2007年05月06日

「イル ギオットーネ」   京都・東山   イタリア料理

5月の学会は、京都東山・八坂の塔そばのイタリアン「イル ギオットーネ」で開催。
シェフの笹島保弘さんは、いまノリにのっている料理人の一人である。
参加者は、「祇園さ々木」の佐々木浩さん、「いか里」の木村篤司さん、元「ジャン・ムーラン」の美木剛さん、「あやむ屋」の永沼巧さん、「トゥールモンド」の高山龍浩さんなど11名がそろった。
1020157.jpg

2階の個室で、料理は始まった。
「前菜5品、パスタ、リゾット、フォアグラ、メインとなっております」との説明がなされたのです。
一同「前菜、5品だって」と少し驚きの表情である。

↓アジのマリネに赤ピーマンのムース トマトのクーリー
1020138.jpg
アジのねっとりした味わいが見事。赤ピーマンの甘さも生きている。

↓うすいエンドウの温かいスフレにウニ
1020140.jpg
ウニの強烈な甘さに負けないエンドウのスフレ。これはしばし沈黙が続く。

↓鯛と白子のムース タケノコとワカメのスープ
1020142.jpg
出ました。タケノコにワカメ、笹島シェフの本領発揮のメニュー。
でもきちんとイタリアンなんですね。

↓アワビのコンフィ 春キャベツとエストラゴン風味
1020143.jpg
アワビはピーナッツオイルでコンフィ。だから軽やかだし、旨みの凝縮感は素晴らしい。
「これは和食でもいけるね」との声も・・。

ここで「メニューの変更です。前菜が6皿になりリゾットは消えました」と。

↓マグロとキャビア 土佐文旦とウイキョウ
1020144.jpg
これは話題集中。「マグロより白身」「キャビアは?」「文旦の酸味は?」などなど。
それに答えて笹島さんは「赤身の魚と酸味はイタリア人にとっては黄金の組み合わせなんです」と。そうか。「もっと広い視野でみないとね」と一同。

↓ホワイトアスパラガスの鰻巻き 烏骨鶏の卵
1020146.jpg
これも見事な逸品。かなり大きなアスパラと鰻の相性は驚くほど素敵であった。「これも和食にね・・」。

さて、ようやくパスタの登場。
↓赤座エビと黄ニラのパスタ。
1020147.jpg

↓最初に立派な赤座エビを見せられたので、
1020139.jpg
それがどかんと乗っているのかと思うと、ころころに切られていた。
「これはパスタを食べていただきたい料理ですので、あえてこのようにしました。もしカタチを見せるなら、そのまま焼いて出したほうがいいのでしょうが、みなさんはそのような料理は食べておられるはずですから」とシェフの意図。なるほど、なるほど・・。

フォアグラの料理。
1020149.jpg
これは新玉ねぎのプリン、表面はキャラメリゼ(よってパリッと甘い)。そこにフォアグラを乗せ、新玉ねぎのムースをかぶせる。この食感の差異、甘みの四重奏などなど、刺激的な逸品でした。

そしてメインはノルウェー産仔羊の炭火焼き にソーセージ
1020151.jpg
しっかりボリュームあり。炭の香りも漂い、サブのソーセージも歯を入れると肉汁充溢である。押さえはしっかりと、ですね。

デザートは↓イチゴのケーキと、
1020153.jpg
↓意外や意外のフランボワーズのムースをチョコレートでくるんだもの。
1020156.jpg
「笹島さんにしては珍しいですよね」「ええ、今日初めて作りました」とのやりとり。

この日初めてというメニューは結構あったようですが、料理を媒介にして、プロが言葉を交わす。
それぞれの立場の料理人。同じ素材を前にしても考えは驚くほど違う。また食べ手が日本人かイタリア人かによっても大きな差は生まれる。いろいろな角度からとらえることの多かった勉強会であった。

イル ギオットーネ
京都市東山区下河原通塔ノ前下ル八坂上町388-1
075-532-2550

投稿者 geode : 09:38