが、楽しさは伝わる。

ラングスティーヌ カリフラワー 花梨
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ラングスティーヌの火入れは難しい。
その関門を見事に突破したラングスティーヌは甘さをたたえ、ねっとりした食感も楽しい。
刺激あるソースが相乗効果をもたらす。

ミートパイ
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焼き色を見ただけで胃袋は激しく反応する。

中には豚、ほろほろ鶏、鴨が入る。
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内臓の旨みもたっぷり。
これぞフランス料理という技がぎっしり詰まっている。

モダンでありながらクラシックがきちんと盛り込まれているところに
シェフの矜持を感じるのであった。

豆乳チーズにシトラス。
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豆腐という日本の食材を使いながらも着地はしっかり西洋。
これがパティシエの技術レベルの高さだ。

パンナコッタに洋梨、生姜のゼリー、松の実。
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組み合わせの妙に感銘を受ける。

ミルククリーム マスカルポーネ 苺
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繊細にして強さのあるデザート。

エスプレッソにミニャルディーズ。
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パティシエの仕事の細やかさを嬉しく感じる。

日本の食材やテイストを巧みに取り入れながら
フランス料理が持つ酸味の使い方(梅干を使うなど)が見事であった。

酸味と脂質の使い方がフランス人シェフの技だと感じた。
季節が変わればまた訪れたいと思う。

「EST/エスト」
フォーシーズンズホテル東京 大手町
東京都千代田区大手町1-2-1
03-6810-0600

◆◆◆◆◆◆お休みのお知らせ◆◆◆◆◆◆

いつも門上武司のおいしいコラムをお読みいただき
ありがとうございます。

明日 12月26日より翌年1月6日までコラムはお休みとさせていただきます。

1月7日より再開いたしますので
どうぞよろしくお願い申し上げます。

投稿者 geode : 01:48