2014年8月29日
「縄屋」 京都・京丹後・日本料理
丹後半島のほぼ真ん中に近いところにある「縄屋」。
"魚菜料理" の店だ。
店内はカウンターとテーブル席。
今回は昼、6名でテーブル席。
室内には陽光が差し込み、明るさが心地よい。
自家製の麦茶を入れるボトルも美しい。
始まりは桃のおひたしである。
桃にかつおがかかる。
その香りがふっと漂う。
甘みと軽やかなだしの味わいが見事な一体感を醸し出す。
椀物。
ジャガイモの白玉団子、モロヘイヤ、つるむらさき、トマト。
このだしが素敵だ。
鱧の骨とトマトで取っただし。
カツオの替わりに鱧、昆布の替わりにトマト。
うま味と酸味のバランスが見事で、
残暑にいただく椀としてはうれしい一品であった。
バレンカジキの造り。
キュウリやオクラがつく。
ねばっとした食感も面白い。
ヒラスズキ、太刀魚、夏野菜のごまあんかけ。
太刀魚の味わいふかし。
野菜の濃い味が印象ありだ。
締めのごはん。
いんげんとゴボウの炊き込みだ。
まずいんげんの香りが鼻腔をくすぐる。
ゴボウの香りもあとからおいかける。
新鮮な味わいであった。
デザート。
レンコン餅に小豆である。
コースの流れも楽しい。
かろやかで気持ちが和らぐ料理であった。
「縄屋」
京都府京丹後市弥栄町黒部2517
0772-65-2127
投稿者 geode : 10:01
2014年8月28日
「燕 en」 京都・八条口・日本料理
京都駅八条口にある「燕」。
この日は多彩なメンバーがカウンター貸し切り。
この日は、料理長にお任せ。
帆立とアワビの水貝から始まり。
自家製豆腐 根セロリのすりながし。
サマートリュフの香りも立ちのぼる。
造り。
イサキ、キンメ、ビワマス、トロ。
味わい濃厚。
鮎の塩焼き。
頭の部分まできちんと焼けている。
豚肉の西京焼き。
味噌と豚の脂が結構いい相性。
とうもろこしのかき揚げ。
振られた黒胡椒がいい香り。
鱧と松茸のフライ。
この季節贅沢な一皿。
ビフカツにも心奪われる。
甘鯛の酢の物。
甘鯛のねっとり感に絶妙な酸味。
冷やしおでん。
これは精進なので昆布と椎茸のだしだけで調味。
見事な一皿。
鯖寿司。
ご飯に醤油ベースのだしを加えているので、
その酸味が鯖の脂分とよく合う。
鴨と九条葱のそば
鴨のうま味とネギの適度な辛味が一体となり、
そこのトリュフの香りがアクセント。
口直しのほうずき。
いつもながらもテンポのよさ。
満足する夕食であった。
「燕 en」
京都市南区東九条西山王町15-2
075-691-8155
投稿者 geode : 10:16
2014年8月27日
「なにわ翁」 大阪・西天満・蕎麦
大阪西天満は骨董屋が多い通りである。
最近は、ぽつりぽつりと興味深い店が増えている。
「なにわ翁」はその中でも10年以上の歳月が流れる一軒だ。
名店「翁」の名前をもらった店でもある。
ざるそばにしようかと迷ったのだが、
この日は「あなごそば」が気になった。
そこに太アスパラのごまみそ和えをプラスした。
まずはアスパラを食べる。
ごまの風味とは見事な一体感。
気持ちが和むというか、落ち着くのであった。
そしてあなごそば。
これはぶっかけのスタイルである。
今回は十割そばにした。
そのそばの上にあなごと焼きナスが乗る。
そこにつゆをかけ、かき混ぜたべる。
ナスの甘みとほのかな苦味が効いている。
あなごの脂分の少しずつそばの味わいに変化をつけてゆくのだ。
午後の少しの時間であったが、いい時間の流れを楽しんだ。
「なにわ翁」
大阪市北区西天満4-1-18
06-6361-5457
投稿者 geode : 11:09
2014年8月26日
「祇園さゝ木」 京都・祇園・日本料理
今年の秋。
パリのマンダリンオリエンタルホテルのシェフ
チェリーマルクスさんと佐々木浩さんがコラボレーションを行う。
そのチェリー・マルクスさんが「祇園ささ木」で会食である。
カウンターに座り、6時半一斉スタート。
スタートは剣先イカをそうめんに仕立て。
冷たいだしで味わう。
チェリーさんは、器用に箸を使いながらすると食べる。
天ぷら。
スズキにキュウリ、青唐辛子、
枝豆、とうもろこしの天ぷらである。
スズキのふっくらした火入れが秀逸。
「バランス、見た目に美味しい!」とチェリーさん。
椀物。
すっぽんのだしですっぽんとショウガ。
画像なしです。
碗も蓋の中の文様が美しい。
造り。
あまてカレイの肝ポン酢。
イワシはまさに新鮮といえる一品で、
脂は乗っているが静謐な味わい。
ウニは握ってもらう。
甘みの凄さを感じる。
サンマもとろりと胃袋に収まってゆく。
中トロの熟成9日目。
香りも強くなりづけの楽しみあり。
口直しに水なすの浅漬。
画像がないのですが、
アワビの肝ソースで和えたリングイネ。
上にはアワビの柔らか煮がのります。
これは旨くないわけがない。
そして毛ガニ。
土佐酢をつけて食べる。
近江牛のももの芯の部分を窯で焼く。
一枚目は塩で食べる。
脂分がなく、噛むごとに味わいが深くなってゆく。
二枚目は特製ソース。
これが野菜を詰めたものや昆布出汁などが加わり
じつに肉との相性よし。
締めの御飯。
一杯目はいくらごはん。
二杯目がマグロの漬け丼である。
どちらもうま味のツボを付いた献立だ。
デザート。
下にレアチーズケーキ、うえにフルーツ、
そして塩レモンのジュレがかかる。
このコースを食べてチェリー・マルクスさんは
「カウンターで食べているお客さんの雰囲もよし、
スタッフの動きと雰囲気も素晴らしい。
佐々木さんの姿も見事だ。
こんなレストランはなかなかない」
と絶賛であった。
「祇園さゝ木」
京都市東山区八坂通大和大路東入小松町566-27
075-551-5000
投稿者 geode : 11:18
2014年8月25日
「カハラ」 大阪・北新地・創作料理
大阪・北新地、「カハラ」の8席のカウンターに
シドニー、ニューヨーク、三重、
京都などから食いしん坊が集まった。
なかには「二十年振りです」という人もいた。
スタートはカハラワイナリーのある
大阪・柏原の生ワイン。
やや甘めの味わい。
続いてはフカヒレの冷製である。
下には糸瓜が敷かれ、上からバジルシード、
藤三七(ふじみなと呼ばれ、亜鉛・銅・マグネシウムの含有量が多い)、
そしてペッパーベリーで香り付けだ。
希少な食材を巧みに使いこなす森さんらしい一品。
カハラの名物となった八寸。
左下はライムの皮を器に仕立て中には剣先イカとアケガラシ。
その上が加賀れんこんと干貝柱の餅。
その右が明石の塩ネギの根にからすみ。
その下がどじょうにペンギン食堂のラー油。
真下がジャガイモの鎖。これが継ぎ目なし。
その右は鴨ロースをコーヒーで燻製。
上はおばけ。
粒マスタードをミックスしたものがかかる。
どれもここならではの味わいである。
画像がないのだが、シュー生地の中に
カレーを詰めた傑作がある。
その辛味と生地のサクッとした感じが堪らない。
食後コーヒーオイルを少し飲むと辛みが一気に消える。
海苔に吉田牧場のカチョカバロを
焼いたものを巻いて食べる。
香ばしさやコクなどが膨れる。
次は淡路のタマネギの料理。
そこに山椒オイルをかけるとその香りがふんわりただよう。
メツゲライ・クスダのベーコンや香味のり、
五色ゴマ、淡雪塩などが加わる。
タマネギの甘みを再確認するメニューだ。
そして十割そばの登場。
からすみを振るバージョンもあるが、
今回はトリュフだ。
イタリアのサマートリュフの香りが立ちのぼる。
つゆはやや甘めでバターが入る。
トリュフとバター(油脂)との相性は
素晴らしき感動を生み出した。
このトリュフの香りが見事だ。
カチョカバロを真ん中に。
左はパプリカ、実後は青ナス、下はアワビ。
これらはカチョカバロを乗せて食べる。
食材のマリアージュとはかくあるべきと思わせる味わい。
上はハマグリに緑豆のピュレだ。
玉子豆腐のスープ状態。
玉子豆腐を細かく崩す。
それをスープでのばす。
いわばすりながしである。
メインとなるステーキミルフィーユ。
薄切りの牛肉を五枚重ね。
焼くと空気をわずかに含むため、食感が微妙に異なる。
森さんは静かに塩をふる。
サラダ。
春菊・モロヘイヤなどに蕎麦の実を煎ったものを加える、
香ばしさと食感が面白い。
ステーキミルフィーユ。
ニンニクチップと山葵を巻き、割り下で食べる。
山葵は香りだけが残る。
塩ネギは塩味はあるが甘味も強い。
8月はとうもろこし御飯。
とうもろこしの甘みが生きたメニューである。
香の物。
セロリとショウガが入る。
カハラのワインを作るメルローである。
生ワインのゼリー。
なかにはいかにもブドウらしくきものが入る。
しかし、それはぶどうではなく、別の物体であった。
桃のブランマンジェ。
中にはこのように桃が入る。
チャイで締める。
下がクミン、上がぶどうのチョコレートがけだ。
このようにクリエイティブな料理が並ぶ。
森さんの日々の食材探しと
技術の組み合わせが生み出した結果だ。
「カハラ」
大阪市北区曽根崎新地1-9-2岸本ビル 2F
06-6345-6778
投稿者 geode : 10:41
2014年8月22日
「草喰なかひがし」 京都・銀閣寺・日本料理
8月上旬「草喰なかひがし」のカウンター。
お決まりの先付けから始まる。
とうもろこしのかんてん、オクラ、だいご、
川海老、枝豆、ビワマスの寿司、マイクロキュウリ、
あかざ、ほうずき、新れんこんなど。
ここで中東ワールドに魅了される。
胡麻豆腐にキュウリのムース。
「今昔」というタイトル。
キュウリのムースがふんわりと香りを運ぶ。
お椀。
そばがきにミョウガ。
これも渋い一品。
鮎。
きれいな焼き色で頭から全て平らげる。
付け合せは万願寺唐辛子にトマトを煮詰めてもの。
この組み合わせが興味をひく。
鯉の造り。
皮は薄く、ミョウガやしそが少し加わることで
印象が大きく異る。
ここでご飯が炊きあがり。
できたてを食べる。
まだ水分が残っている。
甘みも強い。
鮎のさごし。
さごしとは背骨ごと薄くひいた切り身のこと。
夏ならではの醍醐味。
椀物。
ヒラスズキ。
じゅんさいやウドの花など。
スズキは歯を入れると中からの塩分を感じる。
鮎のテリーヌである。
これは、大阪のフレンチ「ベカス」の渋谷シェフが
「美山荘」で鮎を食べ、そこから触発を受け
「ベカス」で鮎のテリーヌを作った経緯がある。
それを食べた「なかひがし」の中東さんが、
この店でテリーヌを再現という流れがあるのだ。
鮎は骨ごと唐揚げ。
まるごと鮎を食べているのだ。
加茂茄子の料理。
山椒の香りがじつによく効いている。
琵琶湖の鰻だ。
下にはズッキーニが敷いてある。
新ゴボウとの相性がこんなにいいとは
思ってもみなかった。
ご飯に山椒もまたよく合う。
竹とんぼと呼ばれるメニューは
じゃがいもそうめん。
下にはタマゴタケとモロヘイヤのだし。
口はすっきりと変わる。
メインディッシュのめざし。
これでご飯が何杯も食べることができる。
めざしはやはり強いインパクト。
おこげも軽くいただく。
デザート。
ブドウ豆、シンジュ豆、桃、スイカ、
まくわうりに上からバジルと三度豆のシャーベットである。
ちょっとの水出しコーヒーを飲んで終了。
中東さんの世界にすっかり入り込み、
時間が自然と過ぎてゆくのであった。
贅沢な気分である。
「草喰なかひがし」
京都市左京区浄土寺石橋町32-3
075-752-3500
投稿者 geode : 10:52
2014年8月21日
「Cafe noka」 伊賀・丸柱・カフェ
伊賀・丸柱に、Gallery yamahon/Cafe noka
というギャラリーとカフェがある。
緑の中にひっそり佇んでいる感じだ。
一つの世界観がしっかり息づいている。
「ナチュラル」と言ってしまえばそれまでのなのだが、
そこにはオーナーの意識が明確に提示されている。
奇妙な表現かもしれないが
「ゆとり」という言葉が浮かび上がってきた。
それは時間の流れかもしれない。
ホワイトをベースにした色使いかもしれない。
木をあるがままに使った内装かもしれない。
静かながらも小さな興奮を呼び起こしてくれる。
ケニアという深煎りのコーヒーを頼んだ。
苦味を持ちながら、どこかに微かな甘みを含んでいる。
その味わいが存在感を保ちながら、喉を通ってゆく。
岐阜の「フランドル」というコーヒー店の豆だという。
岐阜には「シェルパコーヒー」や
「カルトン」というお気に入のコーヒー店がある。
「フランドル」には一度出かけてみたいという気持ちが膨らむ。
チーズケーキの酸味と甘味に
苦味の効いたケニアがすっと入り込んでゆく。
これは自家製である。
隣のギャラリーとセットで訪れる。
ギャラリーでの体験をそのままカフェに移動する。
その空気感を損なうことなく、ここでの時間を楽しむ。
「Cafe noka」
三重県伊賀市丸柱1650
0595-44-1911
投稿者 geode : 10:24
2014年8月20日
「京 上賀茂 御料理 秋山」 京都・上賀茂・日本料理
久しぶりの「京 上賀茂 御料理 秋山」。
東京、横浜、山口などから集まった人たちと一緒。
土間の待合で冷たい紫蘇の飲み物が供される。
気分がふっと日常から、郷愁を感じるようなものに変わる。
そこからカウンターに移る。
最初の一皿は、
「イタリアンではありません」の一言が添えられる。
明石のタコを生かした料理。
皮目だけをさっと炙る。
そこにトマトのソース、海老、コリンキ、キイウイ、
ピーマン、山科ナス、しし唐辛子などが入る。
さっぱりした味わいで、胃袋活性化である。
お椀。
この季節ならではの「五山の送り火」文様。
椀種は枝豆と帆立のしんじょう。
三度豆とささげが入る。
しんじょうは枝豆の存在感あり。
出汁の味わいもしっかり効いている。
造り。
ツバス、明石の鯛、さばである。
「この季節の鯛は旨くないと言われるのですが、
この鯛は産卵をしなかった小ぶりの鯛で
味が乗っています」
との説明。
たしかに味わい濃厚である。
穴子の炙り。
山椒の香りをプラス。
甘みがある。
土鍋で供された鱧とタマネギ。
そこに鷹峰唐辛子や、
鱧のすり身にジャガイモを加えた
ニョッキのようなものが入る。
鱧の楽しい食べ方だ。
定番の鶏肉のすき焼きである。
なすと新しょうがが入る。
これを玉子につけて食べるのだが、
最後は残った玉子を入れ、卵とじにする。
それと炊立てのご飯との相性の良さ。
この色艶のいい米。
甘い香りと艶に、ついおかわりをしてしまう。
おかわりは、自家製の味噌をお供にもらう。
おこげには塩をぱらりと振って、バリバリと食べる。
デザート。
メレンゲ入のくず餅である。
締め抹茶をいただき終了だ。
いつもと異なる時間の流れを楽しんた昼食であった。
「京 上賀茂 御料理 秋山」
京都市北区上賀茂岡本町58
075-711-5136
投稿者 geode : 10:01
2014年8月19日
「祇園ろはん」 京都・祇園・日本料理
ずいぶんご無沙汰していたが、
2週連続訪れることとなった。
突き出しは、小芋とマスカットの白和え。
マスカットのほのかな甘みが白和えの味わいに
膨らみをもたらすこととなった。
造りはハガツオ、トロ、甘鯛である。
甘鯛のねっとり感がたまらない。
ハガツオの香りもみごと。
新潟の枝豆。
味が濃い。
鯖サンド。
ここの名物。
しめ鯖の酸味とたくわんの味わいの
バランスは流石というものだ。
たらこの粕漬け。
これは清酒を呼ぶ味だ。
ご飯も呼ぶ。
揚げもの盛り合わせを注文した。
鶏の唐揚げ、海老フライ。
唐揚げにかかるやや甘めのソースは
唐揚げに新たな生命を与えてようだ。
海老フライに合わせた山椒マヨネーズも秀逸。
もづくに出汁のジュレ。
豚肉の味噌漬け焼き。
イワシと野菜の天ぷら。
すき焼き。
前回は鰻の白焼きにした。
今週は牛肉を食べたい気分であった。
甘みを押さえた味わいがいいな。
これに白ご飯で締めである。
4名の会食。
楽しい時間であった。
「祇園ろはん」
京都市東山区大和大路通四条上ル廿一軒町2321F
075-533-7665
2014年8月18日
「エルクコーヒー」 大阪・西天満・コーヒー
8時過ぎに西天満の「エルクコーヒー」を訪れた。
いつものように気になるコーヒーの話などで盛り上がる。
この日はサンドイッチを注文。
ハムと玉子。
ベーコン・レタス・トマト。
という2種類。
どちらもパンはあまり厚くなく薄切りでトースト。
好みのタイプである。
ハムと玉子。
トーストの香ばしさと玉子の感じがいい。
ベーコン・レタス・トマトは王道の組み合わせ。
マスタードが効いているのだ。
コーヒーは苦味主体、深煎りとなる。
マンデリンである。
食後にホットケーキが食べたくなりオーダー。
生地がつくりたてなので、膨らみが難しいとのこと。
といいながらもふっくら焼けた感じ。
なんとも懐かしいスタイル。
バターとハチミツのセットでぺろりと食べてしまう。
いつのまにかリラックスできる一軒となり、
時間があれば立ち寄りたい気分になってしまう。
「エルクコーヒー」
大阪市北区西天満4-6-5イヅツビル 1F
06-7651-4036
投稿者 geode : 10:36
2014年8月13日
夏休み
アクセスいただいた皆様へ
8月13日〜8月17日
「おいしいコラム」は夏休みを頂戴します。
8月18日よりアップ開始いたしますので
アクセスをお待ち致しております。
投稿者 geode : 10:36
2014年8月12日
「ごだん宮ざわ」 京都・東洞院万寿通・日本料理
この7月14日、「じき宮ざわ」が新たな暖簾をかかげた。
東洞院万寿通上ルの「ごだん宮ざわ」である。
入口横に個室一つあり。
奥にすっきり伸びたカウンター。
帆立に入れらた包丁目が細やか。
口に含んだときの崩れ方がやわらかい。
ずいきにトマトのジュレがかかる。
適度な酸味がうれしい。
お椀は鱧のくずたたきに蓮根饅頭だ。
前夜「最近鱧のくずたたきが出るところ少なくなったね」
と話していたところであったので、
その仕事振りが印象的であった。
蓮根饅頭のねっとりした感じもいいな。
造りは鯛。
一日寝かしてあるということ。
うま味が乗っていた。
この季節の鯛は難しいが、これは見事。
焼きとうもろこし豆腐。
「じき宮ざわ」のやき胡麻豆腐とは趣向がちがう。
中はかなり熱いが
ふわっとした歯ざわりと甘みは興味深い。
十割蕎麦にからすみがけ。
からすみのうま味と蕎麦の相性よし。
加茂茄子と冬瓜、万願寺唐辛子の小鍋仕立て。
やはり加茂茄子が美味。
万願寺の香りも効いている。
土鍋で炊いたご飯の炊き上がったところ。
水分は少し多め。
香の物もしっかりあり。
ご飯は蒸らしが終わり、食べごろである。
メロン、スイカ、マスカットに白ワインジュレ。
爽やかなデザート。
氷の器に入ったくずきり。
目から涼を楽しむ趣向である。
抹茶をいただく。
流れるようなコースの組み立て。
宮沢さんは、当分
この店のカウンターに立たれるということ。
「ごだん 宮ざわ」
京都市下京区東洞院通万寿寺上ル大江町557
075-708-6364
投稿者 geode : 11:08
2014年8月11日
「新太呂」 大阪・西天満・天ぷら
昨年から行きたいと思っていた天ぷら屋。
知人からは「天茶がおすすめ」と聞いていた。
昼の天茶がついたコース。
カウンター。
天ぷらを揚げる鍋の美しいこと。
後ろの厨房から、必要な材料が小さな窓から供される。
スタートはあげパン。
中身は海老のすり身。
これはさくっとした具合と味のバランスが見事。
期待感が高まる。
まずは海老。
噛むと甘みが膨らんでくる。
海老が合計3尾続く。
そして穴子となる。
弾力ある食感。
キスはふっくら。
白身の醍醐味を味わう。
ゴーヤの天ぷらは初体験。
苦味が和らぎ、
口の中がふらっとになった気分である。
うずらの卵。
アクセントにいいな。
みょうが。
酸味が食欲増進である。
三度豆。
青味がうれしい。
レンコン。
厚みが重要。
歯が入ったときの味の炸裂が素敵。
締めの天茶。
まず姿が美しい。
海老のかき揚げに見つめられているようだ。
お茶の淡い緑とのコントラストも映える。
出汁の味わいもほのかに漂う。
かき揚げを潰すようにたべる。
液体とともにかき揚げ、
ご飯がうまくまろみを帯びてくるのだ。
スイカでさっぱりとおわる。
およそ30分強の優雅な昼食。
「新太呂」
大阪市北区西天満2-2-5
06-6361-5293
投稿者 geode : 11:07
2014年8月 8日
「肉料理とワインYUZAN南船場店」 大阪・南船場・肉料理
「肉料理とワインYUZAN南船場店」の安田さんと
「あのTボーンが食べたいね」と前から話していた。
二週間ほど前に「短角牛の熟成があり、これが素晴らしい」
との連絡をもらった。
そこで食いっぷりのいい仲間で
「肉料理とワインYUZAN南船場店」Tボーン詣でとなった。
安田さんが見せてくれたのは4キロの塊。
北海道で飼育された短角牛40日強の熟成。
熟成香が漂ってくる。
突き出しは、夏野菜にトマトのジュレ。
適度の酸味で牛肉に向けての準備が始まる。
宮城県の漢方牛の内臓のグラタン。
トリッパ、赤セン、大腸などをグラタンに。
これが予想以上にあっさり味。
前菜盛り合わせ。
タルタル
パテ
ミノ
など、牛肉の楽しみ。
1キロずつに切ってもらう。
焼く寸前の姿。
安田さんもこの短角牛については思いが強いようだ。
名物のカルパッチョ。
シャトーブリアンの甘みが生きる。
味噌とコチジャンがまじるソース。
Tボーンの焼き上がり。
この色艶と香りが魅惑的である。
切り分けてもらう。
この姿がまるでエッフェル塔のように見えてしまう。
フィレとロース、どちらが好みが意見は分かれるところ。
噛むと最後のほうに熟成香が強くなり、
それが鼻腔に抜けてゆく感じも心地がよい。
やはり近江牛のビフカツサンドは外せない。
「これは新鮮な牛です」と。
このビフカツサンドがかなりのボリュームだが、
ぺろりと食べる。
締めはカレーライス。
「スタッフとカレーライスまでいかないんじゃないですか、
と話していたのですがおかわりをする人までおられて、
みなさんの食欲にびっくり」と安田さん。
まあ、よく食べた一夜であった。
次は同じ短角牛を熟成でなく、
新鮮な状態で食べようという企画が持ち上がった。
「肉料理とワインYUZAN南船場店」
大阪市中央区南船場1-10-2
06-6265-1199
投稿者 geode : 10:14
2014年8月 7日
「守破離」 大阪・堂島・蕎麦
知人から「堂島に新しい蕎麦屋ができました」
と情報を得て昼食時に伺う。
以前の事務所に近い。馴染みのある場所だ。
「手打蕎麦 守破離」とある。
入口近くで石臼が回る。
その奥に打ち場がある。
店内は大きなテーブルやソファなどインテリアも楽しい。
メニューを開けるとかなりのバリエーション。
昼は蕎麦メインだ。
夜は酒を意識した料理が並んでいる。
新地も近いことだし、これは需要ありだと思った。
天盛りそばで、蕎麦を十割に変更して注文。
そばつゆと山葵、大根おろし、ネギがでてくる。
蕎麦がとどくまで山葵をする。
天ぷらが届く。
海老やとうもろこし、アスパラガス、
みょうがなど多彩。
夏野菜もたっぷり。
そこに十割そば。
山葵だけ、おろしだけ。
それぞれ味を変え食べる。
山葵の辛みもいい。
結構ボリュームありで愉しめた。
十割といえど喉越しも見事であった。
堂島というロケーションにはうれしいと感じた。
「守破離」
大阪市北区曽根崎新地2-1-9-101
06-6442-0711
投稿者 geode : 10:36
2014年8月 6日
「老虎菜」 神戸・魚崎北・中華料理
食いしん坊から集合がかかり、神戸の「老虎菜」へ。
午後7時半からのスタート。
和歌山の天然鮎のコンフィにジャスミン茶の燻製。
ふんわりとした口当たりに、
噛むたびに燻香が漂う。
添えられたゴーヤの酢漬けも見事。
フカヒレのステーキ。
ぐっと噛んだときのあふれるうま味。
トリッパ・牛タンの四川風。
これは食感も楽しい。
豚肉。
皮目はパリっと焼け、身はしっとり。
自家製XO醤。
アオリイカのネギ・山椒ソース。
ややピリリとアクセントあり。
豚豆の香味ソース。
腎臓。
切り目が入る。
すっきりした味わい。
北京ダッグの登場。
この色艶。
「おお・・」と歓声が上がる。
ややたっぷりに身がつくようにそぎ切りである。
余分な脂を吸うようにここに置かれる。
あとはネギ・胡瓜を巻き甜麺醤を付けてペロリ。
笑顔がこぼれる。
魚料理はハタ。
金華ハム、キヌガサダケ、百合根などで煮込む。
金華ハムのうま味がしっかりである。
仔羊の13香粉炒め。
四川唐辛子などで辛みがいい刺激となっている。
ニラ饅頭。
魯肉飯(ルーローファン)。
台湾の煮込み豚肉飯である。
白いご飯のためにあるような一品だ。
トマトのクレソンのスープ。
トマトをつぶしながら食べる。
次第に酸味がいい感じで加わってゆく。
松の実・ココナッツ・干しイチジクのカスタード最中。
中はこんな様子。
最中の皮のパリっとした食感からつづく
甘みのバリエーションが楽しい。
この店は広東・北京・四川の名物料理を
コースに組み込んでくれるのがありがたい。
かなりの盛り上がりをみせた食事会であった。
「老虎菜」
神戸市東灘区魚崎北町5-7-15フェイバーハイツ 1F
078-453-5777
投稿者 geode : 10:19
2014年8月 5日
「さんさか」 京都・御池間之町・コーヒー店
「あまから手帖」の連載「僕を呼ぶ店」で
紹介した京都のコーヒー店「さんさか」。
ここは店内の棚に店主夫妻がセレクトした本がズラリと並ぶ。
このセレクションが見事だ。
ここはコーヒーも素晴らしいが、
フレンチトーストがじつに素敵な仕上がりなのである。
つい注文してしまうのだ。
ミルクをたっぷり含み、
いかにも美味そうな表情をみせる。
最初はそのまま食べる。
ミルクの濃縮感が印象的。
つづいてシロップとアイスクリームをつける。
甘みを増し、また異なる味わいがやってくる。
この日はケニアをチョイス。
それも?の濃い目である。
ここでは抽出量まで選択可能。
このシステムも興味ふかい。
苦味はしっかりあるのだが、
すっと喉を通ってゆく感じが心地よい。
すきな本をパラパラやりながら時間を過ごすのは、
贅沢なひとときである。
「さんさか」
京都市中京区間之町通り御池上ル高田町500 ポポラーレ御池 1F
075-241-2710
投稿者 geode : 11:45
2014年8月 4日
「ビストロ セプト 三条室町本店」 京都・三条室町下ル・ビストロ
「魔法のレストラン」では「菊乃井」の
村田吉弘さんお気に入のビストロで紹介されたビストロ。
牛肉をがっつり焼いてもらうところがいいようです。
レギュラーメニューと別の「本日のおすすめ」が
黒板に書かれている。
サラダ。
アンディーブとトレビスのサラダ。
少し苦味の効いた味わいがうれしい。
黒板メニューにハモフライ発見。
これは欠かせない!
タルタルソースとウスターソースの二種。
タルタルとウスターを半分ずつ。
これまではウスター一辺倒だが、タルタルもいいです。
ウスターなら白ご飯。
タルタルならハモフライだけ。
そんな感じがする。
大人の極上ハンバーグ。
150グラム。
ドミグラスソースもしっかり。
ナイフと入れると肉汁溢れ。
肉汁が混じったソースがまた旨い!
肉肉しいハンバーグである。
シェフは寡黙で仕事を続ける。
その姿も美しいが、サービスの女性の笑顔も見事で素晴らしい。
加茂茄子のフライ カレーライス。
このフライとカレーの相性は素晴らしく、
つい食べてしまう。
これは今年の発見である。
締め。
キャラメルのアイスクリーム。
しっかりがっつり食べ満足。
「ビストロ セプト 三条室町本店」
京都市中京区室町三条下ル烏帽子屋町485
075-251-1211
投稿者 geode : 11:37
2014年8月 1日
「京、静華」 京都・岡崎・中華料理
7月最終日。
男性三人で京都・岡崎の中華料理「京、静華」へ。
6時半スタートだが、夏のこの時間はまだまだ明るい。
夏の「京、静華」の始まり。
鮎と夏野菜の料理。
鮎はフライ、そこにネギと山椒の香りと辛み。
野菜は加茂茄子など。
鮎の身がふんわりとした食感で驚き。
中華の前菜を一つのグラスに立体的に盛り付けだ。
刺身はアマテカレイ。
その下にはクルミ、おこげ、
ぶぶあられなどカリッとした食感を。
シソ、ミョウガ、大根。
それらを混ぜながら食べる。
その下にはクラゲや海老など前菜が入っている。
一口ごとに味が変化である。
ここのでヤリイカとレンコンの炒めものが入る。
なんと撮影を忘れてしまいました。
白と白のコンビネーション。
続いて炎に包まれたアワビの出現。
アワビの肝ソース煮込み。
このソースがなんとも上品。
アワビの歯ごたえも優しい。
ソースを舐めたいぐらいであった。
冬瓜とフカヒレ。
ここに上湯が注がれる。
これもまた透明感のあるスープで
冬瓜のうま味とフカヒレの弾力がいい塩梅だ。
ペロリである。
但馬牛のロース肉。
夏野菜との料理。
上賀茂唐辛子、万願寺唐辛子、いちじく、ゴボウ、オクラなど。
ロース肉だが脂がキレイですっと胃袋に落ちてゆく。
浜名湖のどうまん蟹。
夏の時期だけに採れる汽水域の生息する貴重な蟹。
味が濃厚である。
それをネギと生姜で味付け。
手で蟹を持ってかぶりつく。
ホントに味が濃く、
思わずみんなだまり一心不乱に食べ続ける。
鱧と加茂茄子の蒸し煮。
そこに醤油が入る。
鱧の味わいが一気に増す。
鱧のあらで取って出汁と手打ち麺。
鱧の子もたっぷり入っている。
食材を余すことなく使い切る。
やや濃厚な味付け。
麺にソースがよくからむ。
明石のタコをつかった炒飯。
野菜のピクルス。
杏仁豆腐。
この柔らさは半端ではない。
最後の小菓子。
右から蒸し菓子、桃のコンポート、杏のおからクッキー。
これも食材をすべてうつかう。
今回もまた清らかな味わい。
素晴らしかった。
「京、静華」
京都市左京区岡崎円勝寺町36-32F
075-752-8521
投稿者 geode : 10:53