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2006年4月 2日

「長谷園 なが谷母や」三重県・伊賀市 創作料理

4月学会(食環境をつぶさに吟味する集い)
今月は、春の遠足である。行き先は伊賀焼きの郷「長谷園」。ここは天保3年(18
32年)築窯して以来、伊賀焼きの伝統文化を継承しながら、常に時代のニーズに
あったモノ造りに専念してきたところ。7代目当主・長谷優滋さんが稀代の食いしん
坊で、「かまどさん」はじめ、用の美と楽を求めて陶器を造る。最近築後170年余
の母屋を「なが谷母や」として予約制の料理店に。

かつて十数年前に初めて訪れた時は、この母屋と工房のみだったが、今では3つの展
示場や体験工房など規模は拡大し、陶器のバリエーションもかなり増えている。母屋
のたたずまいは変わらず、この暖簾が情緒を漂わす。

↓表で記念撮影
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撮影者はカメラマンのハリー中西さん。

前列左から・・トゥールモンド・高山龍浩さん、祇園さ々木・佐々木浩さん、いか里・
       木村篤司さん、銘木商・永井慶和さん

後列左から・・毎日放送プロデューサー・本郷義浩さん、門上、あやむ屋・永沼巧
       さん、梁山泊・橋本憲一さん、エコールキュリネール・木下幸治さん、
       リーガロイヤルホテル・岡昌治さん
   

まずてんぷらとなる山菜がテーブルの上に置かれる

↓ふきのとう、たらの芽、のびる、すいば、からすのえんどう、たんぽぽなど
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どっしり焼かれた器の存在感も見事なもの。

↓前菜は、海ぶどう、つくし、水菜の辛子和え
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つくしのほろ苦さがなんとも春の訪れを告げる。海ぶどうは沖縄の友人が送ってくれた
ものらしい。

↓山菜
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右のたんぽぽと左のすいばはそのまま。真ん中のからすのえんどうだけ天ぷらに。
そばで長谷夫人が揚げ立てを供してくれる。その天ぷら鍋もユニークな仕掛けありで
あった。

↓立派な一寸豆の蒸し物
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この器も中に水をいれ火にかけるだけとか。ほくほくした甘さに思わず「これは
いけるな」とテーブルから声が上がる。「この皮はなんともでけへんのか」という
質問に料理人は「なんどもチャレンジしたんやけどあかん」との返事。

↓筍の味噌焼き
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これも焼き立てが登場。味噌と木の芽の味わいが筍の旨みを引き立てる。
ほくりとした食感が味わいを深める。蒸し焼きというテクニックだが、旨みが閉じ込
められている感じだ。採れ立てをすぐに食する贅沢である。

↓約800グラムの伊賀牛
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塩と胡椒をしてそのままこの「ロースト名人」という土鍋で20分焼き、休ませること
20分。一切手を加えることなくこの出来上がりだ。みんな土鍋の周りにあつまり「生
のまま入れるのですか」「味付けは?」「中心温度は何度ぐらいになっているのやろ」
などなど質問続出である。なにしろ肉焼きを極めることを、今年の目標とする料理人も
いるので「休ませる時間がもうちょっと必要かな」「たんぱく質が溶ける温度は55度
前後ですから、そこまでは上げないとね」など解説も加わる。これが学会の醍醐味とも
いえる。

↓真ん中はうまくロゼ色に仕上がっている。
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これはマスタードと塩をつけて食べると牛肉の甘さがぐっと強調される。
この「ロースト名人」はほぼ密閉になるので牛肉が縮まずドリップもでないのが興味深
いことである。

↓メインのベーコン鍋に移る
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ベーコンはかなり強いスモークがかかっていて、その香りは強烈である。伊賀名物の
山麓豚のスライス。冷薫なので豚肉にはほとんど火が入っていない。

野菜もたっぷり。しいたけ、なめたけ、水菜、せり。これも採れ立てというのがうれ
しい。水菜とせりはおかわり自由である。

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↓かつおだしにベーコンの脂分が溶け込んで、だしの旨みがどんどん増してくる
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まずベーコンだけ入れて煮るのがポイント。そのベーコンと水菜をくるんで一緒の食べる
猛者も現れ、盛り上がりを見せる。このあと「麺が欲しいな」ということになり稲庭うど
んを追加し、それをぺろりと平らげる。

↓締めのごはん
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「かまどさん」で炊き上げたふきのとうと揚げの炊き込みごはんである。
しょうゆのすこし香ばしい匂いとともに食べるのだが、あっという間に空になってしまう。

↓デザートはイチゴ
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この器も密閉度が高いので、このまま置いておいてもイチゴは冷
たくなるばかり。イチゴの甘さも格別。なんとも遠足にふさわしい宴であり、
帰りのバスではみんなすっかり眠り込んでいた。


「長谷園 なが谷母や」
三重県伊賀市丸柱569
0595-44-1511(予約制)

投稿者 geode : 11:41 | コメント (0)