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2025年06月16日

「明寂-1」 東京・西麻布・日本料理

昨年の11月以来二度目の訪問である。
今回は北海道の和食の料理人と一緒であった。
なにしろ日本料理における出汁の捉え方が素晴らしい。

 

最初から衝撃は走る。
器にきが置かれ、それを除くとなんと蕪がポツンと入っている。

「海水と水と蕪だけで取った出汁です。蕪の潮汁です。まずは蕪を食べていただき、あとは器を持って出汁をお飲みください」とのこと。
蕪には細かな包丁目が入る。蕪はすこぶる甘さを感じ、塩分の持つ力の大きさを感じる。
後の出汁は蕪の甘さが溶け込み、スッと体内に入ってゆき
「明寂」の世界にいきなり染まる。

 


これも海水と水、わずかな酒で火入れ。
鮑の下には肝が置かれ、ソースは鮑のスリ流し。
鮑という素材の味わいを十二分に感じることができる。

 

造り
アオリイカとスズキ

アオリイカの切り方による奥行きある味の創出
白い粉末はイカ塩
イカを蒸し、干し乾燥させて細かな粉末にしたもの。
ほのかなイカの風味が楽しめる。
スズキは塩水で洗うのみ
これはうま味をグッと引き出す。

 

次は椀もの

蓋を開けると茶色と白色 椎茸である。
この二色は陰陽の象徴とか。
まず椎茸の香りが鼻腔を刺激する。
椎茸の下にはアイナメ。
これも海水、水、アイナメのみ。
椀ものとして見事な完成度。
昆布と鰹の出汁が必須と思っていた概念が崩れる。

 

しまあじ

包丁目の入れ方で火入れの感じが変わる
包丁が入ったところから火(藁)が入る。
皮目のパリパリ感が素敵だ。香ばしさもあり。
蓮根のシャキシャキ感と酸味が麗しい。
酸味は季節のチリ酢を用意するという。
記憶に残る逸品だ。

 

天龍川の鮎

14~15センチほどの鮎

 

鱧の薯蕷蒸し

これは長芋を使うこと。
鱧の上に乗るのは梅干しの仁
ほのかな梅の香りと酸味が効果的
鱧の骨切りの様子はゆっくりと包丁を入れる。
よって骨が全く当たらない。

 


頭と中骨は素揚げし、素揚げした蓼と共に
薄焼き卵に置かれる。

身の部分は粉を打ち炭火で火入れ
それを薄焼き卵に乗せ包む。
身のふんわり具合、苦玉の苦さなどを感じ、
さながら鮎の塩焼きと同じような感覚に陥る。

 

 

以下は明日に続く。

 

 

「明寂」
東京都港区西麻布3-2-34 西麻布ヒルズ B1F
050-3101-3945

 

 

 

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森 義文(カハラ・オーナーシェフ)
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西田 稔(Bar K6 / cave de K / Bar kellerオーナー)
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======協力:株式会社マイコンシェルジュ

投稿者 geode : 10:28