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2007年05月17日

「西洋厨房 いとう」   京都・古門前   フレンチ

京都の料理人が毎週日曜日の朝、大原で獲れる野菜を求めて朝市に集まってくる。
「なかひがし」の中東久雄さん「エヴァンタイユ」森谷之雄さんなど、ホント数多くの料理人が集まり、野菜を仕入れ、情報を交換する。その輪がだんだん広がり、朝市に向かう時間が早くなっているとのこと。

その朝市に通う一人が「西洋厨房 いとう」のオーナーシェフ・伊藤努さん。伊藤さんは京都の調理師専門学校で教師をつとめたのち独立し、古門前という祇園のはずれでビストロをオープンさせた。しかし、場所柄、ビストロという形態が、祇園の人々の心を打つには時間を要した。
そこで考えと店名を変え、どこか洋食の香りが漂う造りとメニューにした。

そこで威力を発揮したのが、メイン料理の前にでる野菜の一皿である。大原を中心に京都で獲れる野菜を十数種類使う。
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一つひとつ茹で時間も違えば、塩分濃度も異なる。オイルを入れた熱湯で茹でるものもある。それらを一皿に盛り込む。これほど素材の味わいが明確になった料理はあっただろうか。シンプルが故に違いが分かる。
野菜が持つ、甘み、苦味、渋み、青味、辛味、酸味などなどそれらが微妙に絡み合って、一皿のふくらみを増してゆくのである。

メインのシチューは近江牛のホホ肉・テール・タンなどが揃う。
このソースが見事。
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ドミグラスではなく野菜の旨みをたたえたソースなのだ。

そして締めはオムライス。これも一筋縄ではいかない。ご飯が、この日はリゾットであった。「オムライスはどちらのタイプにしますか。巻くタイプ、それとも切り分けるタイプ?」と伊藤さんから聞かれる。
切り分けるタイプを選択。
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ソースはニンジン。つまり、毎日手元にある材料で、オムライスは変化し続けるのです。これもここならではの醍醐味。

カウンター10席の楽しみ。伊藤さんとの会話から次なる喜びが生まれる。

西洋厨房 いとう
京都市東山区古門前通石橋町307
075-533-0500

投稿者 geode : 04:42