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2017年12月27日

「成生」 静岡・鷹匠・天ぷら


静岡に「成生」という天ぷら屋がある。主人は志村剛生という。
一昨年夏に出会って以来、ずっと通いつめている。

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ここ5年間で、もっとも感動した料理店である。
天ぷらという料理の概念が変わったと言っても過言ではない。

天ぷらとは「揚げる」ということだけなく、そこには「蒸す」「焼く」「余熱で火を入れる」などの仕事が潜んでいることを学んだのだ。



志村さんは、客がカウンターに座ってから食材の下ごしらえをする。
初めて食材に包丁を入れる。つまりその触感で、食材が持つ水分量や質を見極めるのである。

その感触からコロモの厚さ、油に入れる速度、時間などを考える。
つまり一品ずつすべて一からの調理となるのだ。



初めて訪れたときのアスパラガス。
一本を二つに切る。
穂先に近い部分は比較的サッと揚げる。香りが青々しく、サクッという食感。
根元に近いほうは、じっくり油の中に入り、揚げた後も余熱で火を入れる。
食感はとろっとしてかつ甘味があふれるのであった。
この差異に驚き、これまでの天ぷらに対する思いが一気に方向転換したのだ。



冬場の根菜類もまた秀逸であった。
蓮根も切り方からして違う。
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魚介類も同様、驚きの連続である。
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すると料理人の志村剛生さんに俄然興味が湧いてくる。



来年秋には、志村さんの料理人人生を描いた本を書き下ろすことになった。
というわけで、当分は「成生」に通い続けなくてはならない。



来年もよろしくお願いします。






「成生」
静岡市葵区鷹匠2-5-12 1F
054-273-0703

投稿者 geode : 10:16

2017年12月26日

「いふき」 京都・祇園・日本料理


祇園町南側 花見小路を東に入る。

「いふき」炭火焼きの名店である。

たしか先斗町から移転し6年が過ぎる。

スタッフも充実し、女将さんのサポートも見事。




まずは先付5種。
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タイラギ貝、北寄貝、剣先イカにウニ、車海老のカダイフ巻き、モロコ。

酒を呼ぶ味わい。






フグのたたき。
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これは白子の酒蒸しとポン酢でたべる。

適度な歯ごたえとかすかな香ばしさがテンションをあげる。




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ここでメインの焼きものを決める。




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造りは勝浦のマグロにシビマグロである。

辛味大根で食べるのもよし。脂分を辛味が包こむ。





白味噌仕立ての椀物。
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伊勢海老の味噌などをつかったしんじょうが出汁の中でほぐれてゆく。

そこにトリュフが香る。印象的な一品となった。





フグの白子の焼物。
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ここにはすっぽんのあんがかかる。
タケノコも入る。
熟成の百合根の甘味が秀逸であった。




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松葉ガニは焼きと蒸しを合わせ、そこの白子のピュレがかかる。

贅沢な味わいだが、これは少量でもインパクトあり。





短角牛のヒレ肉。
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すっきりした中にも滋味があふれる。





秋田の月輪熊。
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獣臭もまったくなく、ナチュラルな甘味あり。

下仁田ネギのピュレも生きる。




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特製生ハム。


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香り高い。





手打ちそば。
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締めはフグ雑炊。
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スルリと胃の腑に入ってゆく。





いちごと洋梨
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蜂蜜のジュレ。




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小豆とココナッツミルクのアイスクリームが入った冷たい最中。




非常にバランスの取れたコース仕立てになっていた。





「いふき」
京都市東山区四条花見小路南側四筋目東入ル六軒目
075-525-6665

投稿者 geode : 10:23

2017年12月25日

「カセント」 神戸・県庁前・イノベーション


訪れる度に興奮を覚える。

神戸の「カセント」。

4名の会食である。




可愛い物体が登場する。
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大根にカラスミ。
一口サイズが語るシェフの思いが弾ける。





有精卵のフランに百合根のスープ。
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そこに柚子のバターが加わり、香りとコクの一品が完成した。




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皮目のカリッと焼けた香ばしいパンにも魅せられる。





前菜盛合せ。
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アンチョビ、サバのマリネにスモーク、河内鴨の刺し身、
カワハギ、鯛などがずらりと並ぶ。

これはほぼ定番化しているが、気持ちがほっこりとしてくる。





河内鴨の血のソーセージ。
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うま味の凝縮感が半端ではない。





ハモンイベリコ。
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ねっとり感と甘味の合体に感じる。





旬の野菜のスペッシャリテ。
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野菜だけでここまで思いの深さを感じさせる料理が他にあっただろうか。




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あんこうは優しく火入れされ、輝きをみせる。





フランス産の鴨はクレソンとレフォールで。
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歯を入れたときの鉄分の味わいがちがう。





オジャ!
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まさに海鮮の醍醐味を味わう。





泉州のみかんのムース。
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香りも楽しめる。




新潟産洋なしのタルト。
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安納芋をつかったデザート。
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「カセント」で食事をすると静かだが、
総量の多いエネルギーを身体に蓄えたような気分になる。

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「カセント」
神戸市中央区中山手通4-16-14
078-272-6882

投稿者 geode : 10:34

2017年12月22日

「唐菜房 大元」 大阪・西天満・中国料理


久しぶりの「唐菜房 大元」。
2階の個室で10名の宴会である。

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国安さんの個性ある料理を楽しんだ。



スタートはブリ。
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もろみ味噌で和えられており、最初から迫力あるメニューとなった。
それも三切れ、かなりのボリュームである。なんとも攻めの気持ちを感じる。



次に登場したのが、アワビ焼売。
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焼売の上にアワビがちょこんと乗る。これは初体験である。
アワビに歯を入れると液体がほんのりこぼれる。



海鮮湯葉。
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海鮮を湯葉で包み揚げたもの。
サクッとした歯ざわりに海鮮の旨みが乗っかる。



熱々のフカヒレのスープ。
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中には鶏、豚肉、貝柱が入り、それぞれの味わいがしみる。
贅沢な感じがあり、身体も温まる。



ホタテのマレーシア風。
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スパイシーな香りが漂う。うまみの塊でコーティングされたような味わい。
それに負けないホタテの力。



ハタの蒸し物。
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これは中国料理の得意分野である。
中華特有の香辛料や醤の使い方が見事。
ハタの質の良さもハッキリわかる。



酢豚とリンゴ。
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これにはやられた。酢豚のイメージが変わる。
弾力ある歯ごたえから豚の脂分が滲み出る。
それをうっすら囲むタレの酸味と甘味が仕事をする。



アワビの炒飯は、まるでリゾットのようだ。
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トリュフの香りも漂い、締めの一品としての風格あり。



最後はマンゴアイス。
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ダイナミックなコースであり、テーブルを囲んだメンバーも大満足の様子であった。






「唐菜房 大元」
大阪市北区西天満4丁目5-4
06-6361-8882

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2017年12月21日

「八楽」 京都・下河原・中国料理


昨日の「齋華」も京都の中華料理店だが、今日の「八楽」はまったく趣の異なる中華である。
まさに京風中華なのだ。
京風中華とはニンニクやスパイスを極力控え、スープにも昆布出汁を使うかなりあっさり味の中華料理のこと。
この「八楽」もその一軒で、店主は祇園の「盛京亭」で長く修業をした料理人である。
よって祇園街の人々がどのような中華料理を好むのかを熟知している。

この日はカウンター10席にずらりと並んでの食事。
コース仕立てである。
前菜の盛合せ。
細切り野菜、蒸し鶏、チャーシュー。
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この細切り野菜が好物だ。野菜から生まれる滋味をたっぷり感じる。



フカヒレのスープ。
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蛋白を巧みにつかいながらの一品。



唐揚げ。
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サクッとした味わいは皮の香ばしさに鶏のうま味が炸裂。



牛肉と野菜の炒め物はレスタで巻く。
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しっかりした味付けと牛肉の味わいがレタスを呼ぶ。



春巻き。
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皮はサクッと、中はあんのきいた野菜などが入る。
熱々の加減もいい感じだ。



カニ玉は塩味。
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塩によってカニと玉子の輪郭がはっきりする。



酢豚。
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これも懐かしい味わい。
黒酢とはまったく異なるやや甘酸っぱい味わいが郷愁を誘う。



炒飯。
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これは京風中華の極めつけで、常連の中には「お茶かけて!」とお茶漬けにする人もいるぐらいのあっさりとした仕上げ。



最後は豆乳プリン。黒蜜がかかる。
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京風中華の醍醐味を満喫したのであった。






「八楽」
京都市東山区下河原通八坂鳥居前下ル2丁目上弁天町428-5
075-541-5898

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2017年12月20日

「齋華」 京都・泉涌寺・中国料理


久しぶりの「齋華」である。
夕方6時にはすっかり暗く、ぽつりと「齋華」の灯りだけが点る。

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このロケーションでも満席が続く。
カウンターは吹き抜け、外の景色が一望可能。その空間演出も見事だ。



ブリのカルパッチョから始まる。
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寒ブリにウニと生クラゲ。
かかったナッツの香ばしさと食感も、この料理の大事なファクターとなる。
ウニがまろやかさを供するのだ。
最初からインパクトあり。



金華豚のチャーシューに黒トリュフ。
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チャーシューは蜂蜜で味わいを甘くし、それと豚の脂分とトリュフの香りが濃密かつエロティックだ。
これを小麦粉で作ったまん丸の皮で巻いて食べる。



松葉カニと大根のスープ。
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これは清湯(ちんたん)がベース。
これを挽肉と水で炊くとなんともクリアなスープが出来上がる。
そこに大根の甘味、松葉カニのコクが溶け込み、味わいに深みを与えてくれる。
身体もしっかり温まり、気分がどんどん高揚してくる。



上海蟹の紹興酒漬け。
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約2週間、紹興酒に浸けられた上海蟹の味はこの季節の贈り物である。
味噌のコク、身のうま味など食べるのは結構苦労するのだが、こちらも覚悟で食べる。



そこに焼き立ての餃子が届く。
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味噌と紹興酒を含んだタレにつける。
これで餃子が驚くほど変わる。
齋藤さんの技に感服である。



牡蠣はサッと湯通しされ、カブラと合わせカラスミを振る。
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このバランスの良さ。自家製カラスミの塩分濃度が見事だ。
牡蠣の食べ方としてカブラとの合わせもうれしい。



フカヒレのあんかけ丼。じつはここに上海蟹の雄の白子がはいる。
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それで味わいに輪郭がしっかり現れ、ごはんとの相性がすこぶるよくなるのだ。



名物あわび麺。
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あわびの肝ソースで和える。この麺だけは外せないというお客さんも多い。
肝ソースの力がこれほど効果的かと思える一品。



牛肉の味噌炒め。
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味噌の味に負けない牛肉の力量に感動。
一つは中華パンに挟むと、絶好の味わいとなる。



塩ラーメンは具材なしのシンプルそのもの。
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清湯の威力発揮の麺である。



杏仁豆腐で締める。
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ほぼ攻めの料理が続く。
このスタイルが当分続くのだろう。
齋藤さんの世界が確立されている。また次への期待が高まる料理であった。






「齋華」
京都市東山区泉涌寺山内町35-3
075-201-3239

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2017年12月19日

「グリルフレンチ」 京都・御池小川上る・洋食


洋食が好きだ。
白いごはんとの相性を考えぬかれた献立。
ナイフ・フォークもいいが、箸で食べる洋食がいい。
京都の「グリルフレンチ」。
一階が個室で二階がカンターとテーブル席。
この日は、二階のカウンターとなった。

前菜の盛合せがでる。
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サーモンマリネが秀逸である。
火入れに酸味とのバランスなど、いつもは単品で頼んでしまう。



カブラのポタージュ。
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この季節の野菜をつかったスープ。
カブラの香りがいふんわりと漂い、それが滋味の甘味を醸す。
身体があたたまる一品。



サラダ。
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牡蠣フライは、しっかり身のプリッと感を味わう。
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海のミルクとは、うまい表現をしたものだと感じる。
カクテルソースとの相性も素敵だ。
これも老舗洋食屋の仕事である。



カニクリームコロッケ。
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これがカニクリームコロッケの基準となっている。
ネットリからとろり。蟹の果肉がたっぷり。
それを優しくクリームが包み込む。
毎回、アラカルトで注文するアイテムだ。



締めのプリンは、ザ・プリンである。
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生地とカラメルの香ばしさなど、懐かしいのだがやはり新たな世界が広がる。



王道なので、いつ食べても安心する。
それがリピートする原因だろう。






「グリルフレンチ」
京都市中京区小川通御池上ル下古城町377
075-213-5350

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2017年12月18日

「Gosh」 北海道・美瑛・コーヒー専門店

「Gosh」は、僕にとって貴重なコーヒー店である。
知り合ってからは10年以上の歳月が流れるが、数年前にシナールマンデリンというマンデリンを飲んでから、マンデリンの印象が大きく変わったぐらいのインパクトがあった。
今年は、「Gosh」が作ってくれたkadokami blendを「あまから手帖」の特別企画で販売することができ、多くの皆様に飲んでいただき感謝しています。

その「Gosh」が作ったシュトーレン。
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シュトーレンは、12月に入ると少しずつ薄くカットし、小麦粉の味わいとフルーツの風味を楽しむお菓子である。
それが時間の経過とフルーツの味わいと生地の様子が次第に変化してゆく。



中には洋梨、胡桃、アンゼリカ、イチジク、アーモンドなどが入る。
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それぞれの食感と味わいが微妙に変わってゆくさま。
この季節ならではの愉しみである。
じつは、どのぐらいの厚さに切るのが最適なのか。
これはいろいろ試してみる必要がありそうだ。



このシュトーレンには、やはり深煎りのコーヒーがよく合う。






「Gosh」
北海道上川郡美瑛町美馬牛北3丁目4-21
0166-95-2052

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2017年12月15日

「香山」 大阪・靭本町・中華料理


男性5名の会食。
靱本町にある中国料理「香山」。
麻婆豆腐の話題で盛り上がる。

突き出しのピリ辛カシューナッツ。
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辛みの具合がよく、「これは旨い」との声。



前菜盛合せ。
牛頬肉、白菜のマスタード浸け、里芋、紅芯大根、いんげん豆、鴨肉、クラゲなど。
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中国料理の代表的な前菜が揃う。



この季節ならではの上海蟹の紹興酒浸け。
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これは味噌のうま味が堪らない。



フカヒレの白湯煮込み。
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コクが生まれる。
とろみとあまみの世界。



あこうの蒸し物。
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これは贅沢な魚料理。
上からかけられたしょう油と油がうま味を倍加する。



オマール海老に上海蟹の味噌がまざりアヒルの塩卵が加わる。
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味噌と塩卵のコクがすばらしいアクセントとなる。



ヒレ肉を使った黒酢の酢豚。
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このシンプルなスタイルは、豚ヒレ肉を一気に盛り上げる。
豚はカリッと揚げてあるので、その香ばしさも特徴。
独特の酸味も見事。



麻婆豆腐の登場。
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かなり四川山椒のきいた辛みが全面に出てくる。
白いごはんと合わせて本領発揮だ。



杏仁豆腐につばめの巣、干しいちじく、ラ・フランスのコンポート。
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締めのデザートまで満足の連続であった。






「香山」
阪市西区靱本町1-13-7 信濃橋大新ビル 1F
06-6447-6687

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2017年12月14日

「メゾン タテル ヨシノ」 大阪・北新地・フランス料理


大阪の北新地・ANAクラウンプラザホテル大阪。
昨秋オープンし一年を迎える「メゾン タテル ヨシノ」は今年度のミシュランで一つ星を獲得。
吉野建さんが自ら厨房で采配をふるう。
吉野さんは、フランスで「タイユヴァン」などで働き自店をオープンし、現地でミシュランの一つ星を獲得した先駆者である。
じつは、渡仏前に東京にあった「光亭」というレストランでシェフをされていたときに、吉野さんの骨太の料理を食べた記憶が蘇ってきた。
パリの「タイユヴァン」で食事をしたことも思い出である。

久しぶりにご本人の料理を食べる。
アミューズ・ブーシュはお得意のボルシチである。
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これは分解・再構築のスタイル。ボルシチの要素を新たに組み合わすことで完成させた。
ビーツのソルベに牛のコンソメのジュレなどが入る。冷製だが、印象はボルシチだ。


パンは3種類用意される。
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セイコ蟹のゼリー寄せ カリフラワーのクレームとと共に。
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この季節の賜物・セイコ蟹の身を生かす。中にはラタトィユが入る。
優しい味わいだが、インパクトあり。日本海の風景が想起される一品。



軽くスモークしたサーモンミキュイ 「ステラマリス風」
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これはシェフのスペッシャリテ。「ステラマリス」時代の輝かしい一皿。
このサーモンの火入れと温度、そこからくるねっとりとした食感など、まさに吉野ワールド全開である。



ジビエのトゥールト。
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これも得意技である。コルベーユ、エゾジカ、キジとフォアグラをパイ包み焼きにする。
ソースもそれらのジュを煮詰めて作る。
重厚な料理だが、やはり現代のかるみをきちんと備えている。
この安定感が安心感につながる。



デザートも同様。
シュルプリーズ装い新たに
青りんご キャラメルクリームチーズのアンサンブル。
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美しい飴細工を割ると中からキャラメルの濃厚な味わいが流れ出す。
気持ちがふっと緩む。



コーヒーと小菓子。
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次回、吉野さんが来られるときに仲間を連れて再訪と話し帰路についた。






「メゾン タテル ヨシノ」
大阪市北区堂島浜1-3-1 ANAクラウンプラザホテル大阪
06-6347-1128

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2017年12月13日

「くいしんぼー山中」 京都・桂・ステーキ


京都というか、日本でも有数のステーキ店「くいしんぼー山中」。
このカレーは、お取り寄せの常連である。
なんといっても牛肉の使用量が半端ではない。

そのエキスをたっぷり吸い込んだカレーソースに、近江牛がどさりと入る。
これは欧風カレーのキングともいえる存在だ。

これが冷蔵庫にあるというだけで、気持ちが落ち着く。

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一皿の中に様々な要素が入る。
精米され、土鍋で炊かれた米は艶やかな光を放つ。
それを一気に覆い尽くすような茶褐色のどろりとした液体。
その液体の中には、近江で3年以上じっくり育て上げられた牛の塊がごろりと横たわる。

まずは液体だけを口に含む。香辛料が放つ香りの複雑さ。
南国の熱い風と熱気に包み込まれた汗ばむ光景が生み出すトロピカルな香りと辛みを放つ刺激が一体となって、口の中が一気に南国への旅立ちとなる。

続いて牛の塊に歯が入ると、そこからあふれるエキスによって旅は、イギリスへと移る。
液体が牛肉を食べるソースなのかという思いが強くなる。
そして白い米を食べると、初めて明治以降、イギリスからからやってきたカレーが我が国でこのような進化を遂げたのかと実感するのであった。



そんな空想を抱かせるような力が「くいしんぼー山中」のカレーにはある。






「くいしんぼー山中」
京都市西京区御陵溝浦町26-26
075-392-3745

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2017年12月12日

「ヴィラ・アイーダ」 和歌山・岩出・イタリア料理


冬の訪れ
「呼吸」
私たちは季節の移ろいを身に受ける幸せの中で暮らし、旬の素材は自然と身体が求めるようになっていて、丁寧な食事は身体を健康にします。
「風土と共に生きるということ」
自家農園の野菜を中心に近隣の魚介、家禽を合わせ
日本の伝統を大切にしながらも、旅をして得た経験や味覚を取り入れ
自然で食べて健康になる料理をご用意しました。

師走の初旬、訪れた「ヴィラ・アイーダ」のメニューに記された小林シェフの言葉である。
自家農園の野菜ということが大きな意味を持つ。
野菜は、発芽したところから枯れて朽ちるまでの状態、あらゆる段階で素材を知ることができる。
これは料理人にとってかけがえのない体験である。そこから発想が広がる。
この地でしかできない料理が生まれる。
それを味わうことの楽しさと大切さをひしひしと感じる一軒なのだ。

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黒米のクッション 庭先のオリーブ
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黒米はスキッと香りも高い。



ドライトマトなど
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次第に小林シェフの世界に入り込んでゆく。



フェンネルとアオリイカ
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この組み合わせには正直唸った。
フェンネルを噛むごとにイカの甘味がひろがりをみせ、また酸味との出会いが笑みを運ぶのであった。



かぶら 足赤海老 オゼイユ
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皿は熱く、オゼイユの酸味がかぶらの味わいを深める。



自家製のパンの香りも見事
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人参とフラワー
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人参のソースと根菜類のマッチングに驚き感動を呼ぶ。
このソースとパンの相性の良さ。



ひよどりのラビオリ ゆり根 むかご
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このラビオリには舌を巻くほどであった。
ひよどりの内蔵も含めた濃密な口当たりに蓮根、サツマイモなどが加わる。
とくにサツマイモの熱く柔らかな食感が生み出すミラクルにこの一皿の価値が高まる。



カリフラワー 鰆 白菜
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カリフラワーの食感が鰆に与える力が強い。



いのしし 菊芋 ラディッキオ
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いのししの質の良さをストレートに感じ、また菊芋の適度な固さを保ちながらもうま味を供する技術の高さを感じる。



フェンネルとレモン
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ブランマンジェにレモンのソース。



富有柿とみかん キャラメル アングレーズソース
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この合わせもうれしい。



エスプレッソとミニャルディーズ。
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どこまでもきっちり作りこんである。



厨房には最新機器はほとんどなし。
ただシェフの技術とセンスの確かさを満喫できる。また春には再訪したい。






「ヴィラ・アイーダ」
和歌山県岩出市川尻71-5
0736-63-2227

投稿者 geode : 10:13

2017年12月11日

「タンポポ」 大阪・北新地・鉄板焼き


今年堂島から北新地に移転した「タンポポ」。
今回はビルの6階、以前の地下より相当に雰囲気は変わった。
カウンターとテーブル、そして個室まで用意されている。

この日は、カウンターに座る。
カウンターの醍醐味は、味わいだけでなく、カウンター内で働く姿が見えることである。

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そこでの動きもかなり印象に与える効果は高い。
新たな「タンポポ」はカウンター空間も広くなり、よりカウンターの醍醐味を味わえるようになった。
12月も半ばにかかる。戸外はかなりの寒さである。


そういったとき、最初に何を供するかで食べる側の印象はかなりちがう。
この日は、温かいスープが出た。
少量だが、ブイヤベースである。
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これで身体にも暖が入り込み、気持ちもゆったりとするのだ。これはうれしい。



カリッと焼いた豚バラ肉アスパラガスのサラダ仕立て。
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豚バラ肉は余分な脂をしっかり落とし、カリッとした食感を残す。
そのカリッと具合とアスパラガスのマッチングがいい。
卵をつぶすとそれがソース代わりとなる。



とろろ焼きは、納豆とねぎ。
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すりおろした山芋に納豆とねぎを混ぜ込む。
ふんわりとした食感としょう油が合うのは、まさに和の世界である。



今回の鉄板には、鉄以外に銅版が加わる。
熱の伝導率がことなるのでオムレツやクレープなどが容易にやける。
ゴルゴンゾーラ入りのオムレツには、チーズのコクや酸味などがプラスされ、ねっとり感もうまれる。
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福井県の作家に発注した木べらも大活躍。
「陶器には金属のナイフやフォークは合わないとおもいました」と。



お好み焼きはブタとイカのミックス。
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ふんわりしながらも口当たりはインパクトあり。
豚の脂分がしっかり生地も溶け込んでいる。



締めの焼きそばはカリッと焼けた香ばしさと、海苔の香りがうまくマッチングしているのだ。
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麺も粉の味わいをきちんと感じさせる。
自家製のがりもいいアクセントなる。



新しくなった「タンポポ」は快適な空間と料理もパワーアップしたのだ。






「タンポポ」
大阪市北区曽根崎新地1-10-16 永楽ビル6F
06-6344-2888

投稿者 geode : 10:36

2017年12月 6日

「まんてん」 大阪・谷町9丁目・焼肉


関西焼肉の女王・いかりんに教えてもらった谷町9丁目の「まんてん」という焼肉店。

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体躯の大きな男性が14名集合。二つのテーブルとカウンターに分かれ、忘年会は始まったのである。
基本は宮崎の牛だが、一部なんと但馬玄(たじまぐろ)が入る。



スタートはモモと肝をローストビーフ状態で提供された。
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このモモのローストビーフを口に含んだ瞬間、気持ちが綻ぶのが分かった。
しなやかで舌がしっかり寄り添うのであった。



出来たてのもやしのナムル。
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生温かいナムルの実力を感じる。



タンは厚切りと薄切り。
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薄切りが但馬玄である。
粘りのある味わいに舌が喜ぶ。



つづくラムシンも但馬玄。
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さっぱりしながらも味わいが複雑。
歯が入るごとに液体がこぼれる。

じつは焼き方にも大きく左右されると感じる。



上ロースとミスジ。
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これは上品かつインパクトがあり脂から滲み出るうま味がきれいだ。



幻のハラミである。
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これは味が濃密というかなにしろ濃いのだ。



ホイル焼きは但馬玄のホルモン。
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ここにキノコが加わる。



となりでクリと呼ばれるバラに近い部位を焼く。
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これをホイルの中に入れすき焼き状態となる。
贅沢だが、その値打ちありの一品だ。



ホルモンは下からコリコリ、赤セン、ミノ、テッチャンである。
このホルモンの焼き方を学ぶことになった。
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トウガラシ。
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さっぱりとした色気だ。



ザブトン。
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かなり脂の乗り切った状態。



ゲタカルビ。
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これも脂が上質だ。



ウルテの食感が焼きによってこれほど変わるとは。
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感動である。



テールスープラーメン。
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これがしっかりとしたスープの勝利である。



若き夫婦のスタイルがじつに微笑ましく、またときおり現れる子供二人の存在も花を添えてくれるのだ。
やはり食は、人間の力だとまた感じたのである。
再訪を誓った。






「まんてん」
大阪市中央区谷町9-4-5 新谷町ビル 1F
06-4392-7373

投稿者 geode : 10:44

2017年12月 5日

「点邑」 京都・麩屋町三条・天ぷら


京都でも数少ない天ぷら専門店「点邑」。
移転してしばらく経つ。すっかり今の場所に馴染んだ感じである。

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天ぷらは、関東のモノという認識が一般的ではあるが、関西それも京都ならではのスタイルが存在するのだ。
一つは、京都の食材を使うこと。また料理をうまく挟み込むことで独自性が生まれるのだ。
「点邑」の小林さんは、つねに次のことを考えながら天ぷらを揚げている。



この日は昼食であった。
まずは先付が出る。
海老の素揚げにふぐである。
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素揚げは酸味がきいていて食欲をかるく刺激してくれる。
ふぐもぽん酢の酸味が心地よい。



つづく前菜は温かいというよりかなり熱い。
身体があたたまるのだ。
冬の野菜にうずらの卵、くずで留めたあんの柔らかな味わい。
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卵を崩すと、少しコクが生まれる。



メインの天丼。
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これは揚げた食材を一つひとつ丼つゆにくぐらせ、丼にのせる。
天丼のスタイルもいろいろだが、これは食材の味わいが明確になる。
途中でどんつゆを少しかけるとまた、味の拡がりを感じる。
天ぷらの揚げ具合と同時に、白いご飯との相性がかなりのポイントというのがよく分かる。



洋梨のコンポートで締める。
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昼から優雅な気分を味わうことができた。






「点邑」
京都市中京区麩屋町三条上ル下白山町299
075-212-7778

投稿者 geode : 10:11

2017年12月 4日

「GYOZA8」 京都・祇園・餃子


12月1日、祇園に餃子専門店がオープンした。

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「一之船入」「魏飯夷堂」を率いる魏さんの新形態である。
5坪の店内は、まさにバルスタイル。
餃子のバラエティは豊かだ。
焼き餃子にはニンニクが入らない。これはエリア的なことを考慮しての組み立てであろう。



オレンジ餃子や海老餃子など選択肢が多いのも特徴である。
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この日は、焼き餃子、しょうが餃子、トリュフ餃子を頼んだ。



トリュフ餃子は茹で餃子だ。
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これは「魏飯夷堂」の名物・トリュフ小籠包を彷彿させる味わい。
口に含むとトリュフの香りと味が混合、そこにスープが加わりまさに小籠包の再現である。
包み方も楽しく、口の中での解け方もいい。



しょうが餃子は、あんに甘酸っぱい生姜が入る。
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歯を入れるとその甘酢っぱさが拡がり、一気に印象が変わる。この変化が楽しい。



最後は餃子。
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シンプルでスッキリとした味わい。このさっぱりした味わいが魅力。
この3種類、あっという間に胃袋に消えていった。



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なんと朝は7時から10時まで朝粥を供するという。その後は夜10時まで餃子の展開である。
祇園に新たな風が吹き始めた。






「GYOZA8」
京都市東山区大和大路四条下ル大和町16
075-585-5390

投稿者 geode : 10:29

2017年12月 1日

「フロリレージュ」 東京・神宮前・フランス料理


今年度版のミシュランガイドで二つ星を獲得した「フロリレージュ」。
「アジアベストレストラン50・2017」では14位となった。
川出寛康さんは、勢いのある料理人です。

レストランはビルの地下だが、天井高が結構あり、一旦席につくと地下であることを意識させない。
大きなコの字型のカウンター。中でスタッフが動く。

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その姿がじつに微笑ましい。活気があるのだ。
シェフも見事にその一人として動いているのが分かる。その雰囲気を味わうだけでも値打ちがあると思った。
見ていて伸びやかさがあるのだ。



スタートは焼き芋である。
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まさに焼き芋。小枝に刺された芋が出てくる。
一気に子供の頃、近くの空き地で焚き火をした記憶が蘇ってくる。
そして川手さんの世界に魅せられてゆくのだ。



イワシのフィレ。
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玉ねぎのアイスクリームなどで演出。
演出と書いたが、いかにディレクションするかで印象が大きく異る。
アイスクリームが体温で溶けてゆく。
まだまだ序章であると思う。



パンは熱さを保ち、弾力がある。
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酒粕の蒸しパン。ふんわり酒粕の香りを感じる。



カブのババロア。
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この形と色合が美しく、視覚に訴える力が強い。
それ以上にカブのホロ苦、甘味が口で柔らかくなってゆくさまに驚く。



しいたけのフラン。
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原木しいたけが持つ濃密な味の塊。
トリュフの香りが加わり、まさに森のイメージが形成される。



経産牛のカルパッチョ。
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これは川手シェフの哲学である。
黒毛和牛の経産牛の行く末、フードロスなどを考えた結果の賜物。
わらの香りを纏ったジャガイモなどの効果もあり。



カキにはレモンのメレンゲやおかひじきなどを添える。
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酸味、苦味、うま味、甘味、塩味という五味がうまい具合に構成される。



サーモンには卵黄のソース。
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この卵黄を潰しながら味の変化を楽しむ。
食の在り方を考える哲学と、シェフとしての遊び心がうまいバランスで皿の中、コースの組み立てに反映される。



このホロホロ鳥の焼き色を見ただけで胃袋が反応する。
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中にはもち米、九条ねぎなどがつまり、ホロホロ鳥のジュがもち米に移り、またねぎの香りも加わり、ホロホロ鳥が別物のような味へと変わる。



和歌山のみかんを使ったデザート。
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さっぱりすっきり。



熱々の鉄の器。
フロマージュ・ブランとごま油。
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岩手のフロマージュ・ブランである。熱さで固さが変化し香りも立ち昇る。



締めはチョコレートのオムレツ。
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これもシェフのスペッシャリテ。
堪能した。



ミニャルディーズ。
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エスプレッソでエンディング。
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川手シェフの世界にどっぷり浸かる。
とても心地のよい空間と時間であった。






「フロリレージュ」
東京都渋谷区神宮前2-5-4 SEIZAN外苑 B1
03-6440-0878

投稿者 geode : 10:13