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2018年02月02日
「柏屋 大阪千里山」 大阪・千里山・日本料理
「柏屋 千里山」が開店40周年を迎える。
この日は、その40周年記念の献立ではなく、
ご主人の松尾英明さんに自由に遊んでください、とリクエストをした内容である。
大学時代に茶の湯の世界に触れ、そこから料理の世界に足を踏み入れた人物だ。
専攻は理論物理学。かつて料理との接点を伺ったことがある。
じつは同じです、とのこと。
スタートから最終までの経路の詰め方が似ているとも。その道筋を探るのが興味あるところのようだ。
献立 大寒〜立春
先付
すっぽんの玉〆。
寒い季節に暖かな一品。生姜の香りも昇り、身体が温まる。
替 向春の幸(芽キャベツ 一寸豆)
雪が降ったところに飛び石のように盛り付けられる。
鴨煮こごり 緑の和芥子、サヨリ昆布〆 土筆 山葵、
浅利 分葱 辛子酢味噌、赤貝このわた添え 芹、
烏賊糸造り 青海苔 炒り玉。
このバリエーションは春の訪れを告げる。
煮物椀
蟹真蒸 胡麻麩 菊菜 紅白短冊 柚子。
蟹真蒸もさることながら、胡麻麩の存在感に感激だ。
造里
平目昆布〆 蟹味噌、本ミル貝 酒盗地、
ヨコワ 辛子醤油。
それぞれの野菜に添えられた調味料が秀逸であった。
八寸
稲荷寿司 水菜 〆鯖 松葉刺し
蕪蒸焼 白子 菜の花 山葵
才巻煮 鮑 うるい 椎茸 蕗の薹和え
この日の供し方は小皿であった。
この遊び心というかインパクトはさすがだ。
焼物
鹿ロース 大椎茸揚焼 たらの芽 実山椒ペースト
この実山椒ペーストの辛味が素敵な香りを運び、鹿を一段と成長させる。
箸休
のれそれ酒煮 つけ麺 針海苔 三つ葉 薄葛地
火入れしたのれそれは初体験。これがいけるのだ。
鉢物
淀大根、伊勢海老玉子焼、蕗、伊勢海老出汁老乳化地
海老の出汁と油の乳化、それと伊勢海老の相性の良さには驚き。
御飯
白魚御飯 叩き木の芽 蕗の薹辛煮 帆立伏見甘長時雨煮
汁
海苔汁
この視覚に訴える力強さに心が踊るのであった。
水物
苺 文旦 林檎ワイン煮
菓子
下萌
かさね
特製の羊羹
松尾さんの懐の深さをしっかり感じる宴となった。
「柏屋 大阪千里山」
吹田市千里山西2-5-18
06-6386-2234
投稿者 geode : 01:16