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2007年09月11日

「民宿さんなみ」Part 1     石川・能登     宿

僕にとって能登半島の「民宿さんなみ」は貴重な宿です。いま「ソトコト」という雑
誌で6年以上連載が続いている「スローフードな宿」のきっかけになった記念すべく
宿。

フォトジャーナリストの森枝卓士さんに「日本一の民宿」と教えられ、いつか行きた
いと思っていた宿。とある雑誌の取材ででかけ、一瞬にしてここが気に入ったので
す。それで一気に連載となりました。

今回は「あまから手帖」の編集部旅行。金沢の「みつ川」という寿司屋さんでにぎり
をしっかり食べ、能登半島へ。
8名の旅。女性5名、男性3名。

夕刻に到着。その前に「なごみ」という健康福祉の郷で露天風呂に入りました。公共
の施設ですが、露天風呂からは日本海を望みなかなか雄大な景色に心を奪われたほ
ど。

すっかりいい気分で、「さんなみ」に到着し、しばし休憩のあとすぐに食事です。

囲炉裏を囲む、スタイル。

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囲炉裏には、ナバラバチメ(メバルです)の塩焼きと海餅(かいべ)がセットされて
います。

造りは甘エビ、サザエ、カンパチ。

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甘エビのねっとりした甘さには驚き、カンパチのプリプリにも感動です。

もずくがきました。

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これは岩もずくといって、歯応えがしっかりで迫力あるもずく。

胡麻豆腐。

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これも結構濃厚、ねっとりタイプ。

黒造り

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イカの墨が入ったのを黒造りと呼ぶのです。塩辛のことは「赤造り」と呼ぶとのこ
と。

いしりの貝焼。

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なんといっても「いしり」が主役です。

いしり、とはイカの塩漬けからできる魚醤のことで、能登半島の郷土食を支えてきた
調味料です。じつはこの「いしり」を全国に広げたのがこの「さんなみ」さんなので
す。ここは二年熟成で一番絞りのみを使うので、ホントにまろやかでどこもとがった
ところのない「いしり」です。
それを薄めて、魚介類を煮るのです。微妙な塩分と旨みが魚介にいい味わいをもたら
すのです。

バチメの塩焼き。

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海餅

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これはオリジナルの料理です。コシヒカリにいしりを混ぜて炊き上げます。炊き上
がったところに塩漬けしたイカを細かく切ったものを入れます。それを餅状にして焼
き上げるのです。ご飯にイカの旨みと塩分が見事にマッチします。傑作です。

イカとおくらのあえもの。

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バイガイのいしり焼。

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ここにはバター、キノコ、タカノツメが入る。キノコの味、バターの旨みも加わり食
が進む献立ですな。

採れ立てのうに。

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バフンウニは、まだ生きたというか動いています。上品な甘さとコクです。

赤イカのさしみ。

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これはいしりの原液で食べるのです。

ナベラバチメ(メバル)のさしみ

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食後、ご主人・船下智宏さんと話をしていると、いかに能登半島を愛しておられる
かがよく伝わってきます。食べ物だけではなく、自然や歴史など知りたいこといっぱ
い。

その後露天風呂。
これが素晴らしい。日本海を眺めながら湯船に浸かる。なんと月が海面に反射して、
銀色に輝やいていたのです。まさにうっとり気分でした。

続きは、明日アップします。

郷土料理の宿 さんなみ
石川県鳳至郡能都町矢波27-26-3
0768-62-3000

投稿者 geode : 01:38