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2008年11月14日

「杉本家」 京都・新町四条・日本料理

「京のしつらい 心をつむぐおもてなし」というイベントが、
京都市の指定有形文化財である「杉本家」で開催されました。

杉本家は、「奈良屋」の屋号で京呉服を仕入れ
関東地区で販売する他国店持京商人として繁栄した家です。
その建物が京都市の指定を受けたわけです。
現当主の杉本秀太郎さんは仏文学者として名高い方。
また娘さんの杉本節子さんは料理研究家です。

その杉本家に「京都伝統工芸協議会」に属する人達の
作品が飾られるというイベントなのです。
陶磁器、金属工芸、色紙短冊、竹材、扇子団扇、木工芸、仏具、
表装、漆器工芸、象嵌などの作品が展示されていました。
それらをじっくり見学して、料理に移ります。

料理人は「木乃婦」の高橋拓児さん。

先付けは、松葉蟹・千枚漬け・いくら・菊花とあります。
松葉蟹を千枚漬けで巻き、柚子・すだち・カボスと
三種の酸味で味わうのです。
この酸味の違いが松葉蟹とじつによく合うのです。

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造りは、太刀魚 とろ あしらい一式。

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まあ脂ののった太刀魚の旨いこと。
きれいな脂が口に入れたとたんに流れ出し旨みに変わってゆきます。

吸物は、伊勢海老真丈 かぶら 柚子。

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柚子の香りがふっと漂ったと思えば、
続いて海老の濃厚な味わいが追いかけてきます。
しっかり強い椀物です。

からすみと大根がでました。

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和え物は 渋皮栗 銀杏 本占地です。

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栗の甘さを生かしながら和らげる白和えです。
気持ちが和むひと皿でした。

鍋物はふかひれ 生姜 胡麻豆腐。

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これは「木乃婦」の十八番です。
濃厚な胡麻豆腐が主役といっても過言ではありません。

ご飯は、牛ヒレ炭火焼に海老芋ご飯です。

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炭火で焼いたヒレ肉の香り。
そこに甘みのきいた海老芋ご飯、見事です。

水物は、
代白柿ゼリー アーモンドソルベ 
そこにレモンとタイムのエマルジョン(泡)ですね。

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水菓子は抹茶羊羹(ようかん) 汁粉です。
見た目も美しく抹茶の香りが濃い羊羹でした。

じつは、日本酒が、発泡酒に柚子を搾り香りを出したり、
栗の枝を熱燗に入れたり、また八角を数十秒つけ香りを移したり、、と
様々な趣向があったのでした。

これも高橋さんの発想で、それも楽しめた宴でした。

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杉本家 奈良屋
京都市下京区綾小路通新町西入ル矢田町116
075−344−5724

http://www.sugimotoke.or.jp/index.html

門上武司食研究所サイトに

10/10 付、
 ☆『海外通信』Paris 通信 Vol.13
      コルシカ
公開しました。↓

http://
www.kadokami.com/

その他、
 ☆「名店の賄い」
   第四回 「ショコラティエ なかたに」

 ☆『マスターソムリエ岡昌治の「心に残る今月の一本」
  Vol.7「Ch. Lagrange ’01 (シャトー・ラグランジュ)」

 ☆「京都・名酒館 主人 瀧本洋一の『旨酒』」
  Vol.4「野飲の醍醐味」

 ☆今月の「学会」レポート
  2008年4月度「第64回 パトゥ」

も公開中。↓

http://
www.kadokami.com/

投稿者 geode : 02:49