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2021年04月27日

「Droit ドロワ」 京都・寺町荒神口・フランス料理

この日の「ドロワ」の料理には明確なテーマがあった。
「吉田牧場」×「サカエヤ」×「ドロワ」である。

吉田牧場で育てた牛を、「サカエヤ」の新保さんが手当てをして 「ドロワ」の森永シェフが料理に仕立てるというもの。

キッチンにはシェフのスケッチがあった。

思わずパチリ。このようなシェフのスケッチを見るのがすごく楽しい。
いまのようにデジタルカメラがなかった頃、料理は全て手書きのメモやスケッチで記録していた。
当時の記憶が蘇る。

カウンターにパンが一直線に並ぶ。

「ドロワ」の意味は直線というのがあるようだ。 この並びからもシェフの気合を感じる。

始まりは クロックムッシュ吉田

コダカというパルミジャーノタイプのチーズが使われる。
チーズのコクを味わう。

ブラウンスイス コンソメ

ブラウンスイスをふんだんに使う。
クリアでありながら口の中には吉田牧場の風景が広がるぐらいに余韻が長い。

いつものパン。

ブフキャロット(頬・尻尾)

黄金の干し草

これは忘れがたい一品となった。

プルンという感触に続く広がり。

口中の温度でどんどん香りと味が濃密になってゆく。凄みを感じる。

ホワイトアスパラガス フレッシュチーズとモリーユ茸のソース

アスパラガスの硬さは、フランスと異なる。
あの柔らかさは国民性の違いとしか言いようがない。
モリーユの香りは想像力を豊かにする。

アスパラの弾ける味との饗宴を楽しむ。

ブラウンスイス。

手当ては左がやや若い。 焼きは真剣勝負である。

煙と匂いに参加者が集まってくる。

蕎麦粉ガレット リコッタ・肝臓

のような料理に出会う喜びは格別の思いがよぎる。

まさに大地の恵みを味わうことになる。

骨に含まれる髄。

瑞々しい。 帆立貝ポワレ ソースクレームオザルク

海藻を使ったソースにもコクと香りがあり、帆立貝の甘味も際立つ。

心臓ロティ ソースレフォール

大きい心臓はブラウンスイスならではのサイズとか。

心臓と説明がなければわからない。
弾力のある歯ごたえも含め、印象深い。
サーロイン溶岩グリエ ソースボルドレーズ(骨髄)

うっとりである。

牛肉が持つポテンシャルを新保さんが素晴らしく引き出し、 それを無駄なく皿の上に盛り込む森永シェフの力量に感服である。

ソースの存在意義も改めて考える。

吉田牧場のチーズ各種

森永プリン

ホッとする。 森永シェフは吉田さんの育てた牛と吉田ファミリー、 そして新保さんの手当てに愛と情熱を持って今回の料理を仕上げた。

なんとも密度の濃い時間であった。

「Droit ドロワ」
京都市上京区東桜町49-1

075-256-0177

投稿者 geode : 02:15