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2022年06月10日

「Le Passage(ル・パッサージュ)Pour2」 神戸・中山手・フランス料理

春名公章シェフは、信念の料理人である。
シェフが自らの料理を「トラディショナル」と呼ぶ。
一般的にはクラシックと呼ばれるかもしれないが、あくまでトラディショナルなのである。

 

店内はカウンターとテーブル席。
カウンター内の厨房で、まず目をひくのが銅鍋の数。
サイズ違いの鍋がずらりと並ぶ。

 

男性6名、フランス料理のシェフも混じる。
いわゆる濃い客だ。

 

うさぎのジブロット仕立て冷製

コンソメジュレとロワール産ホワイトアスパラガス添え
まずはサイズに驚くというか感動を覚える。
シェフのこの日の料理に対する気迫を感じる。
うさぎがこれほど印象深い料理になるとは想定をはるかに超える。
コンソメのジュレのキレの良いコク。
アスパラガスのほのかな苦味と甘さ。
「このサイズ、勝負してますね」とあるシェフ。

 

ランド産鳩とフォアグラのパイ包み焼き

パイの焼き色の濃さからもしっかり焼けていることが判る。
たっぷりと濃厚なソースがかかる。

 

ナイフを入れ切り分けた瞬間の香り。
うっとりするほどであり、胃袋を激しく刺激するのだ。
鳩の内臓も含め、フォアグラのうま味との集積。
パイ生地もそのエキスを吸い込み、味わいが深みを増す。
香りを閉じ込める。その効果が見事に現れていた。

 

舌平目のボンファム

舌平目のムースは久しぶり、かつクリーム系のソースとの出会いに
嬉しさがこみ上げてきた。
マッシュルームは六甲山で収穫したもの。
ソースの役割と存在の大切さを改めて実感する。

 

仔羊エポールのナヴァラン

アスパラソバージュとプティポアとともに
やってくれましたと、拍手を送りたくなる料理である。
ナヴァランという最近目にすることがなくなった料理。
仔羊の香りもしっかり感じることができた。
しっかりしたフランス料理の王道という感覚である。

 

デザートはヌガーグラッセ パッションフルーツのクーリ敷き

クーリの酸味があることで、グラッセが生きる。
こんなデザートに出会うとますますフランス料理にのめり込んでゆく。

 

プティフール

嬉しさがこみ上げてきた。

 

安心感を味わい、またシェフの確かな技術と時代感覚を感じる。
いいレストランである。

 

この日のワイン。

 

 

テーブルを囲んだ仲間たち。

 

 

「Le Passage(ル・パッサージュ)Pour2」
兵庫県 神戸市中央区 山本通 2-5-18 コーポラス山本通 1F
078-241-7118

 

 

YouTubeチャンネル「Round Table」=====

 ★ 【新着】和田有史(立命館大学食マネジメント学部教授)

https://youtu.be/QkyHq9tKuNc

辻 邦浩(音響空間デザイナー)

https://youtu.be/fxhUtkse7Jo

輿水精一(サントリー 名誉チーフブレンダー)

https://youtu.be/NFKgOaEHjEM

新保吉伸(精肉店サカエヤ)

https://youtu.be/FwzWzqmL6hQ

赤井勝(花人/かじん)

https://www.youtube.com/watch?v=VlSdDts_cMU 

梶高明(梶古美術)

https://www.youtube.com/watch?v=g5ZkyjBEYBw

中川政七(株式会社中川政七商店代表取締役会長)

https://www.youtube.com/watch?v=AREXu4uDjgc

村田吉弘(株式会社菊の井/NPO法人日本料理アカデミー理事長)

https://www.youtube.com/watch?v=fGYHD18jz60

 
 ======協力:株式会社マイコンシェルジュ

投稿者 geode : 10:00