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2023年03月20日

「私のダイニング」 大阪・堂島・洋食堂

大阪のドージマ地下センターに「私のダイニング」という飲食店がある。
ここは福井県のアンテナショップのような存在で、福井県の食材を中心に越前おろしそばやソースカツ丼など魅力的な献立を提供する。

 

3月12日に友本尚兵さんが「チャレンジキッチン」という試みを行った。


友本さんは辻調理師専門学校を卒業後、「菊乃井 露庵」を経て、京都で人気を博する「日本料理 研野」の料理人として研鑽を。タイトルは「山海万両」。

 

まずは食前酒から。
季節柄、桜の花びらを漬け込み、その香りが豊かな一献
これで一気に季節感を感じる。

 

先付

茶粥 茶飯 海苔 梅
蓋を開けた瞬間に海苔の香りが匂立つ。
昆布だしの効いた柔らかな茶粥 
お出迎えの一品である。

 

八寸

にしんのすし にしん 聖護院かぶら 金時人参 白菜 米麹
生のにしんは塩漬け かぶらは塩麹 発酵を感じる
カワハギの昆布〆 カワハギ 肝醤油 大根
ほんのりと昆布のうま味がいい作用。
葉山葵お浸し

柔らかな辛味が心地よい。
海老ぬた 甘海老紹興酒漬け 谷田部ネギ 独活 茗荷 辛子味噌
香りと粘り ネギの役割も見事に調和する

 

小蓋物

蛤の春丘仕立て 蛤真丈 芹 うるいと金時人参の結び 菜種
春の訪れを感じさせれ一品。
蛤の風味に芹が良い効果をもたらす。

 

酢の物

山菜のジュレがけ 独活 セロリ ふき こごみ 木の芽ジュレ
視覚的にも香りも春である。
木の芽ジュレの味わいが全体を締める
このジュレが秀逸。
山菜の個性を見事に引き上げる。

 

焼き物

桜鱒の蕗味噌焼き 桜鱒 蕗味噌 小芋のあられ揚げ
桜鱒への味の含ませ方の塩梅が麗しい。
酢の物から焼き物へという流れも興味深い。

 

ご飯

鯖寿司
鯖 酢飯 ふき ごま
  梅酢飯 梅じそ 大葉
  柚子酢飯 白菜
福井の名物 鯖寿司をこのように3種のアレンジ
このアプローチが楽しい。

 

留椀

なまぐさ汁 大根 金時人参 牛蒡 白葱 生姜
これも郷土料理のアレンジ
若い感性がうみだした料理は心が躍る

 

水物

でっち羊羹
これも郷土名産の進化形

 

和食の仕事を守り
福井という土地柄を十分に意識し
そこに友本さんの感性がうまく入り込んだコースとなった。
これから福井に居を移し、現地のネットワークを広げるという。
これからが楽しみで期待の料理人である。

 

 

「私のダイニング」
大阪市北区曾根崎新地1丁目 堂島地下街 3号

 

 

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======協力:株式会社マイコンシェルジュ

投稿者 geode : 10:00