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2014年02月20日

「天茂」 東京・赤坂・天ぷら

午後1時から外苑前で打ち合わせ。
午前中に東京入り、青山1丁目で最初の仕事を終わり、
11時半開店、赤坂の「天茂」という天ぷら屋に向かう。
約10分前に到着。小さなビルの2階。

入り口には「準備中」の看板があり、
すでにお一人さまお並び。
中から女性の声が聞こえてくる。

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11時半丁度に引き戸が開く。
店内はくの字型のカウンターとテーブル席。
「順番にカウンターの端からお座りください」との説明。
座ると「どちらにされますか?」と。
やわらかな口調。

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昼は天丼かかき揚げ丼しかない。
どちらも1300円で、赤だし100円をプラス。

さて、カウンター内には女性が二人。
おそらく母親とお嬢さんだろう。
そのお嬢さんが天ぷらを揚げる。

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その様子を眺める。

かき揚げ。
小さな天種が温度の上昇とともに、大きく膨れ上がってゆく。
箸を巧みに使いながら、形を整え、
また真ん中に穴を空け、中側から油を回し火を通してゆく。
確かに、穴を通るように油があがってくるのが分かる。

しばらくしてかき揚げをひっくり返すと
下になっていたほうが、きつね色になっている。
そのまま時間を置き、両面が同じ色合いになったところで、
隣のバットに揚げる。

するとお母さんらしき人物がひょいと、
それをつまみ丼つゆにドボンとつけ、
御飯の入った丼に乗せ、最後に小さな柚子を。

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この流れるような動作。
二人のコンビネーションを見ているだけで、
気持ちが弾んでくる。

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やや甘辛い香りは鼻腔をくすぐる。
一気にかき込みたいところを抑え、
小さくきれた天ぷらを口のなかにほうりこむ。
海老の甘さと丼つゆの甘辛さが一体となり、
「おぅ!かけき揚げ」と思う。

あとは一気呵成にかき揚げ、御飯、
今度は一緒にという動作を繰り返す。
途中で、赤だしや漬物を。

ほとんどというかずっと右手に箸を握ったままだった。
なんとも濃厚ですが、やはり江戸の天ぷら。

これは見事な逸品。

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食べ終わり、丼を見ると、
丼つゆがうっすらと丼の肌についている。
つゆの量がぴったりの証拠。
少なければ丼の肌は白く、
多ければ底につゆが残るのだ。

いやあ、満足しましたが、
入店から退店までおよそ17分という時間。
でも、じつに濃密な時間の流れだった。

いい経験。

「天茂」
東京都港区赤坂3-6-10第3セイコービル2F
03-3584-3746

投稿者 geode : 01:24