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2007年6月13日

「祇園 松田屋」 京都・祇園 寿司

京都祇園に江戸前の寿司「鮨 まつもと」が暖簾を掲げたのが昨年のこと。あれよあれよという間に人気が出て予約が取りにくくなった。
なんとその並びに、また新しい寿司屋さんが登場した。「松田屋」。滋賀県から進出組である。

「祇園さ々木」の佐々木さんが既知の仲ということで、9時半頃から一緒に出かける。


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まだ新しい店内は木の香りがする。


ハモの煮こごりからはじまった。
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蒸し暑い初夏に涼しげな献立である。

あまてかれいの肝ポン酢
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酸味とねっとりの相性。

造りはトリガイ、コハダ、トロ。
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甘鯛の頭の塩焼き。
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煮アワビ。
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ここまでが前菜である。

にぎりはヤリイカが最初。
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あまてかれいのづけ。
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これが香りがよくて、甘味があっていい感じ。

キスの昆布締め。
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昆布はやや強め。

かすご。
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マグロのづけ。
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いちど霜降りして漬けたもの。

トロのづけにはわさびが。
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やはり脂分のおかげでわさびは香りだけが残る。

こはだ。
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いい酢加減。

トリガイ。
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金目鯛。
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しまえび。
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ぬるりというかねっとり。

かつお。
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これも霜降り。

穴子。
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シイタケとキュウリの巻物。
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玉子がでて、
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いちじくで締める。
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江戸前ともすこし違う。どこか料理の感じがする。新たな場所を得て、これから自分の寿司、それは味だけではなく、供するスタイルもふくめ、作り上げてゆく。という意思がしっかり伝わってくる寿司であり、ご主人の顔付きであった。この力強さは食べる側に感動を与えるはずだ。


祇園 松田屋
京都市東山区祇園町南側570-123
075-561-3338

投稿者 geode : 18:44 | コメント (0)

2007年6月11日

「茶香房 長竹」 京都・先斗町 お茶

京都先斗町の某割烹で食事をしたあと、「茶香房 長竹」という店に。ここは日本茶をメインに中国茶や紅茶を供する処。
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友人の医者や建築家など4名。僕以外は「長竹」初体験である。ご主人の長竹俊三さんは、お茶のスペシャリスト。とにかくお茶を楽しむことに全てを費やすような人物。話題も豊富なら、会話も見事である。


たまたま夜の9時過ぎ。他にお客さんは一人だけであった。僕達が扉を開けるなり、「いやぁ珍しい。いま店を開けたところですから」と。この店初めての仲間は「こんな時間からですか」と声をあげると「お客さんに合わせてあけてます」との返答。一気になごみ、である。

凍頂烏龍茶からはじまる。
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香りも、味わいも素晴らしい。そこに「ちょっと遊んでみましょ」と出されたのが中国のお茶らしいのだが、まだ茶葉が開いていない種。
これがどんどん開いてくると味が乗ってくる。しかし苦味が先走る。その変化が面白い。

抹茶餡を使った大福。
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これがねっとりとした口当たりのあとに抹茶の濃厚な香りが広がってゆく。甘味と苦味のハーモニーを楽しむ。凍頂烏龍茶を飲むとまたよし。
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「まあこれを食べて見て」と供されたのが抹茶アイスと抹茶のコラボレーション。
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点てられた抹茶に抹茶アイスが入る。これも甘味と苦味と香りのグラデーションが楽しめる。いいですね。「海外の人には受けますね」という。


締めは、まさに甘露と呼びたくなる玉露である。それも湯や水で出すのではなく、氷というのがポイント。
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従って一度に量は飲めない。少しずつ溶けるのを待ち、楽しむのである。舌に一滴の玉露が落ちると妙なる甘味がふわりと広がり、幸せな気分になる。

茶香房 長竹
京都市中京区先斗町三条下ル材木町189
075-213-4608

投稿者 geode : 17:26 | コメント (0)

2007年6月 6日

「ナチュラルガーデン」  大阪・リーガロイヤルホテル  フレンチ

大阪・中之島にある「リーガロイヤルホテル」。そこにはフランス料理のレストランが2軒ある。
「レストラン シャンボール」はまさにグラン・メゾン。料理、ワイン、サービス、雰囲気ともに最上を目指す。大阪では貴重なレストランの一軒といえる。

一方、1階にある「ダイニング&カフェ ナチュラルガーデン」はそのネーミング通りナチュラルな食材を使ったレストランである。シェフの豊田光浩さんは、食材を探し求め、それらを巧みに使って豊田シェフならではの料理を作る。
大胆と精緻、シンプルと演出など、テクニックだけでなく調理法や盛りつけなど、シェフが目を配るポイントは多い。

メニューは以下の通り

なめらかなアボカドのブルーテ、
タラバ蟹&ブッファラチーズ&鮑のイルフロタント仕立て
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かなり多くの素材を使いながらも、アボガドのブルーテが全体にまとまりをつける。食感もさまざまだが、口を動かすリズムがいくつも生まれる。

神奈川三崎漁港のメカジキに熟したパパイヤと青パパイヤのカクテル 
トマトとラズベリー風味のガスパチョと共に
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これも同様で、種々の素材を重ねながらも最終的にはさっぱりとした感じが残る。


琵琶湖竹生島の天然うなぎの軽い燻製を備長炭焼きにして、
シークワーサー風味のベビーキューリのピクルス&アザミのソテー&人参のカカオ風味&もろこし&エシャロット
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天然うなぎは脂分がじつにあっさりとしている。スパイスの使い方で、どこかトロピカルな感覚を味わった。

岸和田犬鳴豚のステックアッシェ&肩ロースのソテー、白アスパラのカルボナーラ添え
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犬鳴豚の脂分は上品でクリア。それをうまくいかしたメニューで、白アスパラガスも生きる。

パッションフルーツの軽いクリーム、
パンドゥエピスとアーモンドのソルベを合わせて
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酸味と濃厚な香味、パンドゥエピスの香りも加わり、印象的なデザートとなった。

全てのメニューが、数多の素材を使いながらも食後の印象は極めて軽やか。蒸し暑い時期でありながら、それを払拭する仕上がりというのが、シェフのセンスと技術の成果であろう。


ナチュラルガーデン
大阪市北区中之島5-3-68 リーガロイヤルホテル大阪
06-6448-1121

投稿者 geode : 11:32 | コメント (0)

2007年6月 4日

「中国料理 昇華」   京都・白梅町   中国料理

京都西陣の縫師・長草敏明さんと純恵さん夫妻。伝統の縫いを継承しつつも、常に新たな出会いを求め、海外のアーティストともコラボレーションを追求する作家である。そして食いしん坊。その長草さんに教えていただいたのが、京都白梅町の「中国料理 昇華」という店。

場所は分かりにくい。居酒屋「八剣伝」が入っているビルの1階だが、ずいぶんと奥まったところにある。
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店内はカウンター7席とテーブル2客8席のみ。お母さんと料理長の二人で、店を仕切っていた。菜単(メニュー)を見る。
盛り合わせ冷菜、水餃子、帆立貝柱のXO醤炒め、マーボーチーズ丼、ザーサイを選んだ。ザーサイは菜単には載っていないのだが、長草さんから「ザーサイが絶対おいしいので、必ず頼みなさい」と聞いていた。
注文するときに「長草さんから聞いてきました」と話してからの注文である。

盛り合わせの冷菜
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これが盛り沢山。蒸し鶏、クラゲ、白菜の甘酢、ピータン、エビ、イイダコ、チャーシュー、牛肉のたたき、アジの南蛮漬けである。どれもしっかり味が付けてあり、食べ応えあり。これはお値打ちでご機嫌だ。


続いてザーサイ
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これがいける。ザーサイを細く切る。白ネギ、キュウリ、キクラゲも細かく切り、和える。すると薄切りのザーサイとは違った食感も生まれ、副素材との相性も見事で、上品な一品となった。

水餃子である。
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つるりと滑りがよい。滑らかな口当たり。たれをかけて噛むと中のアンが結構濃厚。やはりこれは皮の旨さがあってこそ成立する料理。


帆立貝柱のXO醤炒め。
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ブロッコリー、ピーマンが入る。XO醤の威力は発揮されていた。


エビのチリソース。
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なんだか懐かしい味だ。本格四川とは違ったほどよい辛さ。ごはんが欲しくなるね。


さてさて次なる菜単がこちらのオリジナル。マーボーチーズ丼である。
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一瞬カウンターの上に置かれた石鍋。まだぐつぐつと音は聞こえる。チーズの焼けた香ばしい匂いが漂う。僕の食欲を刺激する匂いだ。
スプーンですくう。口に運ぶ。チーズはねっとりと絡む。続いてマーボー豆腐が出てくる。そしてごはんとなる。これは強烈だ。濃厚さが後を引く。くせになる味。相当濃い味重ねだが、不思議とバランスはいい。

食べながら料理長の経歴を聞いていると、なんと最近店を閉じた京都北白川の「やまぐち」出身で15年勤めたという。これは凄い出会いだ。一時期「やまぐち」に通ったことがある、といっても20年以上も前のこと。夏が近づくと冷麺が食べたくなる。「やまぐち」のそれほど具だくさんの冷麺にはこれまで出会ったことがない。
「僕が裏で仕込みをしていました。大将に教えてもらったことはないです。僕らの時代は盗んで覚えろでしたから」と修業時代の話がぽんぽん飛び出してくる。いやあ、懐かしい。
「あの冷麺、安い値段でお出ししていますから」とのお誘い。これは必ず出直しである。
長草さんの紹介で訪れた“町の中華屋さん”「昇華」だが、初対面ながら盛り上がりを見せた。
「やまぐち」のDNAが生きている。うれしい。


中国料理 昇華
京都市北区北野上白梅町24 ジュノー雅1階奥
075-461-6866

投稿者 geode : 19:18 | コメント (0)

2007年6月 3日

「ヴィラ アイーダ」   和歌山・岩出   イタリアン

今月の学会は、大人の遠足である。
和歌山県の「宮楠農園」で畑を見学したのちに近くの「ヴィラ アイーダ」というイタリア料理店に向かう。バスを一台チャーター。京都で数名、大阪で数名乗車で一路、和歌山へ。

まずは「宮楠農園」の宮楠仁之さんからレクチュアを受けながら見学である。料理人は、すぐに生で囓る。味を確認するにはもっとも手っ取り早い方法だ。
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ズッキーニ。
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水茄子。
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千両茄子。
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シシリアン・ルージュというトマト。
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キュウリ。
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どの野菜も、元気というか色艶もよければ、しっかり実も詰まっている。

周りにも沢山の畑があるが、その農家と宮楠さんの方法論は全くちがう。周辺は小品種多量であり、宮楠さんは多品種少量。とにかく量を求め作物を作るのではなく、質を求めるのと同時に料理人が求める作物を作るという意識が高い。
よって大阪のフランス・イタリア料理のシェフからラブコールが凄い。

「宮楠農園」からクルマで10分余にある「ヴィラ アイーダ」。ヴィラとあるのは、この春シェフは結婚がきっかけで自宅を拡張、ついでに一日一組限定で宿もはじめてしまった。
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小林寛司シェフとマダムの有巳さんのチームワークが素敵だ。


この日の料理は
ズッキーニと水なすのズッパ
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トマトの透明なジュレが利いている。さわやかな酸味といえばよいのだろうか。


さや付きヤングコーン
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朝から収穫されたベビーコーンの甘さが鮮烈。


青唐、烏賊、キュウリのガスパッチョ仕立て
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酸味と辛味のバランスがいい。


三度豆とトロフィエのハーブペースト和え
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トロフィエという手打ち麺のすこしもっちりした食感にハーブの香りがあう。


じゃが芋のニョッキとプティトマト
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こっくりした味わいがニョッキを優しく包んでゆく。


オクラとパッケリ
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ナポリの幅広麺・パッケリとオクラのねばねばが素敵な相性。パスタは噛むものだという実感。ハーブとエビのだしを加えてあるので旨みが濃厚。


さざえとハーブのタリオリーニ
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さざえのこりこりとタリオリーニの食感のちがいから生まれる楽しさ。


仔羊とレモンコンフィ添え
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火入れのタイミングが的確なので、柔らかさを残しかつ仔羊の香りと旨みを凝縮させる。


茄子、白いんげん、ルーコラ・モロヘイヤのサラダ
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このサラダを食べると気分がしゃっきりとする。酸味の付け方と茄子の旨みがポイント。


セロリのジェラートとそのスープ
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セロリの葉っぱとヨーグルトをプラスし作り上げた。下には牛乳メインのソースが。いいプレゼンテーションである。


ほうれん草のクレームブリュレ
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ややかたさが残るブリュレ。ほうれん草の味をしっかり味わう。

料理はすべて終了。料理人たちとシェフとマダムに一言ずつ言葉をかける。自分たちが作った食材や直ぐ近くに優れた農園がある。「羨ましい環境やね」と言うと「ここでしかできない、食べられない料理を作っていきます」と。
それからヴィラの見学がはじまる。
輸入住宅で、一つひとつが可愛い。
「2階の壁を塗ったり、床を張ったりしました」との裏話も。

裏の田んぼがみえるバスタブ。
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ゲストがくつろげるリビング。ここはテレビもなしである。
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ベッドルームはシングルをピタリと付けてある。
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一日一組限定だが、毎日はまだスタッフの関係で難しいとか。今後が楽しみ。

記念撮影。大柄が多いためシェフとマダムが余計に小さく見える。
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ヴィラ アイーダ
和歌山県岩出市川尻71-5
0736-63-2227

投稿者 geode : 10:57 | コメント (0)

2007年6月 2日

「杏杏」   神戸・鯉川筋   中国料理

この中国廣東省家庭料理の店を知ったのは、数年前のこと。「神戸北野ホテル」の総支配人・総料理長の山口浩さん、お薦めであった。
店の前にかかった暖簾というかテントに書かれた文字から惹かれた。食いしん坊の僕を呼んでいる感じがした。
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お粥。
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お粥は、おかあさんの呉杏芳さんの実家が著名な中華料理店であり、そこで育った味が継承されている。とろとろに煮込まれながら、ちゃんと米の形状は残っている。この塩梅が、旨さにつながってゆく。鶏だしもきいている。


季節の野菜炒め。
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大好きなかいらん菜がある。空芯菜とも青梗菜ともちがう。もう少し歯応えありで、青味も強い。だが、それがクセになる。いろいろなところで聞いてみるが、なかなか出会わない。「だいたい入ってますよ」とお父さん。


皮目のパリッと焼けた焼き豚。
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そのパリッとした食感と脂身のねっとり感が素晴らしい。

カウンター内では、お母さんが調理し、隣でお嬢さんが手伝う。お父さんはサービスを担当する。
二人の息子さんは、近くの諏訪山に工房を造りそこで饅頭を製造し販売する。長男は工房を預かり、次男は店と工房を行ったり来たりと家族全員で、店に関わる。
今時珍しい光景で、そのアットホームな雰囲気もご馳走の一つとなっている。


杏杏
神戸市中央区下山手通4-13-14
078-322-3339

投稿者 geode : 10:55 | コメント (0)