« 2017年4月 | メイン | 2017年6月 »

2017年5月31日

「アニエルドール」 大阪・西本町・フランス料理


この5月17日にリニューアルした「アニエルドール」。
まったくイメージが変わった。

17053164.jpg

カジュアルな雰囲気からレストラン然としたインテリアとなった。
まさに別のレストランに足を踏み入れた感じである。



料理も変わったのだ。
フランス料理と書いたが、じつはもう「アニエルドール」藤田晃成さんの料理となったいる。料理の世界は越境が主たる流れになりつつある。そういった流れの中で、いかに自分の世界を表現するか。個人の世界観を打ち出すタイプも入れば、あえて古典に回帰する人もいる。その個性を楽しむのが料理を食べる喜びでもあるのだ。

メニューには素材名だけが記されていた。

鰹 蕎麦 茶
17053125.jpg

17053127.jpg

鰹節・鰹タルタル・シャルドネビネガーでレデュクション。
そば茶・ソバの芽・そばの実フリット
抹茶のタルトレット・さばみどり碾茶・やぶきた抹茶
鰹節の香りが印象的で、和の世界観を感じる。



トウモロコシ 豚 雲丹

ババロア:生コーン・豚トロのデ・ポップコーンパウダー・雲丹・菊花・生ハムコンソメジュレ
17053130.jpg



チチャロ:ヤングコーンのスライス・生ハムパトネ・トウモロコシのピュレ
17053131.jpg



ブーダンノワールのシュー:トウモロコシのピューレ・ラルド
17053132.jpg



鰻 茄子 ミョウガ 米
17053136.jpg

ペドロ・ヒメネスで煮込んだ鰻・茄子の煮びたし・ミョウガのピクルス・鰻の肝ひも
焼きナスフラン・鰻の肝・生のミョウガ
ワイルドライスのフリット



海老 鶏 レタス マスタード
17053140.jpg

サッとミキュイ・海老パウダー
鶏節・軟骨の海老のパンケーキ(たこ焼き風)
シュクリーヌのカット・シュクリーヌの葉
紫マスタードのドロソース・タスマニアマスタード



牛 牡蠣 海藻 セリ
17053144.jpg

昆布締めした和牛のスライス・牛テールの煮込み・コンソメスープ
牡蠣・ミ・キュイで生暖かく
モズクの乾燥・海ブドウ・海苔のピュレ・地のり
セルフィーユ・セロリ・セリとエシャロット
オイスターソース



鮎 エゴマ 発酵乳
17053146.jpg

サッと炙って・鮎のリエット
エゴマオイル
バターを作る際にクリームを分離した後に残る液
胡瓜・白瓜・冬瓜・ズッキーニ・鮎魚醤のマリネ



魚 鮑 白アスパラ クレソン
17053151.jpg

ポワレ・タプナードソース
生をサッと炙ったもの・肝のメレンゲ・ケッパーの乾燥パウダー
ロースト



鳩 豆 レモン
17053155.jpg

ラカン産鳩のロースト・もも肉・コンフィーにしてからお豆の生地でアメリカンドック
レモンコンフィであえてある緑のお豆たち



トマト ディル クレームダンジュ
17053157.jpg

あいこトマトのはちみつとエルダーフラワーでコンポート・トマトのクリアジュレ
ディルのオイルと花・ディルの新芽
メレンゲのクロッカン・リコッタチーズのパウダーアイス



薔薇 チェリー ショコラ
17053160.jpg

グリオットのソルベ
バラのジャムでフレッシュグリオットのマリネ
マルキーズショコラ・クランブル・バラのパルフェとバラのセック・バラとイチゴのパウダー



小菓子
17053161.jpg



ローズマリーのケーキ
17053162.jpg

ホワイトチョコレートでコーティングしたシトロンクリーム



別紙で素材とレシピの一部をいただく。
和のテイストも含み、新たな藤田さんの世界が始まった感じである。






「アニエルドール」
大阪市西区西本町2-4-4
06-4981-1974

投稿者 geode : 10:09

2017年5月30日

「徳山鮓」 滋賀・余呉・日本料理


北海道や九州から余呉の「徳山鮓」に大集合。
食いしん坊の集団である。

17053023.jpg

「徳山鮓」ここを開店した当初は、なれずしが主であったが、その後いろいろな人達とも交流を重ねることで、どんどん料理が変化し、進化具合は見事なものである。
祇園の「川上」で修業を積んだお嬢さんも戻り、チームワークの良さも素晴らしいのだ。



中央にビワマスの卵、コシアブラ、スッポンのにこごり、鮒すしの天ぷらなど。
17053084.jpg

「徳山鮓」の得意技の披露だ。



鯖のなれずしに吉田牧場のカチョカバロ。山椒オイルがかかる。
17053086.jpg

いまや定番となった人気メニュー。



鮒の子まぶし。これは旨いに決まっている。
17053088.jpg



ビワマスと鰻のおとし。
17053089.jpg

この鰻が秀逸。余分な脂は抜け、うま味と香りだけが生きる。



続くは天然鰻の蒲焼きに花山椒。
17053091.jpg

これが美しくも妙なる出会いだ。



この季節ならでは、山菜の天ぷら。
17053092.jpg

コゴミ、タラの芽、ウドなど勢揃い。
苦味と青みのフルオーケストラに、舌が踊る。



大きな皿にはイノシシのハム、熊のサラミ、熊ハムなど。
17053096.jpg

それぞれに香りが異なり、口の中でジュが交じるとなんだか嬉しさがこみ上げてくるのだ。



徳山さんがイノシシの足を持ち出す。
17053097.jpg



すっぽん焼きのソースは肝いり。
17053000.jpg

うま味の凝縮体である。



メインとも呼ぶべき熊。
17053003.jpg

この脂の面積には驚嘆であった。



たっぷりの花山椒との鍋。
17053006.jpg

この時期がギリギリで、それを目指して訪れる逸品だ。
すっぽんの出汁を使ったという、贅沢である。



鮒寿司に蜂蜜。
発酵カラスミ。
17053008.jpg

これは酒のアテ以外なにものでもない。



締めの雑炊、これが楽しみである。
17053010.jpg

17053013.jpg



食後のテーブルには、またまた酒のアテが登場。
17053015.jpg



そして鮒寿司のチーズケーキで終了。
17053016.jpg

これもまたオリジナリティあふれるスイーツ。



翌朝は氷魚の鍋で目を覚ます。
17053017.jpg



清楚な徳山鮓の朝ごはん。
17053019.jpg




身体が浄化されてゆく感じである。
確かに身体が喜んでいる。






「徳山鮓」
長浜市余呉町川並1408
0749-86-4045

投稿者 geode : 10:05

2017年5月29日

「エニェ」 大阪・堺筋本町・スペイン料理


やっと訪れることができたレストラン。
堺筋本町のスペイン料理「エニェ」。
海外でも修業を重ね、中之島の「ドノスティア」のシェフを勤め独立を果たしたオーナーシェフの砂田裕智さん。
カウンターと個室があるが、この日は個室となった。



スタートは
透明なポテトチップス。
17052990.jpg

すけて通るようなスタイル。
口の中でふっと消えてゆき、味わいだけが残る。



続いてブラックオリーブのパンケーキ キャビア添え。
17052992.jpg

艶めかしい口当たりに、ふんわりとろりと広がる味わい。



小玉スイカのカクテル。
17052993.jpg

アルコールが少しきき、胃袋活性化計画成功である。



ピンチョスは右手前から
白海老・ハチク・生ウニ。ハチクは破竹のこと。
真アジとアボカドのタルタル。
ホタテとマッシュルームのグラチネ。
17052998.jpg

それぞれしっかりした味のバリーエーションあり。



タパスは
まずマルティーニのジュレとペドロ・ヒメネスのクリーム。
17052999.jpg

シェリーの香りが生きる。



うすいえんどうのスープ。
17052900.jpg

青々とした味わい。



主菜に移る。
冷製毛ガニ・水ナス・コンソメ仕立て。
17052902.jpg

拍子切りの水ナスの食感が楽しい。



山中さんのトマトのガスパチョ モサ海老添え。
17052905.jpg

視覚的にインパクトありで、あとでモサ海老の濃密な味が追いかける。



ハモとアサリのサルサベルデ。
17052907.jpg

アサリのジュは偉大である。



スズキのブランチャとシオデ スパイス風味のポルトソースとピカーダソース。
17052911.jpg

皮目の香ばしさとしっとりした火入れの妙。



イベリコ豚肩ロースの低温ロースト ヤングコーンのクスクス添え。
17052912.jpg

豚肩ロースは一瞬酢豚を想起させる。
クスクスは郷愁を誘ってくれた。



ニシ貝と黄色インゲンのアロスカルドソ サフラン風味。
17052914.jpg

サフランの香りと刺激が印象だ。



ホワイトチョコレートのエスプーマと木苺のシャーベット。
17052920.jpg

17052916.jpg

紅白が見た目、味わい、食感など見事な対比がうれしい。



まさに時代を感じさせるめくるめく展開であった。






「エニェ」
大阪市中央区安土町1-6-3 エステムプラザ本町クロス 1F
06-6265-1420

投稿者 geode : 10:25

2017年5月25日

「洋食おがた」 京都・柳馬場押小路・洋食


2週間ほど前に「洋食おがた」のことを書いた。
ビフカツやビーフシチューのことに触れたが、鯵のフライを絶賛した。
この鯵フライがドラマを生み出した。

そもそも「洋食おがた」の緒方シェフが「鯵フライ」を作ろうとしたのは、静岡の「天ぷら成生」の鯵の天ぷらの半生状態の火入れを見たからだ。
よって、前回訪れたときに「カドカミさん、鯵フライを食べてください」というセリフが飛び出した。
感動があり、その画像をアップした。
すると、なんと「天ぷら成生」に鯵を始め種々の魚を卸している焼津の「サスエ前田魚店」の前田尚毅さんから「うちの鯵を送るので、それでフライ作ってみて!」とのメッセージが入ったのである。

というわけで焼津から届いた鯵のフライを食べることになった。
まず、2尾の鯵。淡路と駿河湾である。
上が淡路、下の二枚が駿河湾だ。
17052571.jpg

明らかに表情が違う。

まず淡路の鯵フライを食べる。
それなりのうまさはある。十分満足の範疇だ。

次の駿河湾の鯵フライを食べる。
同席した元フランス料理のシェフとそば職人は声を揃えて「全然違う、脂ののりも香りも味の深みもちがう。淡路だけとか、駿河湾だけで食べていたのではわからない。食べ比べをして初めてわかる」「やはり前田さんの鯵は凄い」となった。これほど差異が歴然となるとは驚愕であった。
これから「洋食おがた」のメニューに魚が増えそうな予感がした。



この日のメニューは
群馬産しいたけの白和え。
17052567.jpg



ポテトサラダ。
17052569.jpg

どちらもしっかり胃袋を刺激してくれる味付けであった。



それから鯵フライを食べ、感動を覚えた。
17052574.jpg

17052576.jpg



続いて尾崎牛ランプのビーフカツにはたまげた。
17052579.jpg

牛肉が持っているうま味や香り、味の凝縮感が一気に開花した感じである。
牛肉の底力を見せられた気分である。



締めにカレーライスの小を食べ、満足感に浸っていたのだ。
17052581.jpg






「洋食おがた」
京都市中京区柳馬場押小路上ル等持寺町32-1
075-223-2230

投稿者 geode : 10:17

2017年5月24日

「鮨一」 札幌・新川・寿司


3年ぶりの再訪。
友人たちに評判のいい店。
白いきれいな建物。

17052474.jpg

アテ無し、にぎり一本コースだ。
食材の鮮度が本州とは違う。
とくに貝類が持つエネルギーとパワーがそのままストレートに伝わってくるから面白い。
食材の良さをアピールするのは、こういった食材が必要ではないかと感じた。



平目
17052444.jpg

香りと味のパワーが凄い。



マグロ 戸井で揚がった260キロとか。
17052445.jpg

香り豊かである。



厨房でゆがかれたカニ。
17052446.jpg

風味と甘味がちがう。



貝柱。
17052447.jpg

瑞々しさが印象に残る。



シャコ。
17052450.jpg

柔らかく、口の中に広がる液体が半端ではない。



時しらずの筋子。
17052452.jpg

2週間ぐらいしかとれない貴重品。



つぶ貝。
17052453.jpg

甘味がインパクトあり。



キンキの炙り。
17052454.jpg

脂分の甘味を堪能。



赤身の漬け。
17052455.jpg

肌理の細かさと香りにやられる。



塩ウニと生ウニ。
17052456.jpg

6月になるともっと甘くなるとか。



穴子。
17052457.jpg

塩と山葵で。舌をやんわり包み込む。



ほっき貝の炙り。
17052460.jpg

食感と甘味。



ヤリイカ。活けの状態。
17052461.jpg

17052464.jpg

包丁の入れ方で甘味がます。



ボタン海老。
17052465.jpg

17052467.jpg

積丹で取れる。
贅沢な食べ方だ。



ヤリイカの足は海苔を挟む。
17052468.jpg



自家製数の子。
17052470.jpg

ほどけ具合が絶妙だ。



鉄火巻。
17052471.jpg

マグロの質が違う。



卵焼き。
17052472.jpg

甘味あり。



キンキの椀物で締める。
17052473.jpg



大満足の夜であった。






「鮨一」
札幌市北区北二十四条西19-4-14
011-728-5350

投稿者 geode : 10:57

2017年5月23日

「Basic」 札幌・西10丁目・珈琲店


店内のカウンターに腰を下ろす。
バックカウンターに据え付けられた大きなスピーカーからクラシックの妙なる調べが流れてきた。
店名のプレートには「深煎りの珈琲」という文字が目立つ。

17052389.jpg

この深煎りというだけで、なんだか嬉しくなる。



メニューを見ると、珈琲豆の分量と抽出量が記されている。
15グラム 120CC
25グラム 120CC
となっている。当然のことながら25グラムを選ぶ。
一杯目はイエメンのモカマタリ。
淹れる姿をみているとネルドリップである。
17052382.jpg

そのドリップの形、上部より下部のほうが広がっている。
自家製でネルの生地は大阪の生地屋から取り寄せているという。
4-5種類用意されていた。

点滴抽出である。蒸らしをしっかりだ。
温度は80度と話すが、「じつは焙煎仕立ては80度なんですが、時間が経つにつれて毎日少しずつ上がってゆきます」と教えてくれた。
これにはいささか驚いた。豆の熟成度合いによって温度を変えるのだ。



モカマタリがでてきた。柿右衛門のカップだ。
17052375.jpg

温度はおそらく70度以下になっていただろう。
かなりの深煎りである。モカの酸味を残しながらも苦味が全体を覆っている。
これはとても感動的な出会い。



続いてマンデリンを頼む。
17052378.jpg

これも同じ抽出である。
やはり柿右衛門のカップだ。
マンデリンが持つ苦味はたっぷりあるのだが、飲みくちが軽やか。
これはかなり上質なマンデリンと淹れ方の妙味だと思った。

「こういった深煎りのコーヒーを残さないと、と思ってずっと続けています。若い方がどうしてもサードウェーブ系に行かれるのでね。モカをここまで深く煎るところはほとんどないです」と。
同じ思いで、大いに話しが盛り上がる。
「大坊珈琲店」の大坊さんが来店されたときのことなど。



じつはトーストも頼んだ。
17052381.jpg

比較的分厚いスタイル。どちらかといえば、薄切りが好み。
だが、この焼き色とバターの具合が素晴らしく、ジャムをつけた適度な甘味もいい感じだ。



メニューを再度見ると、エキスコーヒーというのがある。
なんと30グラム 80CC。
これは飲まねば!だ。
17052386.jpg

抽出時間も、前の2杯よりゆるやかだ。
ややとろりとした飲みくち。
当然のことながら苦味が強いが、なんとその中から甘味がぐっと持ち上がってくる。
これにはやられた。
次回も飲みたい一杯である。



気がつくと2時間近く「Basic」にいた。






「Basic」
札幌市中央区大通西10丁目 南大通ビル地下1階
011-271-9043

投稿者 geode : 10:46

2017年5月22日

「木山」 京都・堺町竹屋町・日本料理


4月25日開店したばかりの日本料理店「木山」。
「和久傳京都」(京都駅)の料理長であった木山さんが独立を果たした。
マンションの1階とは思えない設いは、気持ちを落ち着かせる効果がある。

17052298.jpg



お通しは、ワタリガニとコシアブラ。季節の贈り物である。
17052254.jpg



カウンターの隅では、スタッフが鰹節を削る。
17052256.jpg

このライブ感は凄い。
当然のことながら、あの鰹はどこで生かされるのだろうという期待感が生まれる。
この作用は大きい。



椀物は、鯛の白子・新じゃがいも饅頭・根セロリのすりながし。
17052257.jpg

コクが何層にも重なった舌触りで気分が高揚する。



造りは石鯛とのびる。
17052259.jpg



続いてマグロだが、和辛子との相性で甘味が増長される。
17052262.jpg



椀物は、アブラメである。
17052266.jpg

すっきりくっきり、うまみたっぷりだ。



筍には卵黄とカラスミ。
17052268.jpg

この重ねは待ったなしのうまさだ。



天ぷらは、ウド、タラの芽、稚鮎など。苦味のオンパレード。
17052270.jpg



くじらのベーコンと茎山葵の梅あえ。
17052273.jpg



ぷっくりした牡蠣に湯葉とウニ。
17052276.jpg

攻めの料理だ。



香の物と削りたての鰹節。
17052278.jpg

視覚からのインパクトが鮮烈。



牛肉にゅうめん。
17052281.jpg

味の濃淡がうれしい。



かつお丼。
17052284.jpg

ここに鰹節をかけてもよし。



ブラッドオレンジのドリンク。
17052286.jpg

これにて口内フラットになる。



百合根の茶巾。
17052288.jpg



抹茶で締める。
17052294.jpg



開店当初であるが、まとまりのある展開。






「木山」
京都市中京区堺町通竹屋町下ル西側
075-256-4460

投稿者 geode : 10:52

2017年5月19日

「ほうば」 大阪・北新地・韓国料理


年に2回の定期食事会。
福岡、岡山、神戸、京都、奈良などから食いしん坊が集合する。
なかには「韓国料理はダメなんです」と話しながらも前回参加し、今回も参加した強者もいる。
「これは食べられます。絶対に誘ってください」とのことだ。
たしかにこんなファンが多いのが「ほうば」という韓国料理店である。

食べ手を魅了する組み立てが凄い。
最初に15種類揃ったナムル。
17051912.jpg

まるで色彩豊かなパレットを見るような興奮を覚える前菜は、そう出会えるものではない。野菜一つひとつの味わいと印象が深まってゆく。



ちぢみです、と供された。
17051914.jpg

僕は何度か食べているが、これを目の前にしてちぢみと判断できる人もそんなに多くない。
この日はフカヒレ、桜海老とネギである。フカヒレは、その繊維質一本いっぽんに作り手の渾身の味が寄り添っていたのだ。



あわびのお粥。
17051915.jpg

食べるたびにお粥、つまり米の割合が少なくなってゆくように思う。おどろきは火が入っているのに、その口当たりの柔らかさである。咀嚼することで、鮑のうまみがどんどん増し、肝で味付けされたお粥との相性がたかまりをみせる。



スープはハマグリのエキスがしっかり効いている。
17051917.jpg

そこにこのアスパラソバージュが入るから大変だ。シェフの新井さんは、こんなことをしてしまった。
料理の領域がどんどんひろがりをみせる。



つぎにさっとローストビーフを出すなど、その緩急の付け方が心憎い。
17051919.jpg

コース全体を通して考えることの大切さを感じた一品。



冷麺です、と。
17051920.jpg

なんとホタルイカの姿。重なりあって可愛い表情をみせる。
ウニのコクとうま味、やられましたとしかいいようがない。



定番のスペアリブの煮込み。
17051922.jpg

このタレというか液体の味わいは最強だと思う。刺激ある辛味とうま味のバランスがぴったりで、スペアリブはもちろん、野菜にも絶大な効果をもたらし、白いご飯を呼ぶという。



酸味のきいたすっきり冷麺でしめる。
17051923.jpg



これにて終了。今回もまた参加した人達が盛り上がりをみせ、満足した表情であった。






「ほうば」
大阪市北区堂島浜1-2-1 新ダイビル 2F
06-6456-0080

投稿者 geode : 10:50

2017年5月18日

「グリル フレンチ」 京都・小川通御池上る・洋食


定期的に食べたくなるメニュー。
その一つに京都「グリル フレンチ」のカニクリームコロッケがある。

初めて食べる料理は、どきどきするが、これまで何度も食べたことがある料理には、一つひとつうっすらと記憶が付着していることが多い。
つまり、料理とはその記憶と共に食べ咀嚼していることがほとんどといってよい。
そう、料理の味は個人の記憶と密接に結びついているのだ。

「カニクリームコロッケ」だが、最初に食べたのはもう十年以上も前に、中村歌六さんという歌舞伎役者に教えてもらった。食いしん坊の歌六さんがすすめてくれたことだけのことがあると感動したことを覚えている。

じつは、それまでクリームコロッケという存在にさほど興味を覚えていなかったのだ。
もう40年以上も前に、大阪の北新地から西に少し歩いたところに「グリル二見」という洋食屋があった。新地に住まう友人が「ここがクリームコロッケの発祥やねん」と教えてくれ一緒に食べたことがあり、その洗練された味わいに驚愕し、以来その感動を超えるクリームコロッケを超える味わいに出会ったことがなかったので、クリームコロッケを敬遠していたのかもしれない。

しかし、この「グリル フレンチ」のカニクリームコロッケは違った、記憶の味わいを凌駕する料理として、僕の記憶に新たな楔を打ち込んだ。
そして「グリル フレンチ」イコール「カニクリームコロッケ」という構図ができあがってしまった。

というわけで、この日も「グリルフレンチ」でカニクリームコロッケを食べたのだ。

17051853.jpg



前菜には、サーモンマリネである。
17051829.jpg

甘酸っぱい味付けが、なんとも郷愁を誘う。
スモークサーモンとはまた異なる味わい。これも定番になりそうだ。



えんどう豆の冷製スープ。
17051832.jpg

春の香りが広がる。



カニクリームコロッケは、贅沢なまでにカニの風味を満喫である。
17051835.jpg

17051842.jpg



海老フライも、歯ごたえから香り、味わいまでやっぱり注文してしまう。
17051837.jpg



締めにはミニカレーライスとハンバーグサンドだ。
17051845.jpg

17051847.jpg



そして必須のプリン。
17051851.jpg

やわらかな食感とは違う、しっかり弾力のあるプリン。
キャラメル感もしっかりだ。あるようでなかなか出会うことが少ない。



そして大将のキャラクターが素晴らしい。
郷愁の味と大将の個性は最強である。






「グリル フレンチ」
京都市中京区小川通御池上ル下古城町377
075-213-5350

投稿者 geode : 10:45

2017年5月17日

「ヴレドヴレ シェ・ヒロ」 大阪・新町・フランス料理


男性が15名集まり、フランス料理を食べる。
この夜は、貸し切り状態。
もし、ここにカップルが入ったりすると、それはそれは大変なことになるのは想像が難くない。

大阪の新町にある「ヴレドヴレ シェ・ヒロ」というレストラン。
この夜は、岡山の吉田牧場の牛を食べるということも一つの目的であった。
それを快く引き受けてくれた大垣シェフに感謝である。

赤ピーマンのムース クーリ・ド・トマト。
17051700.jpg

懐かしい記憶が蘇ってくる一皿。
食べる人、それぞれに記憶の襞から種々の思いが沸き立つにちがいない。



新玉葱のババロア ギンギン鮭のマリネ。
17051701.jpg

季節の料理だ。シェフのフランス料理に対する思いがしっかり詰まる。



ロワール産 ホワイトアスパラガス オマール海老。
17051704.jpg

これもまた季節の風を運ぶ。だが、シェフは日本人。
アスパラガスの火入れが歯ごたえあり。



テリーヌ・ド・ポトフ(ブラウンスイス 未経産 スネ)
17051706.jpg

これはスネ肉のジュがしっかり味をまとめる。
スネ肉のほぐれ具合もなかなか楽しい。



肩ロースのコンソメ煮 (ブラウンスイス 経産 肩ロース)
17051708.jpg

コンソメと一緒に食べると肩ロースの迫力を感じる。
どこまでもフランス料理の技法と歴史に敬意を表するシェフの仕事だ。



天然真鯛の蒸し焼き 春キャベツ添え
17051710.jpg

このソースも少量だが、基本の技が生きる。



カイノミのソテー 赤ワインソース
17051713.jpg

左 ブラウンスイス 未経産 カイノミ
右 ブラウンスイス 経産 カイノミ
この比較は興味深かった。一瞬未経産のほうがいいと思うのだが、今回は経産牛に惹かれたのであった。味わいに深みが生まれていた。



チーズは吉田牧場のパルミジャーノとコンテタイプ。
17051711.jpg

途中で、このチーズをカイノミにプラスすると、なんと味わいにコクとうま味が登場することだろう。



愛媛県産 無農薬ブラッドオレンジのコンポート。
17051717.jpg

17051718.jpg

コーヒーとともに味わい、この夜の饗宴は終焉をみた。



シェフが新たな食材を手にした時に、いかなるパワーがうまれるのだろうか?
テーマによって燃えるタイプの料理を味わうことができてうれしいかぎりだ。






「ヴレドヴレ シェ・ヒロ」
大阪市西区新町1-24-8 マッセノース四ツ橋ビル1F
06-6535-7807

投稿者 geode : 10:18

2017年5月16日

「くいしんぼー山中」 京都・桂・ステーキ


牛肉愛を表彰する制度があれば「くいしんぼー山中」の主・山中康司さんはその最右翼といっていい存在である。
とにかく牛肉のことを語らせると熱いのなんの!
その熱気が確実にこちらに迫ってくるのだ。
この日は、15名の食いしん坊大集合。
「くいしんぼー山中」の牛肉三昧を楽しむ会であった。
17051605.jpg


まずはメインとなる牛肉の披露。但馬系近江牛38ヶ月飼育だという。
17051676.jpg

この艶めかしい色艶の美しいこと。



定番のジャガ芋とバター。
17051678.jpg

これで「くいしんぼー山中」劇場の始まりである。



続いて「タンシチュー」の登場。
17051680.jpg

これは希少なタン元をシチュー用に蓄えて置く必要がある。
このスッキリとした味わいに一同ため息がもれる。



アイナメのバターソース。
17051681.jpg

これも山中さんが供したいメニューである。



コンソメ。
17051684.jpg

文句なし、問答無用の一品。
クリアにして粘度もあり、牛肉のエキスが液体に変わったのである。



ステーキは100グラム強。
17051688.jpg

ペロリである。サクッと歯が入った瞬間に、この肉は何だ。
香りとうま味はあるが、一切もたれない。質の良さだけがストレートに響く。



ちょいとサラダで一休み。
17051690.jpg



ビフカツだ。
17051692.jpg

揚げることで味わいの凝縮感がエスカレートする。
ドミグラスソースも格別。



名物ハンバーグ。
17051695.jpg

17051696.jpg

真ん中の卵が割れると、またまた食欲を掻き立てるビジュルに。
ハンバーグはかくあるべしという、すっきりしっかりうっとりである。
雑味がなく、牛肉のみのうまさだ。



主はガーリックライスというが、そのココロは牛肉ライス。
17051698.jpg

牛肉のボリュームが半端ではない。
これにも参加者、感嘆の声が上る。



メロンとイチゴのケーキ。
17051602.jpg



コーヒーで締める。
17051604.jpg



これだけ牛肉を食べたというのに翌日のすっきり感は見事としかいいようがない。






「くいしんぼー山中」
京都市西京区御陵溝浦町26-26
075-392-3745

投稿者 geode : 10:22

2017年5月15日

「肉家 桜真」 京都・室町御池上る・焼肉


常に牛肉が気になっている。
「かぐら」という焼肉店があった。
現在は新店舗の場所を探している最中だという。
その「かぐら」で焼きを担当していた人物が「肉家 桜真」で焼いているというニュースを耳にして、でかけた。

17051510.jpg

17051511.jpg

「肉家 桜真」は「かぐら」の支店であった。
というわけで「肉家 桜真」の客となった。



突き出しは アギ(あごの肉)。これが香りがいいのだ。
17051514.jpg



キムチはスルメ、大根、海苔、白菜、キュウリ。
17051517.jpg

17051518.jpg



タンとハラミ。
17051519.jpg

このハラミのほどけ具合が色っぽい。



ローストビーフはランプという部位。コクがありながらもすっきり。
17051525.jpg

旨いと叫びたくなる一品。



サラダですっきり。
17051528.jpg



タン元は柔らかき傑作。歯切れと噛み心地の饗宴。
17051531.jpg



イチボ。やはり牛肉はいいなと感じる。
17051533.jpg



サガリですが、この焼き具合では感服状態。
17051536.jpg

艶めかしいだけではなく存在感たっぷり。



アスパラガスは箸休め。
17051538.jpg



レバーはさっと炙った感じ。中からあふれる甘味の洪水。
17051539.jpg



かぶりとロースの芯。
17051543.jpg



ヤングコーン。
17051548.jpg



ミノとってっちゃん。
17051551.jpg

この食感がうれしい。



フィレ。
17051553.jpg



サーロインのシャブ焼き。
17051558.jpg

圧倒的なうまさ。



小さなラーメン。テールスープがきいています。
17051561.jpg



大満足の夜でした。






「肉家 桜真」
京都市中京区室町通御池上る御池之町309
075-251-2915

投稿者 geode : 10:21

2017年5月11日

「Maker」 京都・西院・ダイニング


今年の2月オープンしたばかりの一軒。

「Maker」という店名は、自分たちが店を手作りしたことも含め、作るということを意味しているのだ。
確かに店内の作りが非常に興味深い。

オープンキッチンだが、天井の高さ、そこに張り巡られた電線や照明器具。

17051122.jpg

17051123.jpg

またトイレは大型冷蔵庫あとを使うなど、発想のユニークさが光る。
しばらくは、店内を眺めていたいくらいだ。

アラカルトのメニューも楽しい。
オーナーシェフは丹後半島にある「縄屋」という日本料理店の弟さん。
「別に修業をしたわけではないので、独学です」と話す。
隣で可愛い生まれたばかりの子供を携えながらサーブを担当する奥さんの姿も微笑ましい。



春菊と自家製マヨネーズのサラダ。
17051108.jpg

春菊の苦味がきっちり現れ、かつ適度な酸味を持つマヨネーズが上品な出会いをする。
自家製だから可能となる柔らかさである。



アスパラガスに黄身の味噌漬けとパルミジャーノをまぶす。
17051110.jpg

そこにアルガンオイルで風味をプラスだ。
アスパラガスの青みに深みが生まれた。



菊芋と豚バラのスープ。
17051113.jpg

これは絶妙の組合せだ。豚バラのうま味の生かし方がうまい。



メインは豚肩ロース。
17051115.jpg

脂身が持つ香りと甘味の饗宴。
粒マスタードは辛味ではなく香りがアクセントとなる。
菜の花、クミン、人参、フォアグラなどの付け合せもユニークで
それらと豚の脂身とのマッチングが面白い。



コーヒーは豆を挽いてその場で淹れるので香りがちがう。
17051117.jpg

この仕事ぶりはうれしい。



17051126.jpg

自分たちが居心地のいい空間を作りたいという気持ちに満ち溢れた店である。






「Maker」
京都市右京区西院三蔵町49
075-950-0081

投稿者 geode : 10:03

2017年5月10日

「洋食おがた」 京都・柳馬場押小路・洋食


午後5時半から7時までの食事。
休日の夕食である。



まずは、キャベツ。
17051029.jpg

細かく切ったキャベツは千鳥酢と米油、砂糖、塩で味付けをされる。適度な食感が残ったまま、柔らかな酸味が食欲を刺激してくれる。



メニューを見ながらスタッフと相談する。
春から初夏にかけて苦味のある野菜のサラダにローストビーフをプラスする。
17051031.jpg

この日は、肉が食べたいという思いが強かった。
野菜の苦味にローストビーフのコクは最適であった。
食べるスピードがどんどん早くなってゆくのが分かる。
このローストビーフは尾崎牛の一ヶ月熟成だ。



京都・塚原朝ぼりの筍のフライ。
17051035.jpg

ここには自家製のカラスミがたっぷりかかる。
筍だけでも十分潤いとうま味を感じるのだが、カラスミの力を借り、さらにエスカレートするのであった。



尾崎牛ランプのビーフカツレツである。
17051037.jpg

舌にはマッシュポテト、ドミグラスソースと辛子。
カツレツは肉の香りはこうだったのかと改めて実感した。



シェフがすすめてくれた鯵のフライ。
17051040.jpg

これには頭が下がる。
この火入れ、半生が持つ素材の扱いの妙味を叩き込まれた感じである。
シェフはいま、静岡の「成生」という天ぷら屋と焼津の「サスエ前田魚店」に魅せられている。興味深いのである。



尾崎牛のビーフシチュー。
17051043.jpg

ドミグラスソースの威力である。



牛肉を食べたい夜であり、その願いは満足したのだが、鯵のフライには参りました。






「洋食おがた」
京都市中京区柳馬場押小路上ル等持寺町32-1
075-223-2230

投稿者 geode : 10:03

2017年5月 8日

「阿み彦」 大阪・お初天神・しゅうまい


このしゅうまいと白濁したスープを飲み始めて40年以上の歳月が流れる。
以前はお初天神の境内にあったが、10年ほどまえに現在の商店街に面したビルに移転をはたした。

17050806.jpg

創業は昭和21年寿司も扱う和食の店であった。それがいつのまにかしゅうまいの専門店となった。もちろん、僕は専門店になってからだ。



このしゅうまい。
17050801.jpg

形は、なにを意味しているのか、おわかりですか?
以前営んでいた寿司を形どっているのです。



まずは鉄板に結構な脂を敷き、そこで片面がカリッと香ばしくなるように焼き上げる。もう片面は、むっちりで中に肉が詰まっている。
辛子醤油をつけると味の輪郭がはっきりしてくる。



また、白濁したスープがいいのだ。
17050804.jpg

豚骨がベースだが、すっと喉を通り、しゅうまいとの関係はまるで恋人同士のようである。

池波正太郎さんが愛した味ということでも名高い。



ときおり、さまざまな記憶とともに食べたくなる比類なき一皿である。






「阿み彦」
大阪市北区曽根崎2-5-20 お初天神ビル1F
06-6311-8194

投稿者 geode : 10:48