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2025年11月05日
「Le jardin(ル ジャルダン)」 福井・文京・フランス料理
福井県が熱い。
「越山若水」という食のイベント開催中。
その一つとして実施された福井を代表するフランス料理店「Le jardin(ル ジャルダン)」での報告。
「ル・ジャルダン」の堀内シェフは、2022年、フランスの「ル・テタンジェ賞」国際シグネチャーキュイジーヌコンクールでの優勝。そこに京都のフランス料理店「MOTOI」の前田さんが参戦。
前田さんは中国料理の経験もあり、中華テイストのフランス料理を作ることになった。
またゲストには高村打刃物の雄・高村光一さんが刃物の魅力について語ったのである。
「ル・ジャルダン」は庭園という意味を持つ。
ハーブガーデンの中庭を通って店内へ。
重厚な洋館の佇まい、ゆったりと配置されたテーブル、きらびやかなシャンデリアなど、古きよきメゾンの格調を感じさせる。店内からは壁面の大きなガラスを通して、庭と繋がっているように感じられる。
「庭園」(堀内シェフ、前田シェフ)
まずは「庭園」と名付けられた一皿から。
庭の草花を入れて固めた水のゼリーに料理がのせられて運ばれる。
お客が通ってきた庭の印象とリンクする、軽やかな仕立て。
堀内シェフはカリフラワーのムース トリュフ、ケークサレ タコ セロリ
前田シェフはキクイモ生地にクジラの肉、タルトはフロマージュフラン スダチ
ムースのなめらかで溶けるような舌触りと鼻に抜けるトリュフの香りに始まり、食感の楽しさや油脂分、柑橘の爽やかさなど、いろんな「食べるスイッチ」を押してくるような一皿。
アミューズブーシュ(堀内シェフ)
(画像なし)
フレンチ風春巻き。
甘エビ、バジル、バニラの香り、オマールソース、プチバジル
上海蟹のシェリー酒漬け(前田シェフ)
シェリー酒の他、砂糖、醤油、タカノツメなどに漬けて。
紹興酒でなく、シェリー酒に。
濃厚な卵、シェリー酒の香りと品よい味わいが印象的。
六条大麦とイカの温かいサラダ
汐うに風味のエキューム(堀内シェフ)
「ル・ジャルダン」のスペシャリテ。器は越前焼。
「サラダ」ながら、器は泡一面、ハーブとエディブルフラワーが散らされ遊び心を感じさせる。
スプーンですくうと福井産の六条大麦、そして同じ大きさ切りそろえられたイカ。
プチッとした大麦と、クニッとしたイカの食感が楽しい。
エキュームには「天たつ」製の汐うにが。テーブルには十一代目の天野準一さんも同席。
「200年前から汐うにを作っています。バフンウニに塩をして凝縮し、1個から1gしかとれません」と説明。
エキュームに旨みと磯の香りを添え、口に運ぶスプーンが止まらなくなる。
温度も素晴らしく、それぞれの食感、香りを持ち上げる。
皿の底にはワインビネガーが隠されていて、汐うにの塩味に酸味が交わり、心地よくフィニッシュ。軽やかな見た目ながら、緻密に構成された一品と気づく。
スズキの麒麟蒸し 酸辣ソース(前田シェフ)
「麒麟蒸し」伝説上の瑞獣である「麒麟」の鱗に見立てた、おめでたい印象の料理として名付けられる中国の古典的な料理。
福井産のスズキに、椎茸、金華ハム、ショウガを重ねて蒸したもの。
スープは鶏白湯。柿酢、タカノツメ、辣油など。
海女さんがとった海藻をバターソテーし、食感と風味を添えた。
かなり大きな魚体と思われるが、蒸し具合も良く、麒麟に見立てた金華ハムや椎茸、ショウガがアクセントに。
パンチが効いたソースに、海藻の磯の香りが心地よい。
鹿ロースのロティ
3年熟成の自家製豆板醬のソース
(前田シェフ、堀内シェフ)
鹿は敦賀産。
ソースは前田シェフが自家製した3年ものの豆板醤をローゼルジャムに加えて。
辛みがまろやかで、旨みと複雑味を加えている。他、キャロットラペなど。
使うのは、高村刃物製作所のナイフ。
「五味以外にも、『キレ味』があり、近年理解され始めています。味も変わってきます」
と同席した社長の高村光一さん。使う快感、舌触りのよさに繋がっていた。
杏仁豆腐 越のルビー(前田シェフ)
「越のルビー」は、糖度が高いトマト。
トマト水をシロップに仕立て、コンポートをのせた。
冨津金時のデクリネゾン 黒ゴマのグラス
サツマイモの冨津金時をエスプーマとフリットに。
黒ゴマのアイスと共に。
小菓子
前田シェフ
エッグタルト、ゴマ団子、イチジクの月餅
堀内シェフ
洋梨のボンボンショコラ、柚子ガナッシュショコラ、六条大麦のプチシュー
コラボレーションが終わり
前田シェフは「普段店で出せないものが作れました。自分の料理で強弱をつけるのは難しいが、堀内シェフのしっかりしたクラシックなフレンチとの対比が出しやすかったです」
堀内シェフは「中華のエッセンスを加えた料理は、知らないことも多くて楽しかったです。豆板醤も辛いだけじゃなく、こんなに旨みがあるんだとか、熟成することでこんな味になるんだとか。大先輩とこういうイベントができて良かったです」
との感想が寄せられた。
「Le jardin(ル ジャルダン)」
福井県福井市文京4-28-16
0776-29-0026
Web連載「amakara.jp」=====
門上武司のグルメ旅「皿までひとっとび」
★門上武司の旅vol.12:一汁一菜と酒肴で新たな“昼風”を吹かせる岡山市『あまおと』
★門上武司の旅vol.13: 地元の幸と旨い肉で最良のひと皿に。岡山市『ラボッカ』
YouTubeチャンネル「Round Table」=====
森 義文(カハラ・オーナーシェフ)
森 義文(part1) – YouTube
兼井俊生(手打ち蕎麦 かね井・店主)
兼井俊生(part1) – YouTube
堀木 エリ子(和紙作家、堀木エリ子&アソシエイツ代表)
堀木 エリ子(part 1) – YouTube
西田 稔(Bar K6 / cave de K / Bar kellerオーナー)
西田 稔(part 1) – YouTube
======協力:株式会社マイコンシェルジュ
投稿者 geode : 15:26

