門上武司のおいしいコラム

2020年07月06日

ずっと記憶に残っている中国料理店
岐阜の「開化亭」という存在。

初代の古田さんは、現在東京・銀座で予約の取れない中国料理店として盛業中。
岐阜の店は長男が継いでいる。

久しぶりの訪問であった。
1階のカウンターや厨房の様子はほとんど変わっていない。

一皿目は
トリ貝、ウリ、ピータンのミルフィーユ仕立てに胡麻ソース。

重ね具合が美しい調和をもたらす。

二皿目は佛跳牆である。

乾物を仕込んだスープ。
ネーミングは、そのうまさにお坊さんが塀を飛び越えてでもやってくるというもの。
漢方のような香りが漂うが旨みも強く、元気を味わっている感じだ。

三皿目はビーフンキャビア。

名物である。キャビアの塩分とコクでビーフンが化ける。
ビーフンでないと味わえない食感である。
傑作だ。

四皿前は鮎の春巻き。

これもまたシグネチャーメニュー。
初めてこれを食べたのは10年以上も前のことだ。
鮎の塩焼きに匹敵する味わい。

五皿目はフカヒレのステーキ。

これも先駆けである。
上湯にアスパラガスの香りが染み入り、またオリジナリティが高まった。

六皿目は岩ガキの四川風。

四川の辛味2種と牡蠣の苦味はいいバランスで饗宴。

七皿目はわらで香りをつけた肉に黒トリュフ。

締めはガツンとインパクトあり。

八皿目は麻婆豆腐。

辛味は調整可能。

デザートは
凍頂烏龍茶のシャーベット。

杏仁豆腐。

初代の味をきちんと守りながら、2代目の個性が現れつつある。
また訪れるのが楽しみとなった。