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2007年10月22日

「Le Grand Vefour」   フランス・パリ   レストラン

8日の夜は、全員最後の夜です。三つ星レストラン「Le Grand Vefour」となりました。
シェフは、ギィ・マルタン。シェフは大阪の「ル・ポンドシェル」の料理顧問で、毎年2月には大阪でフェアが開催されます。毎年「いつ、Le Grand Vefourに来るのか」と言われ続け、ようやく叶いました。

10名ということで、二階のサロン。メニューもあらかじめお願いしておきました。
パレ・ロワイヤルの回廊の中にあり、いかにも歴史ある雰囲気を漂わせています。なんといっても1884年に「カフェ・ド・シャルトル」としてオープン。その後ジャン・ヴェフールが格式あるレストランとして地位を確立、ヴィクトル・ユーゴー、ラマルティーヌなど著名人が集まるレストランとなり、栄光の時期を迎えるが1900年前後から一時輝きを失う。だが、第二次世界大戦後レイモン・オリヴェエールが再びレストランとしての名声を取り戻す。ここでジャン・コクトー始めルイ・アラゴン、ジャン・ポール・サルトル、シモーヌ・ド・ボーヴォアールなどの文豪が常連客となり過去の栄光を取り戻す。そしてつい数年前にギィ・マルタンがシェフとして着任し、二つ星を再び三つ星としたのです。

歴史とエピソードには欠くことのないレストランですが、料理は極めて現代的です。

アミューズは大きなプレートに種々の料理が。それを自由に取るスタイルです。

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海老のフリットは、まるで海老フライです。春巻きらしきものありなど。

前菜は鴨のフォアグラ、火を通したアーティチョークとコリアンダー風味のサラダ。

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この細やかな盛り付け。「ランブロアジー」とは異なったアプローチです。フォアグラは流石に質の良さは申し分なし。

もう一皿の前菜は、オマールブルー、ピーナッツオイルのビネグレット、アボカドとハーブ。

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縦に敷かれた二色のソースはオマールのブイヨンと草と言われました。右のオマールはジャガイモが添えられています。トマトのマリネやムースなど複雑に組み合わせながら、まとまりは見事。

魚は鯛にオリーブとケッパー、野菜のサラダとタピオカです。

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鯛の下にはケッパーが敷かれ、鯛にはオリーブを塗りつける。この塩分が鯛の旨みをより印象的に。サラダに下にはタピオカが入っています。この食感も面白いですね。

メインの肉料理は仔羊フィレ肉、カリカリのしょうが、仔羊の胸腺肉の照焼風とグリーンピース。

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仔羊ににはしょうがはぴっしり張り付き、ホントかりかりです。これが仔羊と不思議なくらいに合います。胸腺肉はねっとりと旨みが乗っています。その奥はトマトのコンフィ。

別皿でグリーンピースのニョッキ。これも濃厚なのですがいい口直しです。

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デザートはにんじんのクラフィティ・金柑のコンフィ、カレームースにリンゴ、ヴィッキー飴のシャーベットです。

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なんとカレー風味のムースは、ホントにカレー風味です。しかしそれが僕にとっては違和感なく口の中で溶けてゆきます。

添えられたキュウリとミント、レモン。

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これもさっぱりといい感じです。

それで本番のデザートです。

ノワゼットとミルクチョコレートのケーキ、キャラメルのアイスクリーム、ゲランドの塩を添えてです。

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いやあ、ここまででかなり胃袋は膨張です。だが、濃い濃いチョコレートです。右にはキャラメルのアイスクリーム、左はノワゼットのダクワーズですね。やられましたね。

そして締めにはギィ・マルタン出身のサヴォア地方の伝統的な菓子がサーブされました。レモンの皮のコンフィ入りです。

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大きなプレートに入った小菓子はクローブとアボカドのアイスクリーム入りのシュークリーム、チョコレートのタルト、マカロン、イチゴとキイウイです。

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デザートで相当に参りました。
しかし、その満足度はやはり三つ星の実力です。常にスタッフが僕達のテーブルを見回し、サーブのタイミングを計っています。
1階のテーブル席には、日本人グループも。数日前に「ランブロアジー」で食事をしたので、その差異を見ることができ、有意義なディナーでした。

Le Grand Vefour
17, rue de beaujolais
+33 (0)1.42.96.56.27

※門上武司「食」研究所サイト上にて
 ☆『海外通信』 Torino通信Vol.2「クリスマスが待ち遠しい!」
 ☆『マスターソムリエ岡昌治の「心に残る今月の一本」
  Vol.1「五月長根葡萄園2006 エーデルワイン」
 を公開中。↓
 http://
www.kadokami.com/

投稿者 geode : 06:20